※本記事にはプロモーションが含まれます
「東京都の太陽光補助金」は、ひとつの制度ではありません。8つの事業に分かれていて、太陽光と蓄電池は別々の事業として、別々に申請します。
そしてもうひとつ。東京都は、既存住宅のほうが手厚い設計になっています。新築より、後から付ける人のほうが1kWあたりの助成額が大きい。
この記事では、令和8年度の内容を公式ページの記載から整理します。
まず、8つの事業に分かれている
東京都の家庭向けの助成は、「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」という大きな枠の中にあります。令和8年度の予算額は約1,012億円です。
この枠の下に、次の事業がぶら下がっています。
- ① 家庭における太陽光発電導入促進事業 — 太陽光発電システム、架台設置、防水工事、機能性PV
- ② 同(パワーコンディショナ更新費用助成事業)
- ③ 家庭における蓄電池導入促進事業 — 蓄電池システム
- ④ 既存住宅における省エネ改修促進事業 — 窓・ドア・断熱材・高断熱浴槽
- ⑤ 熱と電気の有効利用促進事業 — 太陽熱、地中熱、エコキュート等
- ⑥ 戸建住宅におけるV2H普及促進事業
- ⑦ リフォーム瑕疵保険への加入
- ⑧ 分譲マンション省エネ型給湯器導入促進事業
太陽光は①、蓄電池は③です。両方を入れるなら、両方に申請します。ページも申請フォームも別です。
太陽光は「既存住宅」のほうが手厚い
助成額は、新築か既存かで分かれています。
| 新築住宅 | 既存住宅 | |
|---|---|---|
| 小さめの容量 | 12万円/kW(3.6kW以下、上限36万円) | 15万円/kW(3.75kW以下、上限45万円) |
| それを超える容量 | 10万円/kW(50kW未満) | 12万円/kW(50kW未満) |
いずれも、太陽光発電システムの助成対象経費の合計金額が上限です。
区切りとなる容量も違います。新築は3.6kW、既存は3.75kWです。
たとえば4kWを載せる場合、新築なら10万円/kW×4kW=40万円、既存なら12万円/kW×4kW=48万円という計算になります(対象経費が上限。この計算は当サイトによるものです)。
陸屋根なら、架台と防水の上乗せがある
屋根が平らな「陸屋根」の場合、本体とは別に上乗せがあります。ここも新築と既存で扱いが違います。
| 架台設置経費 | 防水工事経費 | |
|---|---|---|
| 新築 戸建(陸屋根) | 対象外 | 対象外 |
| 新築 集合住宅(陸屋根) | 20万円/kW | 対象外 |
| 既存 戸建(陸屋根) | 10万円/kW | 18万円/kW |
| 既存 集合住宅(陸屋根) | 20万円/kW | 18万円/kW |
それぞれ、架台や防水工事の材料費・工事費の合計金額が上限です。防水工事の上乗せは既存住宅だけにあります。
このほか、リフォーム瑕疵保険に新規加入した場合は1契約あたり7,000円、「優れた機能性を有する太陽光発電システム」と認定されたものにも上乗せがあります。
補助金を使うには、まず見積もりから
補助金の対象になるかどうかは、設置する設備と工事の内容で決まります。まず見積もりを取らないと、いくら補助が出るかも確定しません。
広告。申し込みは各社の公式サイトで行われます。
蓄電池は別の事業。単位も違う
蓄電池は③の事業です。助成の単位が太陽光と違います。
- 蓄電池パッケージ:10万円/kWh(助成対象経費(税抜)が上限)
DR実証に参加しない場合は上限120万円/戸 - 蓄電池ユニット増設:6万円/kWh(同、上限72万円/戸)
太陽光はkW(出力)あたり、蓄電池はkWh(容量)あたりです。読み間違えやすいところです。
DR実証(電力の需給がひっ迫したときに充放電を調整する取り組み)に参加すると加算があります。ただし、交付申請兼実績報告の前にDR実証契約を締結していないと適用されません。
東京都は、太陽光と蓄電池の同時設置を必須とする記載を、公式ページ本文に置いていません。蓄電池だけの申請もできる設計です。隣の神奈川県は同時導入が条件なので、ここは大きく違います。
東京都は「交付決定前は着工不可」とは書いていない
ここは自治体によって設計が違うところです。神奈川県は「交付決定の前に事業に着手した場合は補助金を交付できません」と明記しています。
東京都の太陽光の事業ページには、その書き方はありません。かわりに、こう書かれています。
申請に不備があり、その他要綱等で定める要件を満たさないために、契約若しくは工事着工の後に決定された交付決定若しくは不交付決定の内容により、損失等が生じたとしても、これらの負担は交付申請者の負担となりますのでご注意ください。
