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太陽光発電をめぐる相談が、この数年で急増しています。しかも増えているのは「設置するとき」のトラブルではなく、すでに設置した家に来る「点検」のトラブルです。
国民生活センターが2025年6月4日に公表した資料によると、太陽光発電システムの点検商法に関する相談件数は2020年度の62件から、2024年度には613件に増えています。4年で約10倍です。
この記事では、公的機関が公表している内容だけを根拠に、避けるべき業者の特徴と、契約前に確認できることを整理します。
いま何が起きているのか
国民生活センターに寄せられている相談の典型は、こういう流れです。
- 業者が突然訪問してくる
- 「太陽光パネルの点検が法律で義務化された」と言われる
- 無料点検を受ける
- 「パネルにひび割れがある」などと言われ、洗浄やコーティングの契約を勧められる
同センターが挙げている事例では、80歳代の女性が約40万円のコーティング契約をしています(2024年12月契約)。
「点検が義務化された」は本当か
ここが今回いちばん重要な点です。
国民生活センターの説明では、太陽光発電システムは電気事業法や再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法(再エネ特措法)などの関係法令に応じて、適切に維持管理することが求められます。ただし、点検義務の対象になるかどうかは、FIT制度・FIP制度の適用の有無などによって異なります。
つまり、「すべての住宅に一律で点検が義務化された」わけではありません。自分の設備が義務の対象なのかどうかは、契約を急ぐ前に確認できます。
訪問してきた業者が「義務化された」とだけ言って契約を迫るなら、その説明は不正確です。まず点検の要否を確認してください。
契約前に確認できる4つのこと
1. 行政処分を受けていないか調べる
消費者庁は、特定商取引法に基づく行政処分の事例を検索できるページを公開しています。事業者名で検索できます。
訪問してきた業者の社名をここで検索するだけで、過去に業務停止命令などを受けていないかが分かります。契約書にサインする前の数分でできます。
2. 電気工事の資格があるか
太陽光発電システムの設置には電気工事が伴うため、電気工事士の資格が必要です。
内閣府の消費者委員会の資料によると、出力20kW以上の設備は自家用電気工作物にあたり第一種電気工事士が必要ですが、一般的な住宅用(10kW未満)であれば第二種電気工事士の資格で足ります。
また、電気工事を業として行うには、電気工事業法に基づく登録が必要です。資格と登録の有無は、業者に直接聞いて構いません。まっとうな業者なら答えられます。
※資格区分の出典は内閣府消費者委員会の資料(2012年公表)です。制度は変わることがあるため、最新の要件は経済産業省の案内でご確認ください。
3. 保証を誰が出すのかを確認する
保証には出どころが2つあり、混同されがちです。
| 保証の種類 | 誰が出すか |
|---|---|
| 出力保証・機器保証 | モジュールメーカー |
| 施工に起因する不具合への対応 | 販売業者・施工業者 |
太陽光発電協会(JPEA)の表示ガイドラインでも、この区分が前提として整理されています。
問題が起きやすいのは施工側です。雨漏りや配線の不具合はメーカー保証では基本的にカバーされません。「メーカー保証◯年」だけを説明して施工側の保証に触れない業者は、そこを確認してください。施工した会社がなくなったらどうなるのかまで聞いておくと、より確かです。
4. その場で契約しない
国民生活センターは、消費者へのアドバイスとしてこう書いています。
太陽光発電システムの点検やメンテナンスの契約をする際は、その場で契約せず、複数社から見積もりを取り検討しましょう。
公的機関が明示的に「複数社から見積もりを取る」ことを勧めています。訪問販売でその場で決めさせようとすること自体が、判断材料を奪う行為です。
なお、何社取るべきかについて公的機関は数を示していません。「3社以上が常識」といった話を見かけますが、公的な根拠はありません。
見積もりを取って確かめる場合
ここまでの内容を判断材料にするには、実際の見積もりが要ります。複数社に一度に依頼できるサービスを使うと手間が減ります。
広告。申し込みは各社の公式サイトで行われます。
契約してしまったあとでも取り消せる
すでに契約してしまった場合でも、クーリング・オフの制度があります。
| 状況 | 期間 |
|---|---|
| 訪問販売で契約し、法定書面を受け取った | 書面の受領日を1日目として8日以内 |
| 法定書面を受け取っていない | 期間の制限なく、いつでも可能 |
| 電話勧誘販売 | 訪問販売と同様に書面受領日から8日以内 |
また、事業者の不実告知や威迫によってクーリング・オフをしなかった場合は、8日を過ぎても可能とされています。
個別の事情によって扱いは変わります。自分のケースがどうなるかは、専門の窓口に相談してください。
相談先
不安に思ったときは、最寄りの消費生活センター等に相談できます。
消費者ホットライン 188(いやや!)
