47都道府県の太陽光補助金を全部調べた|13県は補助金と売電のどちらかを選ぶ

統計・レポート公開 2026年8月13日
47都道府県の太陽光補助金を全部調べた|13県は補助金と売電のどちらかを選ぶ

※本記事にはプロモーションが含まれます

当サイトは47都道府県の補助金を1件ずつ調べて記事にしました。並べてみて、いちばん大きな違いは金額ではありませんでした。

13県は「FIT・FIPの認定を取得しないこと」が要件です。補助金を取ると、売電が前提の設計にできません。さらに4県は、枠やコースによって扱いが分かれます。

そして、この条件を決めているのは県ではなく財源でした。

補助金と売電が両立しない県が13ある

FIT・FIPの認定を取れない(13) 枠やコースで分かれる(4) 条件を確認できず(30) 北海道 青森 岩手 宮城 秋田 山形 福島 茨城 栃木 群馬 埼玉 千葉 東京 神奈川 新潟 富山 石川 福井 山梨 長野 岐阜 静岡 愛知 三重 滋賀 京都 大阪 兵庫 奈良 和歌山 鳥取 島根 岡山 広島 山口 徳島 香川 愛媛 高知 福岡 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄 当サイトが47都道府県の記事を作成する過程で確認した範囲(2026年8月)。「確認できず」は条件が無いことを意味しません
扱い 県
FIT・FIPの認定を取得しないことが要件(13) 岩手・山形・栃木・群馬・埼玉・新潟・石川・福井・三重・兵庫・鳥取・徳島・長崎
枠やコースによって分かれる(4) 滋賀・京都・島根・宮崎

三重県のページには、補助要件が2行だけ書かれています。

・FIT制度の認定又はFIP制度の認定を取得しないこと。
・太陽光発電設備で発電する電力量の30%以上を自家消費すること。

この2行は、兵庫県・栃木県・群馬県・新潟県・石川県・福井県のページにも、ほぼ同じ言葉で載っています。

2026年度にFIT認定を受けた住宅用の売電価格は、1〜4年目が24円、5年目以降が8.3円です(売電価格2026年度)。補助金を取るということは、この10年分を使わないという選択になります。

4県は「分かれる」

  • 京都府…売電するかしないかを選べます。選ばなかったほうが4倍もらえます(京都府の記事)
  • 滋賀県…FITを受けるかで使う事業そのものが変わります。5kWで26万円以上の差が出ます(滋賀県の記事)
  • 島根県…FIT不可の枠と、FITを取ることが条件の枠が両方あります(島根県の記事)
  • 宮崎県…新しく載せる枠はFIT不可。すでに太陽光があってFIT契約中なら、蓄電池の補助は受けられます(宮崎県の記事)

条件を決めているのは県ではなく財源

なぜ離れた県で同じ2行が並ぶのか。三重県が理由を書いています。

※当該補助金は、環境省の「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金」を活用しています。

ここから先は当サイトの整理です。同じ交付金を原資にすると、条件も一緒についてきます。県が独自に厳しくしているのではなく、お金の出どころが条件を持ち込んでいる、という形に見えます。

反対側の例が富山県です。富山県が2026年度にやっているのは補助金ではなくキャッシュレスポイントの交付で、原資は内閣府の物価高騰対応の交付金です。

三重・兵庫・栃木・群馬・新潟など 富山県
FITの条件 認定を取得しないこと(必須) ページに記載なし
自家消費30% 必須の要件 「努めること」=努力義務
原資 環境省の交付金 内閣府の交付金

和歌山県は、さらに逆側から同じ構造を見せます。県の補助の対象者は市町村ですが、国の事業に採択されている市町村は対象外です。

【補助対象者】太陽光発電設備等の設置を行う個人に対して補助を行う市町村(脱炭素先行地域づくり事業又は重点対策加速化事業に採択されている市町村を除く)

国の枠がある市町村はそちらを使い、ない市町村を県が埋めるという役割分担に読めます。ただし県がそう説明したものではありません(当サイトの整理です)。詳しくは和歌山県の記事と三重県の記事をご覧ください。

