太陽光の保証は3種類ある|施工保証は会社が消えると一緒に消える

見積もり・業者選び公開 2026年8月8日
太陽光の保証は3種類ある|施工保証は会社が消えると一緒に消える

見積書の後ろのほうに、「製品保証15年」「施工保証10年」と並んで書かれていることがあります。数字が近いので同じ種類のものに見えますが、この2つは出所が違います。片方はメーカーが自社の商品につけたもの、もう片方は工事をした会社が自分の工事につけたものです。そして、この2つのどちらでもない3つ目の責任が、住宅のほうに存在します。

新築のときに載せたなら、10年の責任は法律の側にある

屋根に太陽光パネルを載せる工事は、屋根に穴を開けて支持部材を固定する工事です。国土交通省は、その工事による雨漏りを住宅の問題として扱っています。まず新築のほうから見ます。国土交通省の住宅瑕疵担保履行法Q&Aは、責任の範囲をこう書いています。

住宅瑕疵担保履行法では、住宅品質確保法において新築住宅について定められている「構造耐力上主要な部分」「雨水の浸入を防止する部分」に関する10年間の瑕疵担保責任を前提として、資力確保措置が義務付けられています。

ここでいう雨水の浸入を防止する部分には、住宅の屋根が含まれます。新築の工事請負契約や購入契約にパネルが含まれていた場合、パネルの取付けが原因で屋根から雨が入れば、その不具合は住宅側の10年の責任として扱われうる、と読めます(当サイトの整理です)。

ただし、この10年がつくのは新築住宅だけです。同じQ&Aは新築住宅の定義もはっきり書いています。

「新築住宅」とは、新たに建設された「住宅」であって、建設工事の完了から1年以内で、かつ、人が住んだことのないものを言います。この新築住宅に該当しない中古住宅が売買の対象である場合には、資力確保措置の義務付けの対象とはなりません。

いま住んでいる家への後付けは、この10年の外側にある

すでに住んでいる家の屋根に後から載せる工事は、新築住宅の10年の枠に入りません。ここを埋めるために用意されているのがリフォームかし保険です。国土交通省の消費者向けページは、この保険の効き方を次のように説明しています。

リフォームかし保険では、後日、工事に欠陥が見つかった場合に、補修費用等の保険金が事業者(事業者が倒産等の場合は発注者)に支払われ、無償で直してもらうことができます。

括弧の中が効きます。保険金の受取人が、通常は事業者、倒産していれば発注者、つまり施主本人になります。裏を返せば、保険に入っていない工事では、施工した会社が消えた時点で施工保証も一緒に消えます。紙に「施工保証10年」と書いてあっても、それを履行する主体がいなくなるからです。

そしてこの保険は、工事のたびに自動でつくものではありません。同じページには、保険を引き受ける住宅瑕疵担保責任保険法人が国土交通大臣の指定した5法人であること、そして「事業者はこの中から自由に選択して保険契約を締結することができます」と書かれています。加入するかどうかは事業者側の判断で、義務ではありません。

呼び名 出しているのは 根拠 施工会社が倒産したら
製品保証 機器メーカー メーカーの自主的な保証規定 残る(メーカーが健在なら)
施工保証 工事をした会社 会社と施主の契約 履行する相手がいなくなる
新築住宅の10年 売主・請負人 住宅品質確保法/住宅瑕疵担保履行法 資力確保措置がある(新築のみ)
リフォームかし保険 保険法人 事業者の任意加入 発注者に保険金が支払われる
屋根に載せた太陽光にかかる「保証」の層 新築の契約に含めて設置した いま住んでいる家に後付けした 住宅品質確保法・住宅瑕疵担保履行法 構造耐力上主要な部分/雨水の浸入を防止する部分 引渡しから10年。資力確保措置が義務 上記10年の対象外 リフォームかし保険で埋められる ただし事業者の任意加入 メーカーの製品保証(機器そのもの。メーカーの自主的な規定) 施工会社の施工保証(工事の不具合。会社と施主の契約) 施工会社が倒産すると、履行する主体がいなくなるのは施工保証

国は工事のやり方まで文書にしている

保証の話は、突き詰めると「その工事が基準どおりだったか」に帰着します。国土交通省は、太陽光パネル設置工事について設計・施工基準を策定していて、その理由をページ冒頭で説明しています。

