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熊本県には、住宅に太陽光や蓄電池を入れる人へ県が直接出す補助金がありません。今回確認した範囲では、県のエネルギー政策課に住宅所有者向けの制度は見当たりませんでした。
その代わり県がやっているのが、県内45市町村の制度を1つの表にまとめて毎年公表することです。令和8年度版は2026年6月10日に更新されています。
この表を読むと、熊本県で引っかかるのは金額よりも別のところだと分かります。同じ設備でも「誰に工事を頼むか」で補助額が変わる自治体があることです。
県の制度はなく、市町村の一覧がある
県が公表しているのは「県内市町村の再エネ等に関する助成制度等一覧」というPDFです。45市町村分が1つのファイルにまとまっていて、制度名・金額・受付期間・担当部署の電話番号まで載っています。
ここまで確認した46都道府県のなかで、市町村分をここまで詳しくまとめている県は多くありません。県の制度がない代わりに、探す手間を県が引き受けている形です。
ただし県も注記しているとおり、申請方法や実施期間の詳細は各市町村に問い合わせる必要があります。PDFの数字は年度当初のもので、予算が尽きれば受付は終わります。
市内業者に頼むと補助額が変わる自治体がある
熊本県で最も注意したいのがここです。施工を市内の業者に頼むかどうかで、もらえる額が変わる自治体が2つあります。
| 自治体 | 通常 | 市内業者に頼んだ場合 |
|---|---|---|
| 八代市 | 太陽光 1.5万円/kW(上限10万円) 蓄電池 定額10万円 |
2万円を上乗せ |
| 天草市 | 太陽光 5万円 蓄電池 5万円 |
それぞれ10万円(2倍) |
天草市は市内に本店・支店・営業所を置く事業者が施工した場合、1件あたり5万円が10万円になります。太陽光と蓄電池の両方なら差は10万円です。
ここから先は当サイトの整理で、公的な基準ではありません。見積もりを比較するとき、県外の会社のほうが本体価格は安く見えても、補助金の差で逆転することがあります。八代市と天草市にお住まいなら、見積もりを取る段階で「市内に営業所があるか」を確認しておくと判断が変わります。
なお天草市の補助は現金ではなく地域通貨で交付されます。使い道が市内に限られる点は事前に理解しておく必要があります。
太陽光の補助額は自治体で最大4倍以上ちがう
県内で住宅用太陽光に補助を出している主な自治体です。
| 自治体 | 太陽光 | 蓄電池 |
|---|---|---|
| 荒尾市 | 7万円/kW(一般住宅) | 蓄電池価格の1/3 |
| 山都町 | 7万円/kW(自家消費型) 2万円/kW(上限10万円・通常枠) |
蓄電池価格の1/3 |
| 八代市 | 1.5万円/kW(上限10万円) | 定額10万円 |
| 嘉島町 | 1.5万円/kW(上限5万円) | — |
| 熊本市 | 蓄電池とセットで8万円 | 8万円(卒FIT世帯は単独可) |
| 上天草市 | 上限5万円 | 上限10万円 |
| 天草市 | 5万円(市内業者なら10万円) | 5万円(市内業者なら10万円) |
| 菊池市 | 5〜6kW未満 3万円 6kW以上 5万円 |
— |
| 高森町 | 4kW以上で5万円 | — |
| 南小国町 | 2万円/kW(上限20万円) | 上限10万円 |
| 益城町 | 2万円(蓄電池と同時設置のみ) | 8万円 |
| 南関町 | — | 費用の1/5(上限5万円) |
5kWの太陽光を載せたとして計算すると、荒尾市は35万円、八代市は上限に達して10万円、嘉島町は5万円です(当サイトの計算です)。同じ県内で7倍の差があります。
単位もばらばらです。kWあたりの単価、定額、設置費用に対する割合、出力帯による段階制の4通りが混在しています。他の自治体の金額をそのまま当てはめることはできません。
補助金を使うには、まず見積もりから
補助金の対象になるかどうかは、設置する設備と工事の内容で決まります。まず見積もりを取らないと、いくら補助が出るかも確定しません。
広告。申し込みは各社の公式サイトで行われます。
制度がない自治体も多い
県の一覧で「該当なし」と記載されている自治体があります。今回確認できた範囲では、人吉市・水俣市・山鹿市・宇土市・宇城市・阿蘇市・美里町・長洲町・和水町・小国町・産山村・西原村・南阿蘇村・御船町・甲佐町などです。