「県の補助金」が県から出ないことがある

探し方でつまずきやすいのがここです。県のページにたどり着いても、そこにお金はありません。

千葉県のページには、こう書かれています。

県民の皆様の申請窓口は、補助事業を実施している各市町村になります。(直接、県から設置される方への補助金の交付は行っておりません。)

山口県は、よくある質問で正面から答えています。

Q. 個人向けの太陽光パネル、蓄電池などを設置する際に、補助金制度や融資制度はありますか?
A. 山口県では、太陽光パネルや蓄電池などの設備単体に対する補助金制度や融資制度はありませんが、お住まいの市町では補助金制度を実施している場合がありますので、直接お問い合わせください。

「ない」と県が明記している例は、47県のうちここだけでした。多くは、探しても見つからない、という状態です。

ほかにも形はさまざまです。

  • 高知県…住宅用の補助金なのに、要綱の【対象者】が「市町村」(高知県の記事)
  • 茨城県…県は市町村へ1設備あたり5万円。住民には直接出していません(茨城県の記事)
  • 熊本県…県の制度はなく、45市町村の制度を1つの表にまとめて公表しています(熊本県の記事)
  • 広島県…県が家庭向けに出しているのは断熱窓の1本だけ(広島県の記事)
  • 愛媛県…県のメニューは燃料電池・蓄電池・ZEH・エネルギー管理システムの4つ。太陽光が入っていません(愛媛県の記事)
  • 鹿児島県…県の住宅用太陽光の募集は平成26年3月末で終了。ただし当時受け取った人は今も条件に縛られます(鹿児島県の記事)

太陽光だけでは出ない県がある

「太陽光の補助金」を探しているのに、太陽光単独では対象外という県があります。

県 条件
長野県 制度名が「クルマとつなぐ屋根ソーラー補助金」。9つの組み合わせに太陽光単独がない
愛知県 太陽光だけを設置しても対象にならない
栃木県 太陽光と蓄電池をセットで新しく入れる場合のみ
神奈川県 太陽光と蓄電池を同時に導入することが条件。蓄電池の後付けは対象外

詳しくは長野県・愛知県・栃木県・神奈川県の各記事をご覧ください。逆に「蓄電池だけ」で使えるかは蓄電池だけでも補助金は出る?で扱っています。

締め切りの速さが県で違いすぎる

金額を調べても、受付が閉じていれば意味がありません。2026年度の実例です。

県 起きたこと
神奈川県 第1期は5月11日〜6月30日の予定が、5月12日に締切。実質2日
群馬県 受付は6月29日〜7月20日の22日間だけ。しかも先着ではなく抽選
奈良県 6月15日開始。44日で予算の約99%
岩手県 募集戸数が県全体で19戸
長崎県 実施19市町のうち6市町が7月時点で受付終了
宮城県 受付は年3回。どの回に出るかは工事の引渡日で自動的に決まる
新潟県 組み合わせごとに締切が違う

「先着だから急ぐ」が通じない県があります。群馬県は期間内に出せたかどうかがすべてでした。申請の流れは補助金の申請はいつ何をするのかにまとめています。

残りをどこまで見せているか

予算の残りを公開しているかどうかも、県によってまったく違いました。

  • 大分県…残額を千円単位で掲載(個人向け72,862千円・8月3日時点)
  • 栃木県…予算に対する受付金額の割合をページ冒頭に掲載(約60%・7月29日現在)
  • 北海道…共同購入の落札価格・比較に使った市場価格・落札業者名・製品型番まで公開
  • 大阪府…共同購入で1,878世帯が登録し、契約は72世帯という数字を公表

ここから先は当サイトの整理です。残額や消化率を出している県は、少数でした。多くは「予算がなくなり次第終了」とだけ書かれています。

県が広告を否定している

2つの県が、流れている広告の文言をそのまま引用して否定するページを出しています。

茨城県です。

「県で最大60万円の支援を決定。」→県では、家庭用蓄電池に対する補助制度を設けている市町村へ、1設備あたり定額5万円で補助を実施しております。

山梨県です。

SNS等で「県民は実質負担0円で利用できる」「月額3,000円以下で電気使い放題」といった内容の広告が散見されますが、本補助金及び山梨県が実施する事業とは一切関係ありません。

