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青森県の補助金は、県のページを読んだだけでは自分が使えるかどうか分かりません。金額も条件も県が決めていますが、申請を受け付けるのは市町村で、その市町村が今年度この事業をやっていなければ、県内に住んでいても1円も出ないからです。
まず見るのは金額ではなく、市町村の名前
制度名は「住宅用自家消費型太陽光発電設備等導入支援事業費補助金」。県のお知らせにある一文が、この制度の性格を決めています。
なお、令和8年度は、お住まいの市町村を経由して補助金の交付を行います。
住宅用の補助事業は、一部の市町村で実施します。市町村ごとに募集期間と予算額が定められており、お住まいの市町村の募集期間外は申請をお受けできません。
「一部の市町村」という書き方です。県が運営しているコールセンターのサイトには、その一部がどこかを示す表があります。
今年度は以下の23市町村で申請を受け付けています。
青森県の市町村は40。表に載っているのは23なので、17は載っていないことになります(当サイトの引き算です)。市町村を経由する形は 茨城県の記事 や 愛知県の記事 にもありますが、青森は県が受付状況まで一枚の表で見せている点が違います。
県が市町村別の消化率を%で出している
その表には「進捗」という欄があり、市町村ごとの数字が入っています。県の説明はこうです。
進捗は、各市町村の住宅用補助金枠に対する交付決定前の申請額の割合もしくは補助金の残額であり、申請の受理や補助金の交付を保証するものではありません。
2026年8月8日時点の表を、そのまま並べます。凡例は「− 募集前 / ● 募集中 / ✕ 受付終了」です。
| 市町村 | 募集状況 | 進捗 | 申請方法 |
|---|---|---|---|
| 青森市 | ● 募集中 | 28% | 申請フォーム |
| 弘前市 | ● 募集中 | 15% | 郵送 / 申請フォーム |
| 八戸市 | ● 募集中 | 64% | 郵送 / 申請フォーム |
| 五所川原市 | ● 募集中 | 63% | 郵送 / 申請フォーム |
| 十和田市 | ✕ 受付終了 | – | − |
| むつ市 | ● 募集中 | 3% | 郵送 / 申請フォーム |
| つがる市 | ● 募集中 | 38% | 郵送 / 申請フォーム |
| 平内町 | ● 募集中 | 33% | 郵送 / 申請フォーム |
| 外ヶ浜町 | ● 募集中 | 0% | 郵送 / 申請フォーム |
| 藤崎町 | ● 募集中 | 40% | 郵送 / 申請フォーム |
| 大鰐町 | ● 募集中 | 0% | 郵送 / 申請フォーム |
| 板柳町 | ● 募集中 | 25% | 郵送 / 申請フォーム |
| 鶴田町 | ● 募集中 | 41% | 郵送 / 申請フォーム |
| 中泊町 | ● 募集中 | 0% | 郵送 / 申請フォーム |
| 七戸町 | ● 募集中 | 0% | 郵送 / 申請フォーム |
| 六戸町 | ✕ 受付終了 | – | − |
| 東北町 | ● 募集中 | 0% | 郵送 / 申請フォーム |
| 六ヶ所村 | − 募集前 | − | − |
| 東通村 | − 募集前 | − | − |
| 三戸町 | ● 募集中 | 0% | 郵送 / 申請フォーム |
| 五戸町 | ● 募集中 | 32% | 郵送 / 申請フォーム |
| 南部町 | ● 募集中 | 0% | 郵送 / 申請フォーム |
| 階上町 | ● 募集中 | 33% | 郵送 / 申請フォーム |
受付終了が2、募集前が2、募集中が19。同じ制度に申し込むのに、十和田市と六戸町の人はもう間に合わず、六ヶ所村と東通村の人はまだ始まっていません。八戸市と五所川原市は6割を超えていて、0%のまま動いていない町もいくつかあります。予算残額の県がどう見せるかは 大分県の記事、契約率を公表する県の例は 大阪府の記事 にあります。
太陽光は5万円/kW、蓄電池は単独では出ない
金額の決め方は県が一本で定めています。太陽光は出力に単価を掛けるだけの単純な式です。
太陽光パネルの出力またはパワーコンディショナーの出力のうち、小さい値に5万円を乗じた額。
※kW単位で小数点を切り捨てた値を用います。
※補助額の上限は25万円です。
蓄電池のほうは率で、しかも単独では申請できません。
上記「太陽光発電設備」の付帯設備であって住宅に設置されるもの。
※蓄電池のみの設置は対象外です!
