自治体の太陽光「共同購入」は誰がやっているのか【2026年度】窓口は8道府県で同じ番号だった

見積もり・業者選び公開 2026年8月8日
自治体の太陽光「共同購入」は誰がやっているのか【2026年度】窓口は8道府県で同じ番号だった

自治体が案内している「太陽光・蓄電池の共同購入」は、まとめて発注するから安くなる、という説明で届きます。都道府県のページを順に確認していくと、この事業について同じ事実が繰り返し出てきました。窓口の電話番号です。

8つの自治体で、案内されている番号が同じだった

都道府県の補助金ページを1件ずつ確認する過程で、共同購入の窓口として掲載されていた番号を記録してきました。確認できた範囲では、次の8つがすべて0120-723-100でした。

共同購入の窓口番号が確認できた自治体(2026年8月8日までに当サイトが確認した範囲)
自治体 ページ上の呼称 窓口
北海道 太陽光発電及び蓄電池システム共同購入事業 0120-723-100
青森県 みんなのおうちに太陽光 0120-723-100
宮城県 みんなのおうちに太陽光 0120-723-100
千葉県 千葉県 みんなのおうちに太陽光 0120-723-100
新潟県 太陽光発電設備等共同購入支援事業 0120-723-100
静岡県 共同購入事業 0120-723-100
大阪府 おおさかみんなのおうちに太陽光 0120-723-100
福岡県 太陽光発電設備等共同購入(家庭向け) 0120-723-100

運営しているのはアイチューザー株式会社です。自治体は補助金を出しているのではなく、公募や協定で選んだこの会社の事業を広報で支援する、という立て付けになっています。青森県の説明が分かりやすい書き方です。

県では、脱炭素社会の実現に向けて、県内住宅への太陽光パネルや蓄電池の導入拡大を図るため、アイチューザー株式会社と協力協定を締結し、住宅用太陽光発電設備等の共同購入事業を実施しています。

契約の相手は自治体でも運営会社でもなく、入札で決まった施工事業者です。千葉県はその点を明記しています。

設置プランの契約は、プラン登録事業者と住宅所有者様で直接行っていただくもので、個々の契約について県が責任を負うものではありません

自治体側が「この番号以外にない」と注意喚起している

番号が1つしかないことは、自治体自身が騙り対策として書いています。北海道の記述はこうです。

窓口の電話番号は0120-723-100以外にありませんので、御注意ください。

青森県はさらに踏み込んで、資料の見分け方まで書いています。

本県で実施している事業の窓口はアイチューザー(株)のみであり、下記のキャンペーンサイト以外の参加登録先はありません。
県及びアイチューザー(株)が周知・案内に用いる資料には、県章が使用されています。

愛媛県も「類似する広告チラシが他県で確認されております」と告知しています。届いたチラシは、番号と県章の2点で確かめられるという案内です。

「◯%オフ」の分母は、自分がもらった見積もりではない

共同購入の案内には割引率が大きく載ります。この数字が何からの割引なのかを、大阪府が明記していました。

太陽光パネルの割引率は、資源エネルギー庁の公表資料をもとに算出した価格を市場価格として計算しており、蓄電池の割引率は、株式会社資源総合システムの調査結果をもとに算出した価格を市場価格として計算しております。

つまり分母は統計上の市場価格で、自分が業者から受け取った見積もりではありません。しかもその分母は、自治体をまたいでほぼ共通のようです。北海道が公開した入札結果の「市場価格」と、福岡県のチラシの「通常価格」を並べると次のようになります。

北海道の「市場価格」と福岡県の「通常価格」(各自治体の公表資料より)
プラン 北海道 市場価格 福岡 通常価格 差
太陽光5kW単体 1,689,378円 1,579,378円 110,000円
太陽光5kW+蓄電池10kWh 3,785,724円 3,675,724円 110,000円
蓄電池10kWh単品 2,393,735円 2,393,735円 0円

蓄電池単品の分母が1円まで一致し、太陽光を含む2プランはちょうど11万円ずれています。同じ価格表を全国で使っていると読めますが、両者が同一の表であると明記した資料は確認していません(当サイトの推定です)。

