太陽光の相見積もりは何社取るべき?「3社」に根拠はあるのか

見積もり・業者選び公開 2026年8月7日
太陽光の相見積もりは何社取るべき?「3社」に根拠はあるのか

※本記事にはプロモーションが含まれます

「相見積もりは3社が基本」とよく言われます。ただ、その3という数字に根拠があるのか、調べてみました。

結論から書きます。公的機関は「複数社から見積もりを取る」ことは勧めていますが、社数は示していません。「3社」という数字に公的な裏付けはありません。

そこでこの記事では、数の話と、それより大事な何を比べるかの話を分けて整理します。

公的機関が言っているのは「複数社」まで

国民生活センターは2025年6月4日の発表で、消費者へのアドバイスとしてこう書いています。

太陽光発電システムの点検やメンテナンスの契約をする際は、その場で契約せず、複数社から見積もりを取り検討しましょう。

「複数社」であって、「3社」でも「5社」でもありません。数を示した公的資料は、確認した範囲では存在しません。

実務上の上限は5社

では実際に何社まで取れるのか。一括見積もりサービスの設計を見ると、上限が見えてきます。

タイナビの公式サイトには、申し込みの流れとして「STEP2 最大5社から検討」と書かれています。一括見積もりで一度に取れるのは、多くて5社ということです。

一方、ソーラーパートナーズは自社サイトで「ソーラーパートナーズは一括見積りサイトではありません」と明言し、「一般的な一括見積サイトの場合、5社近くの会社から直接お客様に連絡が来ますが、ソーラーパートナーズの場合は、ソーラーアドバイザーからのご連絡のみです」と説明しています。

この2つのモデルの違いは 太陽光の一括見積もりは何社から電話が来る?申込後の流れと断り方 にまとめています。

多ければいいわけではない

社数を増やすほど良い条件が出る、と考えたくなります。ただ、増やすと確実に増えるものがあります。

増やすと増えるもの 中身
連絡の本数 一括見積もり型なら、社数の分だけ電話とメールが来る
説明する回数 同じ条件を各社に伝え直す必要がある
現地調査の回数 各社が別々に来る
断る回数 決めた1社以外、すべてに断りを入れる

途中で疲れて、最初に来た会社に決めてしまう。これが相見積もりでいちばん起きやすい失敗です。それなら最初から2社に絞って、その2社をきちんと比べたほうが判断の質は上がります。

数は目的ではありません。比べられる状態の見積もりが2つ以上あることが目的です。

見積もりを取って確かめる場合

ここまでの内容を判断材料にするには、実際の見積もりが要ります。複数社に一度に依頼できるサービスを使うと手間が減ります。

タイナビで無料一括見積もりを依頼する

広告。申し込みは各社の公式サイトで行われます。

総額で比べると間違える

ここからが本題です。

見積もりが並んだとき、まず総額を見比べたくなります。しかし総額は、載せるパネルの量によって変わります。安い見積もりが、単に容量の小さい提案だっただけということが起きます。

総額だけで比べると、判断を誤ることがある A社 総額 110万円 容量 4.0kW kWあたり 27.5万円 B社 総額 130万円 容量 5.5kW kWあたり 約23.6万円 総額はA社が安いが、kWあたりの単価はB社のほうが安い。 ※説明のための架空の数値です。相場を示すものではありません。