また、制度があっても太陽光・蓄電池が対象とは限りません。玉名市・玉東町・合志市・大津町は省エネ家電やエアコンの買換えが対象で、菊陽町は太陽熱温水器のみです。「熊本県 太陽光 補助金」で調べて自分の市町村名が出てこない場合、制度がないか、対象設備が違う可能性があります。
熊本市は前期・後期の2期制で、受付日順
県内で最も世帯数が多い熊本市の制度を見ておきます。
| メニュー | 補助額 | 前期の件数 |
|---|---|---|
| 太陽光発電設備(蓄電池併設型) | 8万円 | 80件 |
| 蓄電池(卒FIT世帯対象) | 8万円 | 35件 |
| ZEH導入 | 15万円 | 40件 |
前期は2026年5月11日から10月31日まで。後期の件数と時期は未定と記載されています。市は「全てのメニューにおいて受付日順であり、予算枠の上限に達し次第、受付を終了する」としています。抽選ではなく先着です。
注意したい点が2つあります。1つは、太陽光の補助が蓄電池併設型に限られること。太陽光だけでは対象になりません。もう1つは、蓄電池単独の枠が固定価格買取制度(FIT)の買取期間が満了した世帯に限られることです。これから太陽光を新設する人は、セットで申請することになります。
着工のタイミングは自治体ごとに違う
交付決定より前に工事を始めてよいかは、自治体によって扱いが異なります。
益城町は「設置工事の着工前に申請し、補助金の交付決定通知書が届いてから設置工事を行う人」と明記しています。決定通知までは通常2週間程度とあります。嘉島町も「申請日以降に設置工事に着手」が条件です。
一方で熊本市は、交付決定を受けようとする年度の前年度3月1日から当年度2月末日までに事業が完了していること、という書き方をしています。工事が先でも申請できる設計です。
この違いは金額より重要です。申請より先に契約・着工すると対象外になる自治体があるため、業者から「先に契約しても大丈夫」と言われても、自分の市町村の要綱を確認してください。補助金全体の手順は補助金の申請の流れにまとめています。
熊本県で進めるときの順番
ここから先は当サイトの整理であり、県が示した手順ではありません。
- 県の一覧PDFで自分の市町村を探す。制度の有無と担当課の電話番号がここで分かります
- その市町村のページで要綱を確認する。一覧の数字は年度当初のもので、予算が尽きていることがあります
- 八代市・天草市なら、市内業者かどうかで額が変わることを頭に入れる
- 着工前に申請が必要かを確認する。ここを外すと補助が受けられません
- 複数社から見積もりを取る。補助額の差より本体価格の差のほうが大きいこともあります
補助金の額は数万円から数十万円ですが、設備の見積もりは会社によって数十万円の差が出ます。相見積もりの進め方と、見積もりガイドも参考にしてください。
まとめ
- 熊本県には住宅向けの県独自の補助制度が見当たらない。あるのは市町村の制度
- 県は45市町村分の一覧PDFを毎年公表している(令和8年度版は2026年6月10日更新)
- 八代市は市内業者で2万円上乗せ、天草市は市内業者で額が2倍になる
- 天草市の補助は地域通貨で交付される
- 太陽光の補助は荒尾市の7万円/kWが県内で最も高く、嘉島町の上限5万円とは大きな差がある
- 熊本市は太陽光単独では対象外で、蓄電池とのセットが条件。受付は先着順
- 着工前の申請が必須の自治体(益城町・嘉島町など)と、そうでない自治体がある
- 15以上の市町村は「該当なし」。制度があっても対象設備が家電のみの自治体もある
複数社の見積もりで総額を比べる
補助額は数万円から数十万円ですが、設備の見積もりは会社によって数十万円の差が出ることがあります。補助金を使う前提で、複数社の見積もりを比べてください。
広告。申し込みは各社の公式サイトで行われます。
県が住宅所有者に直接出さない、という形は熊本県だけではありません。47都道府県を並べると、窓口の置き方が県ごとにかなり違います(47都道府県の補助金を全部調べた)。
この記事の情報について
以下を2026年8月12日に確認したものです。
金額と条件は、県が公表した一覧PDFの記載をそのまま引用しています。各市町村の要綱そのものは確認していません。申請の前に、必ず自分の市町村の公式ページで最新の内容をご確認ください。
「5kWで計算すると」の試算と「進めるときの順番」は当サイトによるものです。県や市町村が示したものではありません。
県の一覧に「該当なし」と記載がある自治体について、制度が存在しないことを当サイトが独自に確認したものではありません。県の資料の記載に基づいています。
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