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埼玉県の補助金には、他県にない条件があります。この補助を受けると、FIT(固定価格買取制度)の認定を受けられません。
つまり、2026年度の売電価格「1〜4年目24円、5〜10年目8.3円」は使えなくなります。補助金を取るか、FITを取るかの選択になります。
さらに、対象は既存住宅だけ。業者も県が認定した事業者に限られます。この記事では令和8年度の内容を県の公式ページから整理します。
まず、今の受付状況
太陽光発電設備は、すでに受付を終了しています。
| 設備 | 状況(2026年8月7日時点) |
|---|---|
| 太陽光発電設備・太陽熱利用システム | 令和8年5月27日9時30分に受付終了(予算額に到達) |
| 蓄電池・エネファーム | 引き続き交付申請を受付中(令和9年1月29日まで) |
受付開始は令和8年5月18日でした。太陽光は9日で閉じています。当初の受付期間は令和9年1月29日までだったので、予定の8か月あまりのうち9日で終わったことになります。
ただし蓄電池は今も申請できます。埼玉県では蓄電池の交付団体が県ではなく、認定NPO法人環境ネットワーク埼玉です。窓口が分かれているため、太陽光が閉じても蓄電池は動いています。
補助額と、交付団体が2つに分かれている
| 交付団体 | 補助対象設備 | 補助金の額 |
|---|---|---|
| 埼玉県 | 太陽光発電設備 | 7万円/kW(上限35万円) |
| 埼玉県 | 太陽熱利用システム(強制循環型) | 補助対象経費の3分の2(上限20万円) |
| 環境ネットワーク埼玉 | 蓄電池 | 10万円/件 |
| 環境ネットワーク埼玉 | エネファーム(家庭用燃料電池) | 5万円/件 |
蓄電池は「件」あたりの定額10万円です。容量を大きくしても金額は変わりません。
ここは県によって設計が違うところです。
この補助を取ると、FITは使えない
ここが埼玉県のいちばん大きな特徴です。補助要件にこう書かれています。
太陽光発電設備は系統連系を行って使用するものとし、固定価格買取制度(FIT)の認定は受けないこと
太陽光発電設備の補助を受けるには、発電量の30パーセント以上を自家消費すること
実績報告の段階でも確認されます。県は「太陽光発電設備に係る実績報告には、固定価格買取制度(FIT)を利用していないことが分かる書類が必要です」として、電力会社が発行する「FIT認定を受けていない再生可能エネルギー発電設備用」の受給契約申込書の写しを求めています。
売電が一切できなくなるわけではありません。FITによらない形で小売電気事業者に余剰電力を売ることはできます。ただし、国が定める調達価格は適用されません。
2026年度にFIT認定を受けた場合の住宅用の価格は、1〜4年目が24円/kWh、5〜10年目が8.3円/kWhです。仕組みは 太陽光の売電価格2026年度|24円は4年だけ、5年目から8.3円 にまとめています。
7万円/kW(上限35万円)の補助と、FIT10年分。どちらを取るかは、自家消費の割合や契約する小売電気事業者の買取条件によって変わります。公的な比較データは確認できませんでしたので、この記事では結論を出しません。ただし、両方は取れないことは知っておく必要があります。
補助金を使うには、まず見積もりから
補助金の対象になるかどうかは、設置する設備と工事の内容で決まります。まず見積もりを取らないと、いくら補助が出るかも確定しません。
広告。申し込みは各社の公式サイトで行われます。
対象は「既存住宅」だけ
県はこう書いています。
埼玉県内の自ら居住する既存住宅に新たに省エネ・再エネ活用設備を導入される方に対して、予算の範囲内において補助金を交付します。
新築は対象外です。東京都が新築・既存の両方を対象にしているのとは違います。
そして、太陽光の補助を受けるには蓄電池の同時設置が必要です。太陽光だけでは対象になりません。この点は神奈川県と同じ構造です。
業者が「あんしん事業者」でないと対象にならない
他県ではあまり見ない条件です。
埼玉県省エネ・再エネ活用設備あんしん事業者の認定を受けている事業者との契約により、補助対象設備を設置すること
業者選びそのものが補助の条件になっています。見積もりを取る段階で、その会社が認定を受けているかを確認する必要があります。認定されていない会社と契約してしまうと、後から補助を受けられません。
県は認定事業者の名簿をPDFで公開しています(埼玉県省エネ・再エネ活用設備あんしん事業者認定制度(家庭向け))。令和8年8月3日時点で247事業者です。名簿には事業者ごとの有効期間の列もあるため、契約する時点で認定が有効かどうかもあわせて見てください。
「認定されている=工事が良い」ではありません
県は認定の要件を公開しています。主なものは次のとおりです。
- 県内に事業所を置いていること
- 省エネ・再エネ活用設備の契約実績(施工が完了したもの)が過去1年間に1件以上あること
- 県税の滞納がないこと
- 暴力団排除に関する要件に該当しないこと
- 県の入札参加停止等の措置を受けていないこと