蓄電池の導入に係る補助対象経費(蓄電システム及び工事費)の3分の1
※上限金額
14.1 万円/kWh(工事費込み・税抜き)の3分の1(上限35万円)
ここで注意したいのが切り捨ての桁です。同じ制度の中で、太陽光と蓄電池で扱いが違います。
| 設備 | 切り捨ての桁 | 県が挙げた例 | 補助額 |
|---|---|---|---|
| 太陽光 | kWの小数点以下すべて | 4.95kWのパネル+4kWのパワコン | 4kW×5万円=20万円 |
| 太陽光 | 同上 | 6.0kWのパネル+5.5kWのパワコン | 5kW×5万円=25万円 |
| 蓄電池 | kWhの小数第二位以下 | 18.1万円/kWhの蓄電池を4.95kWh | 14.1万円×4.9kWh×1/3=23.0万円 |
太陽光は4.95kWでも4kW扱いになるので、5万円分が消えます。蓄電池は4.95kWhが4.9kWhになるだけです。パネルとパワコンの小さいほうを取る決まりもあるので、どちらか一方を大きくしても補助額は増えません。5kWで上限に届く設計なので、それ以上のせても補助は25万円で止まります。設備の選び方は 家庭用蓄電池を選ぶ前に|容量・価格・補助金・消防の基準 と 太陽光発電の費用ガイド|内訳・相場・回収年数 にまとめています。
補助金を使うには、まず見積もりから
補助金の対象になるかどうかは、設置する設備と工事の内容で決まります。まず見積もりを取らないと、いくら補助が出るかも確定しません。
広告。申し込みは各社の公式サイトで行われます。
売電はできる。ただし自家消費30%を割ってはいけない
FIT・FIPを使わないことが条件ですが、売電そのものは禁じられていません。よくある質問での回答です。
できる限り自家消費していただくことが望ましいですが、余剰電力が生じた場合は、売電も可とします。
ただし、補助事業に係る住宅の敷地内での自家消費率が30%を下回らないことと、FIT制度又はFIP制度を活用した売電でないことが要件となります。
収益が出ても返還は要りません。30%という数字は年間の見込みで測ります。
「年間自家消費想定量/年間発電想定量=30%以上」となることを要件としています。想定される自家消費量については、施工業者等にお問い合わせください。
新築だと過去の電気使用量がないので、県は設計上の計算を求めています。「計算過程が明確に示されている根拠資料」を添えることになっていて、この書類は施工業者に作ってもらうことになります。FITを完全に閉じる県との違いは 群馬県の記事 で確かめられます。
使えない設備と、設置後17年の縛り
よくある質問には、外れるものが具体的に並んでいます。可搬式の蓄電池は対象外。中古品や在庫品も対象外。商品化されていない試作品も対象外。ソーラーカーポートは原則対象外で、カーポート部分と太陽光部分を図面と見積書で分けられる場合に限り、太陽光の部分だけが認められます。
建売住宅は買っても対象になりますが、期限があります。「交付申請時当該建売住宅が建設工事の完了の日から起算して1年を経過したものは交付対象外」。さらに、すでに設備が使われていれば中古設備とみなされます。
設置したあとにも条件が残ります。
取得単価が 50 万円以上の設備については、減価償却資産の耐用年数等に関する省令(昭和40 年大蔵省令第 15 号)で定める期間内に、補助金の交付の目的に反して使用したり、譲渡、交換、貸し付け、又は担保に供することはできません。
県が示している法定耐用年数は太陽光発電設備が17年、蓄電池が6年です。家を売る、貸す、設備を撤去するといった場面では市町村への相談が要り、場合によっては返還になります。取得単価などの条件を市町村が独自に付けていることもあるので、要綱は市町村のものを読む必要があります。
共同購入は県内全域。補助金は23市町村
県はもうひとつ、共同購入事業を走らせています。「みんなのおうちに太陽光」で、アイチューザー株式会社と協定を結んだ形です。参加登録期間は令和8年4月14日から12月3日まで。登録できる地域は県内全域で、購入プランは太陽光のみ・太陽光と蓄電池・蓄電池のみの3種類です。
補助金では蓄電池だけの設置が対象外なのに、共同購入では蓄電池だけのプランが選べます。対象地域も、補助金は23市町村、共同購入は全域。同じ県の2つの事業が、違う線を引いています。併用については県が明記しています。