局番なしの3桁で、最寄りの市区町村・都道府県の消費生活センター等につながります。
業界団体も注意喚起している
国民生活センターは、この件について太陽光発電協会(JPEA)と日本電機工業会(JEMA)に消費者への情報提供の強化を要望しました。両団体はそれぞれ注意喚起を公表しています。
これから設置する人へ
ここまでは、すでに設置した家に来る点検商法の話でした。これから導入する場合も、考え方は同じです。
- 訪問してきた1社だけで決めない
- その場で契約しない
- 社名を消費者庁の執行事例検索にかける
- 資格と登録、保証の出どころを聞く
複数社を比べる手段のひとつが一括見積もりです。ただし申し込むと何社から連絡が来るのかはサービスによって違うので、そこを理解してから使ってください。仕組みと申込後の流れは 太陽光の一括見積もりは何社から電話が来る?申込後の流れと断り方 にまとめています。
これから見積もりを取るなら、依頼する前に決めておくことがあります。条件をそろえないと複数社の見積もりを比べられません。太陽光の見積もりを取る前に決めておく5つのこと にまとめています。
見積もりの流れ全体は 太陽光の見積もりガイド|比べられる見積もりの集め方 にまとめています。
まとめ
- 太陽光の点検商法の相談は2020年度62件から2024年度613件へ、4年で約10倍
- 「点検が義務化された」は不正確。義務の対象かはFIT・FIP制度の適用などで異なる
- 社名は消費者庁の執行事例検索で調べられる
- 保証はメーカーが出すものと施工業者が出すものが別。問題が起きやすいのは施工側
- 国民生活センターは「その場で契約せず、複数社から見積もりを取る」ことを勧めている
- 契約後でもクーリング・オフができる。書面を受け取っていなければ期間の制限はない
- 迷ったら188
複数社の見積もりで確かめる
記事の内容を自分の家に当てはめるには、実際の見積もりで数字を見るのが確実です。1社だけでは相場が判断できないため、複数社から取ることをおすすめします。
広告。申し込みは各社の公式サイトで行われます。
この記事の情報について
本文中の記述は、以下を2026年8月7日に確認したものです。
- 国民生活センター「太陽光発電システムの点検商法が急増!」(2025年6月4日公表/2025年9月22日更新)
- 消費者庁「特定商取引法ガイド 執行事例の検索」
- 消費者庁「特定商取引法上の『クーリング・オフ』」
- 国民生活センター 消費者トラブルFAQ「訪問販売で太陽光発電システムを契約しましたが、クーリング・オフできますか?」
- 太陽光発電協会「表示ガイドライン(2024年度)」
- 内閣府 消費者委員会「住宅用太陽光発電システムの販売等に係る消費者問題についての実態」(2012年)
制度や統計は更新されます。契約の前には、必ず一次情報でご確認ください。
この記事は公開情報を整理したものです。当サイトが実際に業者と契約したり、点検を受けたりした立場で書いたものではありません。また、個別の事案についての法的な助言を行うものではありません。
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