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補助金の申請には、順番があります。契約や工事を先に進めてしまうと、条件を満たしていても対象外になる制度があります。
この記事では、東京都と神奈川県の制度を例に、いつ何をする必要があるのかを公式ページの記載から整理します。金額の話ではなく、順番と締切の話です。
いちばん重要なのは「交付決定の前に着手しない」
神奈川県の公式ページには、こう書かれています。
申請は、必ず交付決定を受けた後に事業に着手してください。交付決定の前に事業に着手した場合は補助金を交付できません。審査に2~3か月程度かかることがありますので、着手予定までの日程に余裕をもって申請を行ってください。
「着手」が何を指すかも定義されています。
「着手」とは、太陽光発電を住宅屋根等に物理的に設置する工事を開始した時点をいいます。
契約ではなく、工事の開始です。同じページのQ&Aには「契約日は、申請受付開始日より後の必要がありますか」という質問があり、答えは「いいえ。そのような条件はありません。ただし、設置工事の着手は交付決定通知後まで行うことができません」となっています。
つまり神奈川県の場合は、契約は先でもよいが、工事は交付決定を待つという設計です。
東京都は「事前申込」が別にある
東京都の蓄電池の助成は、手続きが2段階です。公式ページの受付期間は次のように分かれています。
- 事前申込:令和8年5月29日開始
- 交付申請兼実績報告:令和8年6月30日開始
そして、この制度には順番を間違えると上乗せが消える条件があります。DR実証(電力の需給がひっ迫したときに蓄電池の充放電を調整する取り組み)に参加すると助成額が加算されますが、公式ページにはこう書かれています。
【注意】蓄電池システムの交付申請兼実績報告前に、DR実証契約を締結する必要があります。交付申請兼実績報告の受付後にDR実証契約を締結した場合、DR実証参加の上乗せは適用できないのでご注意ください。
後から契約しても遡れません。加算額は、機器を設置する場合で1台あたり15万円、設置しない場合で10万円です。
「予算に達したら終わる」は締切前に起きる
受付期間の終わりまで開いているとは限りません。神奈川県の第1期は、当初の受付期間の途中で締め切られました。
公式サイトの新着情報には、次の掲示が残っています。
令和8年5月12日 申請額が予算額に達する見込みのため、本日分(電子申請は5月12日23時59分受付完了分まで、郵送は5月12日消印分まで)をもって申請を締め切ります。
当初の受付期間は令和8年5月11日〜6月30日でした。初日を含めて2日で終わっています。
国の制度でも同じことが起きています。令和7年度補正のDR家庭用蓄電池事業は、事業者と対象製品が公開されてから1か月余りで締め切られました。経過は 太陽光・蓄電池の補助金が予算で終了した日|2026年に起きたことの記録 にまとめています。
補助金を使うには、まず見積もりから
補助金の対象になるかどうかは、設置する設備と工事の内容で決まります。まず見積もりを取らないと、いくら補助が出るかも確定しません。
広告。申し込みは各社の公式サイトで行われます。
先着順でも、最後の1日は抽選になりうる
神奈川県のQ&Aには「申込みの受付は先着順ですか」という質問があります。答えはこうです。
はい。原則として、予算の範囲内で受付を行います。ただし、予算額に達した時点で複数の申請があった際には、「締切日の申請」を対象として、抽選で「交付対象とする申請」を選定する場合があります。
締切日に間に合っても、そこで抽選になることがあるという設計です。実際、令和8年度は「現在受け付けている申請については抽選を行わないこととしました」という掲示が5月19日に出ていますが、抽選の可能性が制度として用意されていることは変わりません。
不受理になる条件も列挙されています。受付期間外の申請、宅配便での配送、型番や仕様が読み取れない申請、昨年度の様式を使った申請などです。様式が古いだけで不受理になりえます。
対象機器の条件が年度の途中で変わることがある
東京都には、これから申し込む人に効く変更があります。