比べるなら、総額をシステム容量(kW)で割った「kWあたりの単価」です。これで容量の違いを取り除けます。

ただし、これだけでも足りません。工事の範囲や保証が違えば、単価が安い理由がそこにあるかもしれないからです。

比較シート

各社の見積もりから、次の項目を書き出してください。埋まらない欄があれば、それは業者に聞くべき項目です。

項目 なぜ見るか
総額(税込か税抜か) 税の扱いがそろっていないと比較にならない
システム容量(kW) 総額を割って単価を出すため
kWあたりの単価 容量の違いを取り除いた比較ができる
パネルのメーカーと型番 同じメーカーでも型番で性能が違う
パネルの枚数 屋根に載る枚数の想定が各社で違うことがある
パワーコンディショナのメーカーと型番 交換時期が来る機器なので、後々効いてくる
蓄電池の有無と容量(kWh) これが入っているかで総額が大きく動く
工事費に含まれる範囲 足場・電気工事・申請代行がどこまで入っているか
含まれていない費用 あとから追加請求になる部分
メーカー保証(出力・機器)の年数 モジュールメーカーが出すもの
施工保証の年数と範囲 雨漏りなどはこちら。抜けやすい
発電量シミュレーションの前提 電気料金単価・売電価格・地域・向き・劣化の想定
見積もりの有効期限 比較している間に切れることがある

保証について補足します。太陽光発電協会(JPEA)の表示ガイドラインでも整理されているとおり、出力保証・機器保証はモジュールメーカーが、施工に起因する不具合への対応は販売業者・施工業者が担います。「メーカー保証◯年」だけを説明されたら、施工側の保証を別途確認してください。

「一式」とだけ書かれていたら

工事費の欄に「工事一式」とだけ書かれていて、内訳がない見積もりがあります。この場合、他社と比べようがありません。

経産省の資料によると、2025年に新築設置された住宅用太陽光の費用のうち工事費は8.5万円/kW(総額の約29%)を占めます。「一式」で済まされると、費用の約3割が比較できない状態になります。内訳の数字は 太陽光の費用の推移|安くなったのはパネルだけ にまとめています。

内訳を出してもらってください。「他社と比較したいので、工事費の内訳をいただけますか」と伝えれば足ります。出せない理由は、通常ありません。

なお、「一式」表記そのものについて公的機関が注意喚起している資料は、確認した範囲では見つかりませんでした。これは法令違反ではなく、比較しづらいという実務上の問題です。

断るときは

相見積もりを取れば、必ず断る相手が出ます。理由を細かく説明する必要はありません。

  • 「他社に決めましたので、今回は見送ります」
  • 「今後のご連絡は不要です」

一括見積もりサービスによっては、運営が代わりに断ってくれる仕組みや、しつこい営業を通報できる窓口があります。詳しくは 一括見積もりの記事 に書いています。

見積もりの流れ全体は 太陽光の見積もりガイド|比べられる見積もりの集め方 にまとめています。

まとめ

  • 公的機関が勧めているのは「複数社」まで。「3社」に公的な根拠はない
  • 一括見積もりで一度に取れるのは多くて5社(タイナビの場合)
  • 社数を増やすと、連絡・説明・現地調査・断りの手間がすべて増える。途中で疲れて最初の1社に決めるのがいちばんの失敗
  • 目的は数ではなく、比べられる状態の見積もりが2つ以上あること
  • 総額ではなくkWあたりの単価で比べる
  • 単価が同じでも、工事範囲と施工保証が違えば意味が変わる
  • 「一式」表記は内訳を出してもらう

見積もりを依頼する前に決めておくことは 太陽光の見積もりを取る前に決めておく5つのこと に、業者そのものの確認方法は 太陽光の悪質業者の見分け方 にまとめています。

相見積もり用の見積もりを集める場合

1社ずつ探して依頼する時間が取れない場合は、一括見積もりで複数社分をまとめて集める方法があります。申し込み後に何が起きるかは一括見積もりの記事で解説しています。

タイナビで無料一括見積もりを依頼する

この記事の情報について

公的機関・業界団体・各社の記述は、以下を2026年8月7日に確認したものです。

記事中の比較シートの項目は、比較を成立させるために当サイトが整理したものであり、公的な基準ではありません。図中の数値は説明のための架空の例で、相場を示すものではありません。

この記事は公開情報を整理したものです。当サイトが実際に相見積もりを取った立場で書いたものではありません。