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定置用リチウムイオン蓄電システムの累計出荷は113.6万台・956.8万kWhです(2013〜2025年度)。
2025年度の出荷は15万3,645台。前年の97%で、統計が始まってから初めて前年を下回りました。
いっぽうで1台あたりの平均容量は10.06kWhになり、初めて10kWhを超えました。台数は減ったのに、出荷された容量の合計は前年より増えています。
日本電機工業会(JEMA)が2026年6月5日に公表した自主統計を、当サイトで整理しました。
先に断っておきます。この統計は家庭用だけの数字ではありません。産業用・業務用も含み、用途別の内訳は公表されていません。参加しているのは14社で、市場のすべてでもありません。数字を読むときの前提として、この点は最後にもう一度書きます。
出荷台数と累計の推移
| 年度 | 台数 | 前年比 | 容量 | 前年比 | 平均容量 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2013年度 | 12,318台 | — | 9.6万kWh | — | 7.82kWh |
| 2014年度 | 18,336台 | 149% | 14.7万kWh | 153% | 8.04kWh |
| 2015年度 | 27,433台 | 150% | 24.2万kWh | 165% | 8.84kWh |
| 2016年度 | 28,245台 | 103% | 20.0万kWh | 83% | 7.09kWh |
| 2017年度 | 42,424台 | 150% | 30.6万kWh | 153% | 7.20kWh |
| 2018年度 | 63,275台 | 149% | 47.0万kWh | 154% | 7.43kWh |
| 2019年度 | 104,767台 | 166% | 78.8万kWh | 168% | 7.52kWh |
| 2020年度 | 115,301台 | 110% | 86.0万kWh | 109% | 7.46kWh |
| 2021年度 | 123,046台 | 107% | 95.2万kWh | 111% | 7.74kWh |
| 2022年度 | 132,411台 | 108% | 107.7万kWh | 113% | 8.14kWh |
| 2023年度 | 156,079台 | 118% | 135.7万kWh | 126% | 8.69kWh |
| 2024年度 | 158,852台 | 102% | 152.7万kWh | 113% | 9.61kWh |
| 2025年度 | 153,645台 | 97% | 154.5万kWh | 101% | 10.06kWh |
伸びがいちばん大きかったのは2019年度です。前年の1.66倍にあたる10万4,767台が出荷され、初めて年間10万台を超えました。
その後は毎年増え続け、2024年度の15万8,852台がピークになっています。
2025年度に何が起きたか
2025年度は15万3,645台。前年の97%でした。
台数が前年を下回ったのは、この統計が始まった2013年度以降で初めてです。
ただし、減ったのは台数だけです。
| 2024年度 | 2025年度 | 前年比 | |
|---|---|---|---|
| 出荷台数 | 158,852台 | 153,645台 | 97% |
| 出荷容量 | 152.7万kWh | 154.5万kWh | 101% |
| 平均容量 | 9.61kWh | 10.06kWh | 105% |
ここから先は当サイトの整理です。売れた台数は減ったが、1台が大きくなったので容量の合計は増えた、という形になっています。
なお容量のほうは、過去に一度だけ減った年があります。2016年度の83%です。このときは台数が103%と増えているので、2025年度とはちょうど逆の動きでした。
JEMAの資料に、2025年度に台数が減った理由は書かれていません。当サイトでも原因は書きません。
平均容量は10年で3kWh大きくなった
1台あたりの平均容量は、2016年度の7.09kWhが底でした。そこから9年連続で増え、2025年度は10.06kWhです。
年度計で10kWhを超えたのはこの年が初めてです。半期で見ると上期が10.31kWh、下期が9.78kWhでした。
注意:10kWhがそのまま使えるわけではない
ここは間違えやすいところです。カタログの「蓄電池容量」と、実際に使える「初期実効容量」は別の項目です。
平均10.06kWhというのは前者の数字です。停電のときに何時間もつかを左右するのは後者のほうで、値は小さくなります。この違いは蓄電池の「10kWh」は実際に使える量ではないで扱っています。
どの容量帯が売れているか
台数の構成比です。いちばん多いのは6〜10kWh未満で、55.8%でした。
| 容量帯 | 2020年度 | 2025年度 |
|---|---|---|
| 3〜6kWh未満 | 25.5% | 5.6% |
| 6〜10kWh未満 | 56.6% | 55.8% |
| 10kWh以上 | 8.9% | 38.0% |
