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太陽光パネルはすでに屋根に載っている。蓄電池だけを後から足したい――このとき補助金が使えるかどうかは、住んでいる都道府県で答えが変わります。国が家庭向けにやっていた蓄電池単独の補助(DR家庭用蓄電池事業)は令和8年5月29日に公募を終え、事務局は「公募の再開は行う予定はありません」としています。残るのは自治体の制度ですが、同じ首都圏でも東京都と神奈川県では組み立てが逆と言っていいほど違います。両方の公式ページを2026年8月8日に開き、原文で比べました。
なお、太陽光が載っていない家で蓄電池だけを導入する場合は、損得の考え方そのものが別になります。蓄電池だけ設置するのは損か得かで扱っています。
頼みの綱だった国の制度は終わっている
国のDR家庭用蓄電池事業は、太陽光の有無を問わず蓄電池の導入に使える全国共通の制度でしたが、令和7年度補正分の公募が2026年5月29日で終了しました。国と自治体の制度がいまどう残っているかは補助金の全国一覧に、予算切れで締め切られていった経緯は終了の記録の記事にまとめています。ここから先は、都県の制度の話です。
東京都:蓄電池は太陽光と切り離された1つの事業
東京都の家庭向け助成は「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」という傘の下に8つの事業が並ぶ構成で、太陽光と蓄電池は別事業・別申請です。蓄電池側の「令和8年度 家庭における蓄電池導入促進事業」(クール・ネット東京)は、事業概要をこう書いています。
東京都は、家庭における太陽光発電による電気の自家消費の増大及び非常時のエネルギー自立性の向上を目的として、太陽光発電システム及び蓄電池システムの設置にかかる費用に対して助成を行っています。
ページの「主な助成要件」に並ぶのは、都内の住宅に新規に設置された機器であること、令和8年4月1日から令和11年3月30日までの間に設置すること、国の補助事業の対象機器としてSIIに登録された機器であること、都と公社の同種助成と重複しないこと、といった項目です。太陽光発電システムの設置を求める項目は、この列挙には見当たりません(2026年8月8日確認)。太陽光がすでに載っている家が蓄電池だけを申請することを妨げる記載は、少なくともページ本文にはないということです(当サイトの整理です)。
助成額は蓄電池パッケージで10万円/kWh(助成対象経費・税抜が上限。DR実証に参加しない場合は上限120万円/戸)、既設への蓄電池ユニット増設は6万円/kWh(同・上限72万円/戸)です。デマンドレスポンス(DR)実証への参加で10万〜15万円が上乗せされますが、交付申請兼実績報告の受付前にDR実証契約を締結している必要があります。また令和8年10月1日以降に事前申込をする分から、対象機器が令和8年度のSII登録済製品に絞られます。申請の流れと金額の詳細は東京都の記事で扱っています。
神奈川県:「併せて導入」しか入口がない
神奈川県の制度は「住宅用太陽光発電・蓄電池導入費補助金」という1本で、ページの冒頭にこうあります。
住宅用の太陽光発電と蓄電池を併せて導入する経費の一部を補助します。
対象事業は「神奈川県内の住宅に、太陽光発電設備と併せて蓄電システム等を導入する事業」で、補助額の注記には「蓄電システムの設置が必須となります。」と書かれています。つまり太陽光だけの導入も、蓄電池だけの後付けも、この制度の入口には入りません。対象は同時導入だけです。
単価は太陽光が発電出力1kWあたり7万円、蓄電システムが1台当たり15万円です。この15万円は台数の単価で、東京都のようなkWh単価ではありません。県のQ&Aも「蓄電池ユニットの数ではありません」と釘を刺しています。
受付の状況にも注意が要ります。第1期は申請額が予算に達する見込みとなって5月12日で締め切られ、いまページには「受け付けは終了しました」とあります。第2期は令和8年9月頃の実施予定で、受付方法は電子申請システムのみ。交付決定の通知前に着手した工事は補助の対象にならず、審査には2〜3か月程度かかることがあります。第1期の締切の経緯は神奈川県の記事に詳しく書いています。
補助金を使うには、まず見積もりから
補助金の対象になるかどうかは、設置する設備と工事の内容で決まります。まず見積もりを取らないと、いくら補助が出るかも確定しません。
