太陽光の費用は、下がっていません。2022年を底に、3年連続で上がっています。
そして蓄電池は、国が掲げる2030年度の目標価格の2倍以上のところにいます。
このページは、費用と経済性に関する記事の入口です。公的資料で確認できた数字だけを置いています。
いまの水準(公的資料の数字)
| 金額 | 出典と時点 | |
|---|---|---|
| 太陽光(新築・工事費込み) | 28.9万円/kW 中央値 29.4万円/kW |
調達価格等算定委員会 2025年設置の平均 |
| 蓄電池(工事費込み) | 約19万円/kWh | 資源エネルギー庁 (税抜) |
| 蓄電池(補助事業データ) | 設備費 11.1万円/kWh +工事費 1.0万円/kWh |
定置用蓄電システム普及拡大検討会 2023年度 |
| 売電価格(2026年度・住宅用) | 1〜4年目 24円/kWh 5〜10年目 8.3円/kWh |
資源エネルギー庁 調達期間10年 |
蓄電池の2つの数字が大きく違うのは、母集団が違うからです。補助事業のデータは価格要件(1kWhあたり14.1万円以下)を満たす製品に限られています。補助事業を使わない場合、同じ資料は設備費15〜20万円/kWh、工事費2万円/kWh程度を標準的な水準としています。
太陽光は2022年が底だった
2012年の43.1万円/kWから10年かけて下がり、2022年の26.9万円/kWが底です。そこから2023年28.3、2024年28.7、2025年28.9と上がっています。
委員会の資料にも「直近2023年度以降はやや増加傾向にある」と書かれています。当サイトの解釈ではありません。
→ 太陽光の費用の推移|下がっていない。安くなったのはパネルだけ
安くなったのはパネル。工事費は上がっている
2025年に新築設置された案件の内訳です。
| 項目 | 万円/kW |
|---|---|
| 設備費 パネル | 13.5(約47%) |
| 設備費 パワコン | 5.3 |
| 設備費 架台 | 3.2 |
| 設備費 その他 | 0.2 |
| 工事費 | 8.5(約29%) |
| 値引き | ▲1.7 |
| 合計 | 28.9 |
4年前と比べると構成が変わっています。2021年設置はパネルが約60%、工事費が約25%でした。パネルの比率が下がり、工事費の比率が上がっています。
売電は「24円」ではない
2026年度に認定を受けた住宅用(10kW未満)の調達価格は、1〜4年目が24円/kWh、5年目からは8.3円/kWhです。調達期間は10年間。
「24円」とだけ書かれた試算は、5年目以降の収入が過大に出ます。
そして途中で抜けることはできません。この価格設定(初期投資支援スキーム)の適用を受ける案件は、調達期間中に特定契約によらない売電ができない旨の条件付き認定になります。
→ 太陽光の売電価格2026年度|24円は4年だけ、5年目から8.3円
蓄電池は目標の2倍以上のところにいる
資源エネルギー庁は、2030年度の目標価格を家庭用7万円/kWh(工事費込み)と設定しています。「投資回収が可能なレベルを実現するため」の目標です。
現状は約19万円/kWh。目標の2倍以上です。
そして、カタログの「10kWh」がそのまま使えるわけでもありません。蓄えられる量と、実際に使える量は別の項目として定義されています。
→ 蓄電池の「10kWh」は実際に使える量ではない|蓄電池容量と初期実効容量
この数字の使い方
ここから先は当サイトの整理で、公的な基準ではありません。
28.9万円/kWや19万円/kWhは「高いか安いか」の判定基準ではありません。設置条件・工事範囲・機能で変わります。
使い道は容量の違う見積もりを並べるためです。
- 工事費を含む総額を、容量(kWまたはkWh)で割る
- その単価で各社を並べる
- 単価が同じでも、工事範囲と保証が違えば意味が変わるので、そこを聞く
見積もりの取り方と比べ方は 太陽光の見積もりガイド|比べられる見積もりの集め方 にまとめています。
補助金を使う場合は、見積もりより先に制度を確認してください。設備の構成そのものが縛られることがあります。→ 太陽光・蓄電池の補助金は今どうなっている?
まとめ
- 太陽光は2022年の26.9万円/kWが底。2025年は28.9万円/kWで3年連続の上昇
- 安くなったのはパネル。パネル比率は約60%(2021年)から約47%(2025年)へ、工事費は約25%から約29%へ
- 売電は1〜4年目24円、5〜10年目8.3円。途中でFITから抜けることはできない
- 蓄電池は約19万円/kWh。2030年度目標の7万円/kWhの2倍以上
- 補助事業データが安く見えるのは、価格要件(14.1万円/kWh以下)を満たす製品に限られるため
- これらは高安の判定基準ではない。容量の違う見積もりを並べるための道具
この記事の情報について
以下を2026年8月7日に確認したものです。PDF本文を直接確認して数値を照合しています。
- 経済産業省 第110回 調達価格等算定委員会(2026年1月7日開催)
資料1「太陽光発電について」PDF83ページ目。新築案件の推移と2025年設置の内訳 - 経済産業省「令和4年度以降の調達価格等に関する意見」(2022年2月4日)
本文21ページ。2021年設置の内訳(パネル約60%・工事費約25%) - 経済産業省「2024年度 定置用蓄電システム普及拡大検討会の結果」
PDF11ページ目。家庭用蓄電システムの価格水準と補助事業の価格要件 - 資源エネルギー庁「再エネ大量導入時代における分散型エネルギーシステム」
PDF23ページ目。家庭用蓄電システムの目標価格と価格推移 - 資源エネルギー庁「買取価格・期間等(2026年度以降)」
「この数字の使い方」の整理は当サイトによるものであり、公的な基準ではありません。
確認していない範囲: 設置費用の見通し(今後上がるか下がるか)は書いていません。それを示した公的な資料は確認できませんでした。税抜・税込の別は資料により異なります。
この記事は公開情報を整理したものです。当サイトが実際に太陽光発電や蓄電池を購入した立場で書いたものではありません。
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