※本記事にはプロモーションが含まれます
太陽光の一括見積もりサイトを比べようとすると、どのサイトも似た顔をしています。提携社数、利用者数、そして「顧客満足度No.1」。どれを選べばいいかを判断する公的な基準は、探しても見当たりません。ただし、サイトが掲げているその「No.1」のほうには、判断の基準が用意されています。消費者庁が2024年9月に、実態調査の報告書としてまとめました。
措置命令44事業者のうち、13事業者がNo.1表示だった
報告書は、調査に踏み切った理由を最初に書いています。
・ 近時、No.1表示に関する措置命令が増加(令和5年度:13事業者/44事業者がNo.1表示関連)
・ いずれの事案も イメージ調査 を根拠に、「顧客満足度No.1」等と表示されていた。
・ 顧客満足度など 「第三者の主観的評価」 を指標とするNo.1表示は、世の中に多く見られるが、売上額などといった客観的な指標ではないだけに、恣意的・安易な調査に基づいている可能性がある。
令和5年度に景品表示法の措置命令を受けた44事業者のうち、13事業者がNo.1表示に関するものでした。しかもそのすべてが「イメージ調査」を根拠にしていたと書かれています。イメージ調査が何かも、同じ資料に定義があります。
調査対象の商品・サービスやこれと比較する競合商品等のウェブサイトを閲覧させ、これを閲覧した際の印象(イメージ)に基づき、「顧客満足度が高いと思うものを選んでください。」等と質問をして、回答させる調査。
利用者に聞いているのではありません。ウェブサイトを見た人の印象を聞いています。見積もりサイトの「顧客満足度No.1」が、実際に見積もりを取った人への調査なのか、サイトを眺めた人への調査なのかは、この違いで分かれます。
集まったサンプル368件のうち、最も多かったのは「満足度」
消費者庁は実際の広告から368件のサンプルを集めています。指標になっているフレーズで分類した結果がこれです。
| フレーズの種類 | 例 | 件数 |
|---|---|---|
| 満足度 | 顧客満足度No.1 | 71 |
| おすすめ・推奨 | おすすめしたいNo.1/専門家の○%が推奨 | 71 |
| 人気・支持・信頼 | 口コミ人気No.1/支持率No.1 | 56 |
| 〜と思う/〜と期待できる | 衛生的だと思うNo.1 | 55 |
| 利用したい等 | 使ってみたいNo.1 | 36 |
| 充実・豊富 | 情報充実度No.1 | 16 |
| 安全・安心 | 安心・安全の○○No.1 | 12 |
| その他 | — | 51 |
| 合計 | 368 |
「〜と思う」「使ってみたい」「おすすめしたい」。並べてみると、どれも実績ではなく気持ちを聞いています。売上や契約件数のような数え上げられる指標は、この分類にほとんど出てきません。
消費者1,000人へのアンケートもあります。報告書によれば、新しい商品を買うときにNo.1表示が購入の意思決定に「かなり影響する」または「やや影響する」と答えた人は約5割。そして4割を超える人が「実際の利用者に調査をしていると思う」と答えています。誤解が生まれる場所がはっきりしています。
合理的な根拠と言えるための4つの条件
報告書は、景品表示法上どうであれば問題にならないかを4点に整理しています。
合理的な根拠と認められるには、次の4点を満たすことが必要
比較対象となる商品・サービスが適切に選定されている
調査対象者が適切に選定されている
調査が公平な方法で実施されている
表示内容と調査結果が適切に対応している
2番目が、見積もりサイトを見るときにいちばん効きます。「顧客満足度」と書くなら、調査対象は実際にそのサービスを使った人でなければならない、という趣旨です。そして消費者庁は、逃げ道をひとつ塞いでいます。
(※)イメージ調査の結果によることを注記していても、「顧客満足度No.1」という表示内容と調査結果が適切に対応していないことに変わりはない。
小さく「イメージ調査です」と書いてあれば済む、という話ではないと明記されています。注記の有無ではなく、表示している言葉と調査の中身が対応しているかで判断される、と読めます(当サイトの整理です)。
見積もりを取って確かめる場合