離れた2県で、ほぼ同じ文言の広告が確認されています。訪問販売や広告のトラブルは悪質業者の見分け方と点検相談のレポートで扱っています。

同じ論点で答えが逆になる県もある

論点 一方 もう一方
J-クレジット 福井県…登録を行わないこと 香川県…県の制度に入会すること
売電先 多くの県…指定なし 石川県…北陸電力の特定プラン加入/山形県…県の登録3社
設備の産地 多くの県…指定なし 山形県…蓄電池は国内メーカー限定(対象外の社名も掲載)
施工業者 多くの県…指定なし 佐賀県…県外の会社なら契約前に理由書/熊本県…市内業者で額が変わる市がある

徳島県には、受け取ったあとの義務があります。17年間、記録を残すことです。30%以上の自家消費に達していなければ返還を求める、と書かれています。

この一覧の使い方

ここから先は当サイトの整理です。金額から見ないでください。順番があります。

  1. 売電するかを先に決める。13県では、補助金を取ると売電を前提にできません
  2. 窓口が県か市町村かを確かめる。県のページにお金がないことがあります
  3. いま受付が開いているかを見る。2日で閉じた県も、抽選だった県もあります
  4. そのうえで金額を見る。ここで初めて意味が出ます

お住まいの都道府県の記事は補助金の一覧から選べます。

まとめ

  • 13県はFIT・FIPの認定を取得しないことが要件。補助金と売電のどちらかを選ぶことになる
  • さらに4県(滋賀・京都・島根・宮崎)は枠やコースで扱いが分かれる
  • 条件を決めているのは県ではなく財源。三重県が環境省の交付金を原資と明記している
  • 富山県は原資が内閣府の交付金で、FITの条件がない(自家消費30%も努力義務)
  • 「県の補助金」が県から出ないことがある。千葉県・高知県・茨城県などは市町村が窓口
  • 山口県は「ありません」と県が明記。47県で唯一だった
  • 太陽光だけでは出ない県がある。長野県は9つの組み合わせに単独がない
  • 締切の速さがまったく違う。神奈川県は実質2日、群馬県は22日間で抽選、奈良県は44日で99%
  • 予算の残額や消化率を公開している県は少数(大分・栃木・北海道・大阪)
  • 茨城県と山梨県は、広告の文言を引用して否定するページを出している

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この記事の情報について

このページは、当サイトが47都道府県の補助金記事を作成する過程で確認した内容を横断して整理したものです。各県の一次資料は、それぞれの記事の「この記事の情報について」に記載しています。

本文で引用した3件は、2026年8月13日に各自治体の公式ページで直接確認しました。

確認していない範囲です。ここが重要です。

  • 「条件を確認できず」の30県に条件が無い、という意味ではありません。当サイトが各県の記事を作成した時点で、FITに関する条件を確認できなかったという意味です
  • 市区町村の制度は数えていません。全国に1,700以上あり、県の制度とは別に条件が付きます。同じ県内でも金額が17倍ちがう例があります(静岡県)
  • 制度は年度ごとに変わります。この整理は2026年8月時点のものです。翌年度には別の姿になります
  • 県によって、今年度の情報が出ている時期が違います。千葉県のページは2026年8月時点で「令和7年度事業のもの」と注記されています
  • 補助金の手厚さと普及率の関係は主張しません。累積の設置件数と現行制度は対応しないためです(普及率のレポート)
  • 各県の交付要綱の本文には当たっていません。各自治体が公表しているウェブページの記載を整理したものです
  • 金額の大小で県を順位づけていません。単価・上限・対象設備の数え方が県ごとに違い、そのまま比べられないためです
  • 「財源が条件を決めている」という読み方は当サイトの整理です。国や県がそう説明した資料は確認していません