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「太陽光発電システムの点検」に関する相談は、2024年度に613件でした。2017年度は57件で、7年で10.8倍です。
特に直近3年の伸びが急で、2022年度以降は毎年ほぼ倍増しています。
国民生活センターが2025年6月に公表した注意喚起の資料に、年度別の件数が載っています。このページはその数字を整理したものです。
相談件数の推移
| 年度 | 件数 | 前年度比 |
|---|---|---|
| 2017 | 57件 | — |
| 2018 | 59件 | +4% |
| 2019 | 53件 | −10% |
| 2020 | 62件 | +17% |
| 2021 | 90件 | +45% |
| 2022 | 154件 | +71% |
| 2023 | 304件 | +97% |
| 2024 | 613件 | +102% |
2017〜2020年度は50〜60件台で横ばいでした。2021年度から増え始め、2022年度以降は3年連続でほぼ倍増しています。
どういう相談か
国民生活センターは、寄せられている相談の内容をこう説明しています。
「事業者から太陽光発電設備の点検は法律で義務化されていると言われた」「太陽光パネルの無料点検をすると言われたが、その後、高額な契約を勧められた」など、「法律で義務化された」などと言って太陽光発電システムの無料点検を勧められたり、その後、高額な工事や太陽光パネルの交換等の契約を勧められたという相談が寄せられています。
公表されている事例
突然、事業者が訪問してきて、「太陽光パネルの設置が法律で義務化されたので、太陽光の点検が無料でできる。パネルには耐用年数があると言っている。」などと勧誘された。(略)「パネルをサーモグラフィで確認したところ、割れがひどくなっているので、今後、太陽光パネルを長く使用するためにはコーティングが必要」と言われ、契約したが、約40万円の契約をした。ネットで調べた娘から、だまされているのではないかと解約をするように言われた。
2024年12月契約、80歳代、女性。約40万円の契約でした。
「点検の義務化」について
国民生活センターは、点検の位置づけをこう整理しています。
太陽光発電システムは、電気事業法や再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法(再エネ特措法)等の関係法令に従って適切に維持管理することが求められます。ただし、法的義務の対象になるかは、再エネ特措法に基づくFIT制度・FIP制度の適用の有無や規模により異なります。
「すべての住宅用太陽光に点検が義務づけられている」わけではありません。この点は悪質業者の見分け方で、根拠となる条文まで確認しています。
あわせて、点検自体が不要という意味でもありません。同じ資料にこう書かれています。
太陽光発電システムを効率的に、また、長期間利用するためには、定期的な点検を行うことが重要です。
点検が必要かどうかと、訪問してきた業者とその場で契約すべきかどうかは、別の話です。
なぜ増えたのか
国民生活センターは、背景としてこう述べています。
また、住宅事業者では2025年4月から、年間一定戸数以上の新築住宅を供給するトップランナー事業者を対象に太陽光発電設備の設置に努力義務が課されることとなるなど、近年、太陽光発電システムが身近なものになってきているものと考えられます。
ここから先は当サイトの整理です。設置件数が増えれば、点検を持ちかける相手も増えます。2012年のFIT開始から10年以上が経ち、設置から年数の経った設備が全国に大量にあることも関係していると考えられます。
ただしこの資料に増加の原因は明記されていません。当サイトでも断定はしません。
業界団体も注意喚起している
この件について、国民生活センターは業界団体に要望を出し、それぞれ回答が公表されています。
設備を作っている側の団体が、点検の勧誘に注意を呼びかけているという状況です。
相談したいとき
国民生活センターは、次の3点を挙げています。
- 事業者から「点検が義務化された」などと言われても、安易に契約せず、点検の必要性を確認する
- 点検やメンテナンスの契約をする際は、その場で契約せず、複数社から見積もりを取って検討する
- 不安に思った場合は、最寄りの消費生活センター等に相談する
消費者ホットラインは188(局番なし)です。契約後でもクーリング・オフができる場合があります。詳しくは訪問販売で契約してしまったらをご覧ください。
この統計について知っておくこと
数字を読むときの注意点です。
| この件数が表すもの | 表さないもの |
|---|---|
| 「点検」に関する相談の件数 | 太陽光に関する相談の全体 |
| 消費生活センター等に寄せられた件数 | 実際に起きたトラブルの件数 |
| PIO-NETに登録された分 | センター経由の相談(含まれない) |
相談していない人の分は数字に出ません。実際のトラブルは、この件数より多い可能性があります。
また、2023年度の304件について、資料には注記があります。2024年3月31日までのPIO-NET登録分では268件でした。集計する時点によって数字が変わるため、直近の年度は後から増える可能性があります。
まとめ
- 「太陽光発電システムの点検」に関する相談は2024年度に613件
- 2017年度は57件。7年で10.8倍
- 2022年度以降は3年連続でほぼ倍増(+71%、+97%、+102%)
- 内容は「法律で義務化された」と言って無料点検を勧め、高額な工事や交換の契約に進むもの
- 点検の法的義務はFIT/FIPの適用や規模によって異なる。一律ではない
- ただし点検自体は必要。国民生活センターも「定期的な点検を行うことが重要」としている
- JPEA・JEMAという業界団体側も注意喚起を出している
- この数字は相談された件数であって、起きたトラブルの件数ではない
点検ではなく、まず見積もりから
設置を検討している段階なら、複数社の見積もりを比べるところから始まります。訪問してきた業者とその場で契約しないでください。
広告。申し込みは各社の公式サイトで行われます。
この記事の情報について
以下を2026年8月12日に確認したものです。引用は原文のままです。
- 国民生活センター「太陽光発電システムの点検について『法律で義務化された』などと言われても、安易に契約せず、必要性を確認しましょう」(2025年6月4日公表・2025年9月22日更新)
- 同 報告書本文(PDF)
- 太陽光発電協会の回答/日本電機工業会の回答
件数は2017年4月1日以降に受け付け、2025年3月31日までにPIO-NETに登録された分です。前年度比の計算は当サイトによるものです。
確認していない範囲です。ここが重要です。
- これは「点検」に関する相談の件数です。太陽光に関する相談の全体ではありません。設置時のトラブル、発電量、契約全般などは別に集計されています
- 消費生活センター等からの経由相談は含まれていません。実際の相談はこれより多い可能性があります
- 2025年度以降の件数は、この資料には含まれていません
- 増加の原因について、資料に明記されていません。「設置件数の増加」との関連は当サイトの整理です
- 相談の内訳(年代別・地域別・契約金額別)は、公表されている事例1件を除き確認していません
- 国民生活センターの消費生活相談データベースは2026年9月11日で運用を終了すると告知されています。今後の更新方法は未定です
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