ここまでの内容を判断材料にするには、実際の見積もりが要ります。複数社に一度に依頼できるサービスを使うと手間が減ります。
広告。申し込みは各社の公式サイトで行われます。
1フレーズ10万円から数十万円で作れる、と広告主が答えている
消費者庁は、実際にNo.1表示を出していた広告主15社にも聞いています。答えがそのまま載っています。
費用の安さ(1フレーズ10万円~数十万円)を魅力に感じたという回答が多かった。
ヒアリング対象広告主の多くは、表示の根拠としている調査の基本的な内容(アンケートの質問項目や、比較対象としている競合他社の商品等)を把握していなかった。
調査会社から提案を受けて、10万円台から発注できる。しかも発注した側が質問項目を把握していない。報告書はこの構造を「動機の存在」「機会の存在」「安易な正当化」の3つに整理しています。だから、掲げられている「No.1」の文言そのものからは、事業者の実力はほとんど読み取れません。
消費者庁は、事業者に望ましい対応もひとつ挙げています。
2. 一般消費者が表示の根拠となる情報を確認できるようにすることが望ましい
⇒ 例)表示物に調査方法の概要を直接記載することや、それが難しい場合にQRコードにより確認できるようにすること
ここが比較の材料になります。調査方法の概要にたどり着けるサイトと、たどり着けないサイト。前者だけが、掲げた数字について説明する用意をしている、ということです。何社から連絡が来るのかという実務的な話は 一括見積もりは何社から電話が来るか にまとめています。
そのページが広告かどうかは、2023年10月から法律の話になった
もうひとつの観点は、比較記事そのものの性質です。令和5年10月1日から、広告であることを隠す表示は景品表示法違反になりました。消費者庁の説明は簡潔です。
規制の対象となるのは、商品・サービスを供給する事業者(広告主)です。企業から広告・宣伝の依頼を受けたインフルエンサー等の第三者は規制の対象とはなりません。
責任を負うのは広告主の側です。そのうえで消費者庁は、アフィリエイトサイトについてQ&Aで踏み込んでいます。
アフィリエイトサイトの冒頭に、「このサイトはアフィリエイト広告を利用しています。」等と記載がされていても、文字のサイズや色なども踏まえ、一般消費者にとって、「事業者の表示」であることが明瞭となっていることが必要です。
冒頭に一行あれば済むわけではない、と書かれています。運用基準が明瞭な示し方として挙げているのは「広告」「宣伝」「プロモーション」「PR」といった用語です。ランキング形式の比較ページを読むときは、その表記がどこにあるか、何位の紹介文の近くにあるかを見ると、書き手と事業者の関係が見えます。
なお当サイトも、事業者への申込みが成果になる形で運営しています。この記事で特定の見積もりサイトの名前を出していないのは、比較の材料として使えるのが公的資料に基づく観点だけだからです。当サイトが実際に複数の見積もりサイトに申し込んで比べた結果ではありません。
複数社から取ること自体は、公的に勧められている
見積もりサイトを使うかどうかの手前に、そもそも複数社から取るべきかという問いがあります。ここには公的な助言があります。国民生活センターは2025年6月、太陽光発電システムの点検商法についての注意喚起の中で、こう書いています。
太陽光発電システムの点検やメンテナンスの契約をする際は、その場で契約せず、複数社から見積もりを取り検討しましょう。
複数社という言葉はありますが、社数の指定はありません。「3社が適正」といった数字を公的機関が示した資料は、今回確認した範囲では見つかりませんでした。何社まで増やすと管理しきれなくなるかは 相見積もりは何社取るべきか で整理しています。集めた見積書をどう読むかは 見積書のどこを見るか に分けました。
申し込む前に確認する順番
ここから先は当サイトの整理で、公的な基準ではありません。上の資料から組み立てると、次の順になります。
- 掲げている「No.1」に調査方法の記載があるか。注記だけでなく、調査対象者が誰かまで書かれているか
- その調査が、実際にサービスを利用した人への調査か、ウェブサイトを見た人への調査か
- 比較対象がどこまでの範囲か。主要な競合が入っていない比較なら、順位の意味が変わります
