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鳥取県で住宅の太陽光に県の補助を使う道は、いまのところ1つです。屋根を貸すことです。
制度の名前は「鳥取スタイルPPAによる太陽光発電設備設置促進事業補助金」。買って設置する人向けの県の補助は、見当たりませんでした。
補助を受けるのは、あなたではない
県の資料で、住宅向けの事業実施主体はこう定義されています。
鳥取県内に本店、支店、営業所、事務所その他の名称の如何を問わず、事業を行うために必要な施設を有し、鳥取県内においてPPA事業を主体的に営む能力を有している民間事業者
申請するのはPPA事業者です。しかも県内に拠点を持っていることが条件になっています。住宅の所有者は、その事業者と契約する側に立ちます。
| 区分 | 補助率・単価 | 上限 |
|---|---|---|
| 県有施設 | 2分の1 | 125,000円/kW |
| 住宅 | 70,000円/kW | 420,000円/戸 |
| 民間事業者 | 50,000円/kW | 5,000,000円/需要家となる民間事業者 |
住宅は1kWあたり7万円、1戸あたり42万円が上限です。この額は事業者に交付され、その分が契約条件に反映される想定になります。
「無償で貸し出す屋根」と県が書いている
鳥取スタイルPPAの説明を、県はこう書いています。
エネルギーの地産地消(富の地域内循環)を推進するため、県内発電事業者や地域新電力が連携して取り組む初期投資ゼロの導入手法です。
・住宅や建物の所有者が無償で貸し出す屋根や敷地などに、県内の発電事業者が太陽光発電設備を設置します。
・発電した電力を県内の地域新電力会社(電力小売り)と連携して、住宅や建物の所有者が自家消費します。
屋根は無償で貸し出すと明記されています。設備は自分のものになりません。発電した電気は、地域新電力会社を通じて自分が買って使う形です。
県が挙げているPPAのメリットは2つです。
PPA方式の場合、太陽光発電設備を購入する場合に比べ、施設所有者の初期投資を抑えることができる、市場の電気代の変動の影響を受けにくいなどのメリットがあります。
県によってPPAの扱いが正反対になる
初期費用0円の提案は、どの県でも同じように評価されるわけではありません。
| 県 | PPA・リースの扱い |
|---|---|
| 鳥取県 | 住宅向けの県の補助はPPAのみ |
| 千葉県 | 県の直接補助はリース・PPA事業者向け |
| 石川県 | 個人・PPA事業者・リース事業者の3者が対象 |
| 栃木県 | リース・オンサイトPPAは対象外 |
| 新潟県 | 令和8年度から除外に変更 |
同じ業者から同じ提案を受けても、住んでいる県で補助の可否が変わります。
補助金を使うには、まず見積もりから
補助金の対象になるかどうかは、設置する設備と工事の内容で決まります。まず見積もりを取らないと、いくら補助が出るかも確定しません。
広告。申し込みは各社の公式サイトで行われます。
財源は環境省の交付金
この補助金は、環境省の「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金」を財源としています。県はそのため、適用される法令を長く列挙しています。
鳥取県補助金等交付規則及び補助金交付要綱のほか、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和30年法律第179号)、(略)二酸化炭素排出抑制対策事業費交付金(地域脱炭素移行・再エネ推進交付金)交付要綱、地域脱炭素移行・再エネ推進交付金実施要領(本体、別紙2、別表1-4)、その他の法令及び関係通知の規定に従う必要があります。
同じ交付金は、兵庫県・群馬県・三重県でも原資になっています。そちらでは「FIT認定を取得しないこと」「30%以上を自家消費すること」という条件がついていました(→ 三重県の記事)。鳥取県の住宅向けPPAでも同様の条件があるかは、県のこのページからは読み取れませんでした。
屋根を貸す前に確認したいこと
ここから先は当サイトの整理で、公的な基準ではありません。
PPAは補助金の話であると同時に、長期の契約の話です。県のページには補助の枠組みが書かれていますが、住宅所有者と事業者の契約条件までは書かれていません。事業者に確認する項目としては、次のようなものが考えられます。
- 契約期間と、期間中に解約する場合の扱い
- 契約終了後、設備が無償譲渡されるのか、撤去されるのか
- 自家消費する電力の単価と、その見直しの条件
- 屋根の修繕や葺き替えが必要になったときの費用負担
- 余った電力の扱い
千葉県のリース制度では、県が「個々の契約について県が責任を負うものではありません」と明記しています。県が枠組みを作っていることと、契約内容が保証されていることは別です。
見積もりを取る前に決めておくことは 太陽光の見積もりを取る前に決めておくこと に、業者選びの判断材料は 太陽光の業者はどう選ぶか にまとめています。買う場合の費用の水準は 太陽光・蓄電池の費用ガイド|公的資料で確認できる数字だけ で確認できます。
買って設置する場合は市町村へ
県は「県内市町村の小規模発電設備等への助成制度」という別のページを持っています。買って設置する場合や蓄電池を入れる場合は、そちらとお住まいの市町村を確認してください。今回はその中身までは確認していません。
国の制度の現状は 太陽光・蓄電池の補助金は今どうなっている?国の制度は終了【2026年8月時点】 に、蓄電池の容量表記の読み方は 家庭用蓄電池を選ぶ前に にまとめています。
→ 鳥取県「鳥取スタイルPPAによる太陽光発電設備設置促進事業補助金」
まとめ
- 住宅への県の補助はPPA方式のもの。買って設置する場合の県の補助は見当たらなかった
- 住宅は70,000円/kW、上限420,000円/戸
- 申請するのは住民ではなく、県内に拠点を持つPPA事業者
- 県は「住宅や建物の所有者が無償で貸し出す屋根や敷地など」と明記している
- 発電した電力は地域新電力会社と連携して所有者が自家消費する
- PPAの扱いは県で正反対。栃木県・新潟県は対象外にしている
- 財源は環境省の地域脱炭素移行・再エネ推進交付金
- 買って設置する場合や蓄電池は、市町村の制度を確認する
複数社の見積もりで総額を比べる
補助額は数万円から数十万円ですが、設備の見積もりは会社によって数十万円の差が出ることがあります。補助金を使う前提で、複数社の見積もりを比べてください。
広告。申し込みは各社の公式サイトで行われます。
「補助金を取ると売電できない」という条件は鳥取県だけではありません。47都道府県を横断すると13県が同じ要件で、理由は財源にありました(47都道府県の補助金を全部調べた)。
この記事の情報について
以下を2026年8月7日に鳥取県の公式サイトで直接確認したものです。引用は原文のままです。
確認していない範囲:
- 県内市町村の助成制度は確認していません。県は別ページで案内しています。買って設置する場合や蓄電池は市町村に直接確認してください
- 蓄電池に対する県の補助の有無
- 令和8年度の公募期間・予算額・PPA事業者の一覧
- 交付要綱PDF、導入方法の違いを説明したチラシPDF
- 住宅所有者と事業者の契約条件(契約期間・契約終了後の設備の扱い・電力の単価など)。県のページには記載がありません
- 住宅向けPPAにFIT認定や自家消費割合の条件があるかどうか
「屋根を貸す前に確認したいこと」は当サイトの整理であり、県が示した項目ではありません。
制度は年度途中でも変わります。契約する前に必ず最新の公式ページと事業者に確認してください。
この記事は公開情報を整理したものです。当サイトが実際に鳥取県で太陽光発電や蓄電池を設置した立場で書いたものではありません。
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