着工を禁じてはいないが、不交付になっても自己負担、という書き方です。結果として気をつけることは同じですが、根拠となる文言が違います。
要綱・交付要綱・手引きは必ず開いてください。ページ本文に書かれていない条件がそこにあります。補助金の申請の順番については 太陽光・蓄電池の補助金の申請の流れ|交付決定の前に工事を始めると出ない にまとめています。
申請の実務で引っかかりやすいところ
公式ページの記載から、間違えやすい点を挙げます。
- 手続きは2段階。事前申込(令和8年5月29日開始)→ 交付申請兼実績報告(令和8年6月30日〜令和11年3月30日)
- 事前申込は電灯契約ごとに必要。また連名申請はできません
- 令和8年10月1日以降に事前申込をする蓄電池は、対象機器の要件が変わります。国の令和8年度の補助事業でSIIに登録された機器のみが対象(令和8年4月1日〜6月30日に契約締結または契約・工事完了した事業を除く)
- キャッシュバックの額は助成対象経費から除きます。商品券やポイントでの還元も同じ扱いです
- 太陽光のモジュールはJET PVm認証またはIEC加盟機関の認証が必要。発電出力は50kW未満
- 既存システムの一部として増設したものは対象外
- 都および公社の他の同種の助成金との重複はできません
区市町村の制度は、これとは別にあります
東京都の制度に加えて、区市町村が独自に補助を出している場合があります。クール・ネット東京は区市町村の補助金等情報のページを公開しているので、都の制度を確認したら、住んでいる区市町村の分も見てください。
隣接県は 埼玉県の太陽光・蓄電池補助金【令和8年度】使うとFITで売電できない、国の制度の現状は 太陽光・蓄電池の補助金は今どうなっている?国の制度は終了【2026年8月時点】 にまとめています。
まとめ
- 東京都の家庭向け助成は8事業に分かれている。太陽光は①、蓄電池は③。別ページ・別申請
- 太陽光は既存住宅のほうが手厚い。既存15万円/kW(3.75kW以下)に対し、新築は12万円/kW(3.6kW以下)
- 陸屋根なら架台と防水の上乗せがある。防水は既存住宅だけ
- 蓄電池は10万円/kWh(上限120万円/戸)。太陽光はkW、蓄電池はkWhで単位が違う
- 太陽光との同時設置を必須とする記載は本文にない。蓄電池だけでも申請できる(神奈川県は同時が条件)
- 東京都は「交付決定前の着工不可」とは書かず、「不交付でも自己負担」という書き方をしている
- 事前申込は電灯契約ごと。連名申請はできない
見積もりを取る前に決めておくことは 太陽光の見積もりを取る前に決めておく5つのこと|契約前チェックリスト、一括見積もりで何社から連絡が来るかは 太陽光の一括見積もりは何社から電話が来る?申込後の流れと断り方 にまとめています。
複数社の見積もりで総額を比べる
補助額は数万円から数十万円ですが、設備の見積もりは会社によって数十万円の差が出ることがあります。補助金を使う前提で、複数社の見積もりを比べてください。
広告。申し込みは各社の公式サイトで行われます。
東京都の条件が他県と比べてどうかは、47都道府県の補助金を全部調べたで横断して整理しています。
この記事の情報について
以下を2026年8月7日に確認したものです。各事業の公式ページ本文を直接確認しています。
- クール・ネット東京「令和8年度 家庭における太陽光発電導入促進事業」
太陽光の助成額、架台・防水の上乗せ、助成要件、申請期間、注意事項 - クール・ネット東京「令和8年度 家庭における蓄電池導入促進事業」
蓄電池の助成額、DR実証の条件、令和8年10月1日以降の対象機器の変更 - クール・ネット東京「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」
8事業の構成と令和8年度の予算額 - クール・ネット東京「区市町村の補助金等情報」
4kWの場合の助成額の試算は当サイトによるものです。実際の交付額は対象経費や要件の充足状況によって変わります。
実施要綱・交付要綱・助成金の手引きの本文は確認していません。この記事はページ本文に記載された内容を整理したもので、要綱にはここに書かれていない条件があります。申請の前に必ず要綱と手引きをご確認ください。
区市町村の制度は確認していません。また、令和8年度以外の年度の内容にも触れていません。
補助金の内容と期限は変わります。この記事の内容は2026年8月7日時点のものです。申し込む前に、必ず公式ページで最新の内容をご確認ください。
この記事は公開情報を整理したものです。当サイトが実際にこの助成金を申請した立場で書いたものではありません。
ソーラー資料室