広告。申し込みは各社の公式サイトで行われます。
並べると設計の違いがそのまま見える
| 東京都 | 神奈川県 | |
|---|---|---|
| 制度の形 | 蓄電池が独立した事業(太陽光は別事業・別申請) | 太陽光+蓄電池で1つの制度 |
| 蓄電池だけの後付け | 要件の列挙に太陽光の設置は無い(要綱は未確認) | 対象外(併せて導入する事業のみ) |
| 蓄電池の単価 | 10万円/kWh | 15万円/台 |
| 上限の考え方 | 助成対象経費(税抜)。DR実証に参加しない場合は120万円/戸 | 補助対象経費 |
| 受付(2026年8月8日時点) | 受付中(事前申込は令和8年5月29日開始) | 第1期は終了、第2期は令和8年9月頃の予定 |
| 手続の順序 | 事前申込のあと、交付申請と実績報告を兼ねた提出 | 交付申請→交付決定→着手。決定前の着手は対象外 |
「蓄電池だけ」には2つの形がある
ひとくちに蓄電池だけと言っても、太陽光がある家に蓄電池を後付けする場合と、太陽光なしで蓄電池を単独導入する場合は別の話です。神奈川県はどちらも対象外で、答えは制度の形から明確です。東京都は、要件の列挙上はどちらも妨げられていませんが、事業の目的文が「太陽光発電による電気の自家消費の増大」を掲げていることは押さえておくべきで、実施要綱や手引きの本文までは確認できていません。申請前に手引きの要件欄を必ず確かめてください(当サイトの整理です)。
なお、売電契約(FIT)が付いている太陽光に蓄電池を足す場合は、補助金とは別にFIT認定の変更手続きという論点があります。蓄電池の後付けの記事で整理しています。国・都道府県・市区町村の補助を重ねる考え方は併用の記事が扱っています。
後付けの補助金を確かめる手順
ここから先は当サイトの整理で、公的な基準ではありません。
- 自分の県の制度の建て付けを全国一覧から確認する。「蓄電池単独で可」か「太陽光とセット」かを最初に見る
- 県レベルでも設計はばらばらで、茨城県のように蓄電池だけを対象にする県もある。県が対象外でも市区町村の制度が別にある場合があるので、窓口で両方を確認する
- 東京都で使うなら、DR実証の上乗せを狙う場合の契約時期に注意する。交付申請兼実績報告の受付前に締結しておく必要がある
- 神奈川県で使うなら、第2期の告知を待つ間に見積もりだけ集めておき、交付決定の通知前に着手しない
- 金額の妥当性は蓄電池の見積もりの記事の手順で確かめる。実勢価格の公的データは価格の記事にまとめてある
東京都と神奈川県の違いは、どちらが得かという単純な話ではなく、制度が何を増やそうとして設計されたかの違いです。蓄電池そのものの選び方と容量の考え方は蓄電池の選び方の記事、費用の全体像は費用ガイドの記事、太陽光ごと入れ替える場合の進め方は見積もりガイドの記事にまとめています。後付けの見積もりを取り始めるなら、蓄電池の見積もりの取り方を先に読んでから動くと、容量と価格の比べ方で迷いません。
複数社の見積もりで総額を比べる
補助額は数万円から数十万円ですが、設備の見積もりは会社によって数十万円の差が出ることがあります。補助金を使う前提で、複数社の見積もりを比べてください。
広告。申し込みは各社の公式サイトで行われます。
この記事の情報について
以下を2026年8月8日に各公式ページで直接確認したものです。引用は原文のままです。
- クール・ネット東京「令和8年度 家庭における蓄電池導入促進事業」
- 神奈川県「令和8年度神奈川県住宅用太陽光発電・蓄電池導入費補助金」(更新日2026年6月25日)
- SII「DR家庭用蓄電池事業(令和7年度補正)」(公募終了の表示)
当サイトがどちらかの制度で実際に申請した立場ではなく、記載は公式ページ本文の読み取りです。金額や受付状況は今後変わり得ます。申請前に必ず最新のページと手引きをご確認ください。
確認していない範囲:
- 東京都の実施要綱・交付要綱・手引きPDFの本文。「蓄電池のみで申請可」と明示する文言がページ本文にあるわけではなく、要件の列挙に太陽光が無いという確認にとどまります
- 神奈川県の実施要領PDFの本文と、既設太陽光の住宅が蓄電池だけを追加するケースを名指しで扱う公式Q&Aの有無
- 都内・県内の区市町村の蓄電池単独補助
- V2Hやエコキュートなど、蓄電池以外の「ためる」設備の扱い
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