ここから先は当サイトの整理です。要件を読むと、認定で確認されているのは「県内に事業所があり、直近1年に施工実績があり、法令上の問題がない」ことです。工事の品質や見積金額の妥当性を県が審査した、とは書かれていません。認定は補助金を受けるための入口であって、業者選びの答えではありません。名簿には247社が載っているので、そのなかで複数社を比べることになります。
複数社から見積もりを取るときの進め方は 太陽光の一括見積もりは何社から電話が来る?申込後の流れと断り方、比べ方は 太陽光の相見積もりは何社取るべき?「3社」に根拠はあるのか にまとめています。
交付決定の前に工事を始めると出ない
県の掲示にこう書かれています。
※補助金の交付決定よりも前に補助事業に着手すると補助金の対象になりませんので、御注意ください。
補助要件にも「補助金交付申請書の提出後、各交付団体の交付決定を受けてから工事に着手すること」とあります。
「各交付団体の」という書き方に注意してください。太陽光は県、蓄電池は環境ネットワーク埼玉です。両方を入れるなら、両方の交付決定を待つことになります。
契約日にも条件があります。太陽光・太陽熱は契約日が令和8年4月1日以降であることが必要です。
申請の順番については 太陽光・蓄電池の補助金の申請の流れ|交付決定の前に工事を始めると出ない にまとめています。
市の制度と併用できない場合がある
もうひとつ、埼玉県特有の注意があります。
補助対象設備を同じにする国の補助事業及び国庫支出金を財源とする市町村の補助事業等との併用ではないこと
※秩父市、所沢市、春日部市、入間市、新座市、久喜市、白岡市が実施する太陽光発電設備等の補助金は国庫支出金を財源とするものがあります。該当する市にお住まいの方は、市役所に御確認の上、市への申請を御検討ください
県は具体的な市名を挙げています。この7市に住んでいる場合は、県ではなく市に申請したほうがよい可能性がある、という案内です。県と市のどちらに出すかを先に決める必要があります。
まとめ
- この補助を受けるとFIT認定は受けられない。発電量の30%以上の自家消費も条件。補助金かFITかの選択になる
- 太陽光は令和8年5月27日に受付終了(5月18日開始・9日で終了)。蓄電池・エネファームは令和9年1月29日まで受付中
- 補助額は太陽光7万円/kW(上限35万円)、蓄電池10万円/件(定額)。蓄電池は容量を増やしても変わらない
- 交付団体が2つ。太陽光・太陽熱は県、蓄電池・エネファームは認定NPO法人環境ネットワーク埼玉
- 対象は既存住宅のみ。新築は対象外。太陽光の補助には蓄電池の同時設置が必要
- 「あんしん事業者」の認定を受けた業者との契約が条件。契約前に社名を確認する
- 秩父市・所沢市・春日部市・入間市・新座市・久喜市・白岡市は、市の制度との併用ができない場合がある
隣接する都県の制度は 東京都・神奈川県、国の制度の現状は 太陽光・蓄電池の補助金は今どうなっている? にまとめています。
見積もりを取る前に決めておくことは 太陽光の見積もりを取る前に決めておく5つのこと|契約前チェックリスト にまとめています。埼玉県の場合、FITを使うかどうかを先に決めないと、業者に伝える条件が決まりません。
複数社の見積もりで総額を比べる
補助額は数万円から数十万円ですが、設備の見積もりは会社によって数十万円の差が出ることがあります。補助金を使う前提で、複数社の見積もりを比べてください。
広告。申し込みは各社の公式サイトで行われます。
「補助金を取ると売電できない」という条件は埼玉県だけではありません。47都道府県を横断すると13県が同じ要件で、理由は財源にありました(47都道府県の補助金を全部調べた)。
この記事の情報について
以下を2026年8月7日に確認したものです。県の公式ページ本文を直接確認しています。
- 埼玉県「家庭における省エネ・再エネ活用設備導入補助金」(掲載日 2026年8月5日)
補助額、交付団体、受付期間と終了の掲示、補助要件、併用の可否と該当市 - 埼玉県「埼玉県省エネ・再エネ活用設備あんしん事業者認定制度(家庭向け)」
FITを使う場合と補助金を使う場合のどちらが有利かは結論を出していません。比較に必要な公的データが確認できず、契約する小売電気事業者の買取条件によって変わるためです。
交付要綱・よくある質問のPDF本文は確認していません。この記事はページ本文に記載された内容を整理したもので、要綱にはここに書かれていない条件があります。申請の前に必ず交付要綱をご確認ください。
蓄電池・エネファームの詳細な要件は、交付団体である環境ネットワーク埼玉にご確認ください。この記事では県のページに記載された範囲のみを扱っています。市町村の制度も確認していません。
補助金の内容と期限は変わります。この記事の内容は2026年8月7日時点のものです。申し込む前に、必ず公式ページで最新の内容をご確認ください。
この記事は公開情報を整理したものです。当サイトが実際にこの補助金を申請した立場で書いたものではありません。
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