太陽光発電パネルの住宅への設置による雨漏り等の不具合発生を防止するため、支持部材の固定方法、防水処理、外壁貫通部分の防水処理等の施工上の留意点を、「既存住宅売買及びリフォーム工事における瑕疵担保責任保険施工・検査基準(住宅用太陽電池モジュール設置工事編)」として取りまとめた

同じページには、実際に起きた雨漏りの例も載っています。「パネルの固定のための支持部材を垂木に適正に取り付けなかったために、ねじ穴から雨漏りが発生した例」。屋根材ではなく、その下の垂木に留まっているかどうかが分かれ目になっている、という書き方です。

穴を開ける工法と開けない工法の違い、雨漏りが起きたときに誰が直すのかは太陽光で屋根は傷むのかで扱っています。

基準本体のPDFには、施主にそのまま関係する条項があります。

4.記録および報告 太陽電池モジュール設置工事の際には、施工の経過が確認できるよう記録を取り、発注者等に書面等にて報告すること。

1.事前調査 施工者は、設置・施工に先立ち事前調査を行い、工事箇所について雨漏りや屋根材・構造躯体に著しい劣化がないことを確認すること。

工事の記録を書面で受け取ることは、基準の側に書かれている手順です。工事後に雨漏りが起きたとき、この記録があるかどうかで話の進み方が変わります(当サイトの整理です)。

なお同基準が屋根材別の施工方法を示しているのは、瓦屋根、スレート屋根(住宅屋根用化粧スレート)、金属屋根(瓦棒葺き(心木あり)又は横葺き)の3種類です。基準には「本基準により難いものであって、保険法人が本基準と同等以上の性能が確保されていると認めた場合は、本基準によらないことができる」という定めもあります。自宅の屋根がこの3種類に当てはまらない場合、扱いを保険法人に確認する必要が出てきます。

見積書と契約前に確認できること

ここから先は当サイトの整理で、公的な基準ではありません。

  1. 製品保証と施工保証を、それぞれ誰が出しているかを書面で確認する
  2. 施工保証の年数だけでなく、その会社が倒産した場合の扱いが書かれているかを見る
  3. リフォームかし保険に加入するかどうかを聞き、加入するならどの保険法人かまで確認する
  4. 屋根材の種類を伝え、支持部材を垂木・母屋に留める工法かを確認する
  5. 工事の記録を書面で受け取れるかを、契約前に確認する

当サイトは実際にこれらの契約をした立場ではありません。上に挙げたのは、公的資料に書かれている項目を確認できる形に並べ直したものです。金額の比較だけで決めると、この4つの層のどれが自分の工事についているのかが見えないまま契約することになります。相見積もりを何社取るかを考えるときは、保証の中身も比較の項目に入れておくと、後から効きます。

まとめ

  • 新築の契約に含めて設置したパネルは、住宅の10年の瑕疵担保責任の枠内で扱われうる
  • 後付けはその枠の外側にあり、埋めるのは任意加入のリフォームかし保険
  • 施工会社が倒産したとき、保険がなければ施工保証は履行されない
  • 国土交通省は施工基準を公開しており、記録の書面交付も基準に書かれている

関連して読むなら、費用の全体像は太陽光の費用、補助金の現状は補助金の一覧、見積もりの取り方は見積もりガイドの記事、蓄電池側の判断は蓄電池の選び方にまとめてあります。見積書そのものの読み方は見積書のどこを見るか、業者の見分け方は悪質業者の見分け方で扱っています。設置を見送る判断についてはやめたほうがいいケースを参照してください。

この記事の情報について

出典(いずれも2026年8月8日確認):

  • 国土交通省「住宅瑕疵担保履行法および住まいの安心総合支援サイト Q&A[2.新築住宅]」Q&A
  • 国土交通省「リフォームかし保険について」消費者向けページ
  • 国土交通省「住宅用太陽電池モジュール設置工事に係る設計・施工基準について」保険の運用についておよび同基準本体PDF

確認していない範囲:

  • メーカーの製品保証について、年数や免責事由を定めた公的な最低基準は、今回確認した範囲では見つかりませんでした。施工保証の年数についても同様です
  • リフォームかし保険の保険期間・保険金額は保険法人ごとの商品設計であり、国土交通省のページには記載がありません。個々の商品内容は確認していません
  • 上記3種類以外の屋根材を設計・施工基準がどう扱うかは、公開されている基準本体からは判別できませんでした
  • 個別の契約書における保証条項の有効性は、法的な判断が必要な領域です。トラブルが起きている場合は、消費者ホットライン188または住まいるダイヤルへの相談が窓口になります