給湯器をネット通販で安く買って、取り付けだけ地元の業者に頼む。合計では安くなることがある方法です。ただし給湯省エネ2026事業では、この形は補助の対象になりません。7万円から最大12万円の補助を捨てることになるので、先に計算しておく必要があります。
事業概要の注記に書かれている
公式サイトの補助対象の説明に、次の注記があります。
※3買取再販事業者は対象外です。また、工事発注者が給湯器を購入し、その取り付けを施工業者に依頼する工事(いわゆる施主支給や材工分離による工事)も補助対象となりません。
「工事発注者が給湯器を購入し、その取り付けを施工業者に依頼する工事」。これが施主支給です。原文は材工分離という言い方も併記しています。機器と工事を分けて発注する形が対象外だということです。
なぜ対象外なのか
制度の作りを見ると理由が分かります。申請するのは住んでいる人ではありません。
本キャンペーンの交付申請等の手続きは、リフォーム工事の工事施工者等が行います。(いずれの事業も工事発注者等が自ら行うことはできません)
その事業者にも条件があります。
※1予め、給湯省エネ事業者として登録を受ける必要があります。
そして補助金は、いったん事業者に交付されてから戻ってきます。
交付決定後、補助金は工事施工者等に交付されます。交付された補助金は、工事施工者等から工事発注者等に還元されます。
つまり制度は、機器と工事を一括で請け負う事業者がいることを前提に組み立てられています。機器の購入者と工事の請負者が分かれると、この流れが成り立ちません(このサイトの整理です)。制度の全体像は給湯省エネ2026事業の記事にまとめました。
いくら損をするか
補助額は機器ごとに定額で決まっています。
| 設置する給湯器 | 基本額 | 性能加算 | 受け取れなくなる額 |
|---|---|---|---|
| エコキュート | 7万円/台 | 3万円/台 | 最大10万円/台 |
| ハイブリッド給湯機 | 10万円/台 | 2万円/台 | 最大12万円/台 |
| 家庭用燃料電池(エネファーム) | 17万円/台 | 加算なし | 17万円/台 |
戸建なら2台まで対象になるので、2台分だと差はさらに開きます。撤去する機器がある場合は、その加算も受け取れません。
| 工事の内容 | 加算額 | 上限 |
|---|---|---|
| 電気蓄熱暖房機の撤去 | 4万円/台 | 2台まで |
| 電気温水器の撤去 | 2万円/台 | 補助を受ける給湯器と同台数まで |
古いオール電化の家で電気蓄熱暖房機が2台あれば、加算だけで8万円です。撤去加算の条件は撤去加算の記事にまとめました。
撤去だけを別の業者に頼むのは可能
まぎらわしいのですが、工事の分離がすべて禁じられているわけではありません。撤去工事については別の扱いがあります。
加算対象となる撤去工事を、給湯器設置工事を行う事業者(給湯省エネ事業者)と別の事業者に発注(分離発注)する場合、給湯器設置工事を行う事業者が代表事業者となり、交付申請の手続きと補助金の受領を行う場合に限り※1、交付申請(予約を含む)を行うことができます。
ただし条件が付きます。
※1代表事業者として撤去工事を取りまとめることに協力を得られることが前提となります(当該協力は義務ではありません)。
整理すると、機器の購入を分けるのは不可、撤去工事を分けるのは設置業者が取りまとめる場合に限り可、ということになります。
他にも対象外の条件がある
施主支給以外にも、同じ注記の並びに対象外の条件があります。
※1給湯省エネ2025事業において補助金の交付を受けた事業を除きます。
中古住宅を買う場合の条件も細かく定められています。
※4販売者が給湯器の交換をすることを条件に既存住宅を購入する場合、購入者を補助対象者とします。(不動産売買契約やその特約において、確認できる必要があります)なお、未使用の対象機器が設置されている既存住宅を購入しても、機器の交換に該当しないため、補助対象となりません。
すでに新品の給湯器が付いている中古住宅を買っても、交換にあたらないので対象外です。
比べるときの手順
ここから先はこのサイトの整理で、公的な基準ではありません。
- 施主支給の合計額(機器の通販価格+工事費)を出す
- 登録事業者に一括で頼んだ場合の見積もりを取る
- 2の見積もりから、受け取れる補助額を引く。エコキュートなら7万〜10万円、撤去加算があればさらに
- 1と3を比べる。補助を引いた後で比較しないと判断を誤ります
- 依頼先が給湯省エネ事業者として登録済みかを確認する。登録がなければ一括で頼んでも補助は出ません
機器の要件はエコキュートの補助金の記事、予算の残りは予算消化率の記事、申請時に同意が要る条件はJ-クレジットの記事にあります。太陽光と蓄電池の補助制度の状況は補助金の全国一覧にまとめました。
まとめ
- 施主支給・材工分離による工事は補助対象となりませんと公式サイトに明記されている
- 制度は、登録事業者が申請し、事業者経由で補助金が還元される作りになっている
- 捨てることになる額はエコキュートで最大10万円/台、エネファームで17万円/台
- 撤去加算(電気蓄熱暖房機4万円、電気温水器2万円)も受け取れない
- 撤去工事だけは分離発注が可能。ただし設置業者が取りまとめる場合に限られ、その協力は義務ではない
- 新品の給湯器が付いた中古住宅の購入も、交換にあたらないため対象外
安く買えたつもりが、補助を引くと逆転していることがあります。比べるのは補助を引いた後の総額です。
この記事の情報について
出典は、給湯省エネ2026事業 公式サイトの「事業概要」(補助対象の注記、補助額、撤去加算額、登録事業者の要件)および「撤去加算について」(分離発注の手続き)、住宅省エネ2026キャンペーン公式サイト(交付申請の主体、補助金の還元の流れ)です。いずれも公式サイトのページを直接取得して確認しました。確認日は2026年9月6日です。当サイトは施工・販売を行っておらず、記載は公表資料の読み取りです。制度の内容は変更される場合があるため、申請にあたっては必ず公式サイトと工事を依頼する事業者に確認してください。
確認していない範囲: 施主支給と一括発注で実際にどちらが安くなるかは、機器の価格と工事費が事業者ごとに異なるため扱っていません。通販で購入した機器の保証やメーカー対応の条件、施主支給を受けてくれる施工業者の探し方、給湯省エネ事業者の登録数や地域ごとの分布、自治体の補助制度で施主支給が認められるかどうかは確認していません。
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