割引率そのものも年度で動きます。千葉県が公表した太陽光単体の割引率は令和4年度が約23%、令和5年度が約19%、令和6年度が約15%。大阪府の太陽光のみの価格低減率は令和3年度が30.3%、令和7年度が20.8%です。去年のチラシの数字は今年の目安になりません。費用の水準そのものは費用のページに整理しています。

登録した世帯のうち、契約まで行くのは1割に満たない

大阪府は参加登録数と契約数の両方を年度ごとに公表しています。

大阪府の共同購入支援事業(参加登録と契約。契約率は当サイトの計算)
年度 参加登録 契約 契約率
令和2 2,094世帯 97世帯 4.6%
令和3 1,629世帯 132世帯 8.1%
令和4 2,073世帯 183世帯 8.8%
令和5 2,464世帯 113世帯 4.6%
令和6 2,281世帯 144世帯 6.3%
令和7 1,878世帯 72世帯 3.8%

令和7年度の契約数には「令和8年3月末時点」の注記があり、今後増える可能性があります。契約率は府の公表指標ではなく、当サイトが割り算したものです。それでも、登録は購入の予約ではないことは読み取れます。登録は無料で購入義務もなく、見積もりを見てから断れる設計です。

施工業者とパネルは、住所で決まる

共同購入では施工事業者が入札で決まり、担当エリアが割り当てられます。会社を選ぶ仕組みではありません。福岡県が公表した担当一覧では、同じ市の中でも区によって製品が変わります。

福岡県の家庭向け担当施工事業者(一部抜粋)
地域 施工事業者 パネル
福岡市 東・博多・中央・南 新日本エネックス 長州産業 340W
福岡市 西・城南・早良 プラスイー ハンファジャパン 445W

同じ福岡市でも、パネル1枚の出力が3割ほど違います。屋根に載る枚数と必要な面積が変わるということです。載せられる容量の考え方は屋根に載るか確認する方法にまとめました。

使うかどうかを決める前に

ここから先は当サイトの整理で、公的な基準ではありません。

  1. 案内が本物かを確認する。番号は0120-723-100、資料には県章、というのが自治体側の説明です
  2. 提示された割引率ではなく総額を見る。分母は統計上の市場価格なので、率だけでは比較できません
  3. 担当事業者と製品型番を確認する。住所で決まるため、選択肢は1つのことがあります
  4. 市町村の補助金と併用できるかを自治体に確認する。併用できる場合があると千葉県は書いています
  5. 納得できなければ断る。登録した多くの世帯が契約に至っていません

当サイトは共同購入に参加したことも、事業者から見積もりを受け取ったこともありません。ここに書いたのは、自治体が公表している資料の記述と数字だけです。

まとめ

共同購入は自治体の補助金ではなく、自治体が広報で支援している民間事業です。窓口は1社、割引率の分母は統計値、契約は施工事業者との直接契約。この3点を押さえれば、チラシの数字に引きずられずに読めます。比較のために一般の見積もりを取るなら、見積もりのページと見積もりサイトの選び方が入口です。

制度は補助金の一覧から都道府県ごとに確認できます。蓄電池を含めるかは蓄電池の選び方、導入するかの判断は元が取れるのかを先に読むと、割引率の意味が測りやすくなります。

この記事の情報について

本文の数字と引用は、各自治体の公表ページおよびPDFから当サイトが直接取得したものです。取材や参加体験に基づく記述は含んでいません。契約率と価格差の計算、価格表が共通であるという推定は当サイトによるもので、自治体や運営会社の見解ではありません。

確認していない範囲は次のとおりです。運営会社の会社情報や選定過程の資料、上記8自治体以外での実施状況(山口・三重・群馬・京都・愛知などのページにも共同購入の記載がありますが、運営会社と窓口番号を確認していません)、北海道以外の令和8年度の落札結果、共同購入の価格と一般の相見積もりを同条件で比べたデータ。いずれも今回の確認では取得できていないため、本文では扱っていません。募集期間・価格・担当事業者は年度ごとに変わります。参加を検討する場合は、必ず自治体の該当ページで最新の内容を確認してください。