- ランキング記事なら、広告やPRの表記がどこにあるか。冒頭の一行だけで終わっていないか
- 入力した情報が何社に渡るか、その社名が申込み前に分かるか
- 連絡方法を選べるか。電話だけしか選べない場合、断る手間が増えます
- 提携社数の多さより、自分の地域に施工できる会社が含まれているか
1と2で答えが出ないサイトは、掲げた数字について説明する用意がないということです。だからといって使えないと決まるわけではありませんが、その数字を判断材料から外すことにはなります。申し込む前に決めておくことは 見積もりを取る前に決めておくこと、業者側の見方は 悪質業者の見分け方 にあります。
まとめ
- 見積もりサイトの選び方を定めた公的な基準は、今回確認した範囲では見つかりませんでした
- 令和5年度の措置命令44事業者のうち13事業者がNo.1表示に関するものでした
- いずれも「イメージ調査」を根拠にした表示だったと報告書に書かれています
- 集めた368件のうち、最も多いフレーズは満足度の71件でした
- 合理的な根拠と言えるには4条件。とくに調査対象者が適切に選ばれているかが効きます
- イメージ調査だと注記しても、表示内容と結果が対応していないことに変わりはないと明記されています
- 広告主のヒアリングでは、1フレーズ10万円から数十万円という費用の安さが挙がっています
- 多くの広告主が、調査の質問項目や比較対象を把握していませんでした
- 広告であることを隠す表示は、令和5年10月1日から景品表示法違反です
- 複数社から取ること自体は公的に勧められていますが、社数の指定はありません
見積もりサイトは、比べる相手を集めるための入口です。入口の看板より、そこから届く見積書の中身のほうが判断材料になります。届いたあとの読み方は 見積もりの取り方、金額の目安は 太陽光発電の費用、制度で戻る分は 補助金の一覧、蓄電池を足すなら 蓄電池の選び方 を確認してください。申込み後の流れは 一括見積もりの記事 にまとめています。
複数社の見積もりで確かめる
記事の内容を自分の家に当てはめるには、実際の見積もりで数字を見るのが確実です。1社だけでは相場が判断できないため、複数社から取ることをおすすめします。
広告。申し込みは各社の公式サイトで行われます。
この記事の情報について
以下を2026年8月8日に公式サイトで直接確認したものです。引用は原文のままです。
- 消費者庁「No.1表示に関する実態調査について」および同報告書の公表について(令和6年9月26日)
- 消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」
- 消費者庁「ステルスマーケティングに関するQ&A」(Q11・Q13)
- 国民生活センター「太陽光発電システムの点検商法が急増!」(2025年6月4日公表・2025年9月22日更新)
確認していない範囲:
- 一括見積もりサイトそのものを対象にした公的な調査や注意喚起。今回確認した範囲では見つかりませんでした
- 措置命令を受けた13事業者の業種の内訳。太陽光関連が含まれるかどうかは分かりません
- 見積もりサイトが入力情報を提携事業者へ渡す行為についての、個人情報保護委員会による個別の見解
- 太陽光の見積もりサイトのうち、調査方法を開示しているサイトがどれくらいあるか
- 報告書の図表2・図表3の選択肢ごとの数値。テキストからは選択肢と数値の対応が確定できなかったため、報告書本文の「4割を超える」という記述だけを使いました
「申し込む前に確認する順番」の7項目は当サイトの整理であり、公的機関が示した確認手順ではありません。No.1表示の4条件は景品表示法上の考え方として消費者庁が示したものですが、個別の表示が違反にあたるかどうかは消費者庁が判断することであり、この記事が特定のサイトについて評価を示すものではありません。
表示について疑問があるときの窓口は、消費者ホットライン188です。
この記事は公開情報を整理したものです。当サイトが実際に複数の見積もりサイトに申し込んで比較した結果ではありません。
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