合計が100%にならないのは、3kWh未満の区分の数値がこの資料の表に載っていないためです。2020年度は3つの合計が91.0%、2025年度は99.4%でした(当サイトの計算)。差の分がおおむね3kWh未満にあたりますが、正確な値は公表されていません。
変化がはっきり出ているのは両端です。
- 3〜6kWh未満は25.5%から5.6%へ。5年で5分の1以下になりました
- 10kWh以上は8.9%から38.0%へ。4倍以上に増えています
- 6〜10kWh未満は56.6%と55.8%で、ほとんど変わっていません
ここから先は当サイトの整理です。真ん中の帯(6〜10kWh未満)が動かないまま、小さいほうが減って大きいほうに移ったという形です。平均容量が上がったのは、これが理由になります。
容量ベースで見ると、2025年度は10〜20kWh未満が52.4%で最大になりました。台数では38.0%でも、1台が大きいぶん容量の合計では過半を占めます。
約9割が太陽光と一体で使うタイプ
同じ統計に、蓄電システム用パワコンの内訳があります。
JEMAは、蓄電池だけをつなぐものを「シングル」、蓄電池と太陽光の両方をつなげるものを「マルチ」と呼んでいます。
2025年度はマルチが89.7%でした。2012年度は13.5%です。
| 年度 | マルチの比率 |
|---|---|
| 2012年度 | 13.5% |
| 2016年度 | 63.7% |
| 2020年度 | 74.5% |
| 2024年度 | 86.0% |
| 2025年度 | 89.7% |
売り場で「ハイブリッド型」と呼ばれるものが、このマルチにあたります。呼び方と業界の分類のずれについては蓄電池の単機能型とハイブリッド型の違いで整理しています。
太陽光の件数と割り算してはいけない
住宅用太陽光は全国で374万件あります(普及率のレポート)。蓄電池の累計出荷は113.6万台です。
割ると30%になりますが、この割り算は成り立ちません。理由は4つあります。
- 分子に住宅以外が入っている。蓄電池の数字は産業用・業務用を含みます
- 太陽光がない家にも蓄電池は置ける。この場合は分母の外です(蓄電池だけ設置するのは損か得か)
- 出荷台数であって、設置台数ではありません。出荷後に設置されていないもの、撤去されたものは追えません
- 期間が違います。太陽光の374万件は2009年からの積み上げ、蓄電池の統計は2013年度からです
「太陽光の何%に蓄電池が付いているか」を示す公的な数字は、当サイトでは見つけられていません。
まとめ
- 定置用リチウムイオン蓄電システムの累計出荷は113.6万台・956.8万kWh(2013〜2025年度)
- 2025年度は15万3,645台。統計開始以来はじめて前年を下回った(97%)
- ただし出荷容量は101%で増加。台数が減っても容量の合計は増えた
- 1台あたりの平均容量は10.06kWh。初めて10kWhを超えた
- 台数構成比は6〜10kWh未満が55.8%で最多。10kWh以上は5年で8.9%→38.0%
- 3〜6kWh未満は25.5%→5.6%まで縮小
- 太陽光と一体で使うマルチ型パワコンが89.7%
- この統計は家庭用に限った数字ではない。産業用・業務用を含み、内訳は非公表
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この記事の情報について
以下を2026年8月13日に確認したものです。
- 日本電機工業会「定置用リチウムイオン蓄電システム 出荷実績データ」
/JEMA蓄電システム自主統計 2025年度出荷実績(PDF・2026年6月5日) - 同「定置用リチウムイオン蓄電システム自主統計 調査概要」— 集計の範囲
台数・容量・平均容量・構成比は、いずれもJEMAが公表している値です。累計を台数で割った1台あたり8.42kWhなど、記事中で「当サイトの整理」と書いた箇所だけが当サイトの計算です。
確認していない範囲です。ここが重要です。
- 家庭用に限った数字ではありません。調査概要には「用途には産業用、業務用、家庭用などを含む」と書かれています。用途別の内訳は公表されていません
- 参加は14社です。この統計に参加していないメーカーの出荷は含まれません。国内市場の全体を示すものではありません
- 出荷であって設置ではありません。出荷後に設置されたか、いつ設置されたかは分かりません
- リチウムイオン電池以外は対象外です。鉛電池などを使う製品は含まれません
- 移動用途(自動車関連など)と、産業用のロボット・無停電電源装置(UPS)は対象外と明記されています
- スタンドアロン型(単独型)は2024年度から非公開です。参加社数が3社に満たないためで、この記事の数字はすべて系統連系型です
- 2020年度上期、2023年度、2024年度上期の国内・輸出の内訳など、参加社数が3社に満たない区分は公開されていません
- 2025年度に台数が減った理由は、資料に書かれていません。当サイトでも原因は書きません
- 都道府県別・メーカー別の内訳はありません
- 価格の情報は含まれていません。価格は家庭用蓄電池の価格で別に扱っています
容量をどう決めるか、補助金や消防の届出まで含めた全体像は家庭用蓄電池を選ぶ前ににまとめています。
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