令和8年10月1日以降に事前申込をする場合、助成対象機器の要件が変わります。国の「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(戸建て住宅・集合住宅のZEH化・省CO2化促進事業)」における補助対象機器として、SIIによって令和8年度の登録済製品一覧に登録された機器のみが助成対象となります(令和8年4月1日から令和8年6月30日までに契約締結又は契約・工事完了された事業を除きます)。
神奈川県も、対象機器をSIIに令和7年度以降に登録されている製品に限っています。
どちらも、国のSII登録が入口になっています。製品を選ぶ段階で、この登録があるかを確認しておく必要があります。
確認する順番
ここから先は当サイトの整理で、公的な基準ではありません。
- 自治体の制度を先に開く。要綱・実施要領・手引き・Q&AまでPDFを開く。ページ本文に書かれていない条件がそこにあります
- 「着手」の定義を確認する。契約なのか、工事の開始なのか。制度によって違います
- 審査にかかる期間を見込む。神奈川県は2〜3か月としています。工期から逆算して申請日を決めます
- 製品がSIIに登録されているかを、見積もりの段階で確認する。型番で確認できます
- 加算の条件があるなら、契約の順番を確認する。東京都のDR実証のように、後から契約しても適用されないものがあります
- 受付開始日に動けるよう準備しておく。予算に達すれば期間の途中で終わります
見積もりを取る前に決めておくことは 太陽光の見積もりを取る前に決めておく5つのこと|契約前チェックリスト にまとめています。補助金の条件は、設備の構成そのものを左右します。神奈川県のように太陽光と蓄電池の同時導入が条件の制度では、構成を決めてから制度を見ると間に合いません。
ここで例に挙げた2つの制度は、東京都と神奈川県の記事で、補助額や対象条件まで含めて個別にまとめています。
まとめ
- 交付決定の前に工事に着手すると、補助金は交付されない。神奈川県は審査に2〜3か月かかることがあるとしている
- 神奈川県の「着手」は契約ではなく、屋根等に設置する工事を開始した時点。契約は交付決定前でもよい
- 東京都は事前申込と交付申請兼実績報告の2段階。DR実証の上乗せは交付申請兼実績報告の前に契約していないと適用されない
- 受付期間の途中で締め切られる。神奈川県の第1期は5月11日開始・5月12日締切だった
- 先着順でも、締切日の申請は抽選になりうる。様式が昨年度のものだと不受理になることもある
- 対象機器はSIIの登録が入口。東京都は令和8年10月1日以降の事前申込から要件が変わる
いま使える制度がどうなっているかは 太陽光・蓄電池の補助金は今どうなっている?国の制度は終了【2026年8月時点】 に、蓄電池の見積もりの取り方は 蓄電池の見積もりの取り方|太陽光とセットか、後からか にまとめています。
複数社の見積もりで総額を比べる
補助額は数万円から数十万円ですが、設備の見積もりは会社によって数十万円の差が出ることがあります。補助金を使う前提で、複数社の見積もりを比べてください。
広告。申し込みは各社の公式サイトで行われます。
この記事の情報について
以下を2026年8月7日に確認したものです。各制度の公式ページ本文を直接確認しています。
- 神奈川県「令和8年度神奈川県住宅用太陽光発電・蓄電池導入費補助金」
着手の定義、審査期間、第1期の締切掲示、抽選に関するQ&A、不受理となる可能性のある案件、対象製品の要件 - 東京都(クール・ネット東京)「令和8年度 家庭における蓄電池導入促進事業」
受付期間、DR実証契約の締結時期、令和8年10月1日以降の対象機器の変更
「確認する順番」の整理は当サイトによるものであり、公的な基準ではありません。
取り上げたのは東京都と神奈川県の2件だけです。他の自治体の制度は確認していません。ここに書かれた順番や条件が、他の制度にそのまま当てはまるとは限りません。ご自身が使う制度の要綱・実施要領・手引きを必ず開いてください。
補助金の内容と期限は変わります。この記事の内容は2026年8月7日時点のものです。申し込む前に、必ず各制度の公式ページで最新の内容をご確認ください。
この記事は公開情報を整理したものです。当サイトが実際にこれらの補助金を申請した立場で書いたものではありません。
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