本補助金は、令和8年度青森県住宅用太陽光発電設備等共同購入事業「みんなのおうちに太陽光」を活用して設置する太陽光発電設備等も、一定の要件を満たす場合、補助の対象となります。
県は、共同購入をかたる紙が出回っていることにも注意書きを付けています。
本県で実施している事業の窓口はアイチューザー(株)のみであり、下記のキャンペーンサイト以外の参加登録先はありません。
また、お問い合わせ窓口の電話番号については、0120-723-100以外の番号はありません。
この電話番号は、共同購入をやっている他の道府県の窓口と同じです。北海道の記事 と 福岡県の記事 でも同じ番号を確認しています。県章が使われているかどうかも、県が挙げている見分け方のひとつです。
青森で進めるときの順番
ここから先は当サイトの整理で、公的な基準ではありません。
- 県の募集状況の表で、自分の市町村が載っているかを最初に見る
- 載っていれば「募集中」かどうかと進捗%を見る。0%でも予算が小さいことはある
- 載っていなければ、この補助金は使えない。市町村独自の制度と共同購入を当たる
- 契約日と着工日の早いほうが事業開始日。交付決定前に契約すると原則外れる
- 工期の都合で先に動くなら、事前着手届を出しておく
- パネルとパワコンの小さいほうの出力を確かめる。5kW未満なら端数は切り捨て
- 蓄電池だけの設置は対象外。太陽光とセットで見積もる
- 自家消費率30%以上の根拠資料を、施工業者に作れるか確認する
- 書類は全部そろえてから出す。受付は先着順で、不備があると受理されない
- 共同購入と併用するつもりなら、登録の前に市町村の募集期間を見ておく
見積もりを取る前に決めておくことは 太陽光の見積もりを取る前に決めておくこと、比べられる形で集める手順は 太陽光の見積もりガイド|比べられる見積もりの集め方、全国の制度の地図は 太陽光発電の補助金一覧|国・都道府県・市区町村 にあります。
まとめ
- 金額と条件は県が決め、申請を受け付けるのは市町村
- 令和8年度に受け付けているのは23市町村。県内は40市町村
- 県は市町村別の募集状況と進捗%を一枚の表で公開している
- 2026年8月8日時点で受付終了が2(十和田市・六戸町)、募集前が2(六ヶ所村・東通村)
- 太陽光は5万円/kW・上限25万円。kWの小数点以下は切り捨て
- パネルとパワコンの小さいほうの出力を使う
- 蓄電池は経費の1/3・上限35万円。14.1万円/kWhが天井
- 蓄電池の容量は小数第二位以下だけ切り捨て。太陽光と桁が違う
- 蓄電池単独の設置は対象外
- FIT・FIPは不可。売電自体は可で、自家消費率30%以上が条件
- 売電で収益が出ても返還は不要
- 可搬式の蓄電池、中古品、試作品は対象外
- 原則、交付決定前の契約・着工は対象外。事前着手届で例外あり
- 取得単価50万円以上の設備は、太陽光17年・蓄電池6年の処分制限がかかる
- 共同購入「みんなのおうちに太陽光」は県内全域で、併用も可
複数社の見積もりで総額を比べる
補助額は数万円から数十万円ですが、設備の見積もりは会社によって数十万円の差が出ることがあります。補助金を使う前提で、複数社の見積もりを比べてください。
広告。申し込みは各社の公式サイトで行われます。
青森県の条件が他県と比べてどうかは、47都道府県の補助金を全部調べたで横断して整理しています。
この記事の情報について
以下を2026年8月8日に青森県の公式サイトで直接確認したものです。引用は原文のままです。
- 青森県「『住宅用自家消費型太陽光発電設備等導入支援事業費補助金』実施のお知らせ」(更新日付:2026年5月29日)
- 令和8年度 青森県 自家消費型太陽光発電設備等導入支援事業費補助金「住宅用」
- 同「住宅用補助金の募集状況」
- 同「よくある質問」
- 青森県「令和8年度青森県住宅用太陽光発電設備等共同購入事業『みんなのおうちに太陽光』参加者募集!」(更新日付:2026年4月14日)
確認していない範囲:
- 令和8年度の県全体の予算額。県が出しているのは市町村別の進捗%です
- 各市町村の予算額と、募集期間の個別の日付
- 表に載っていない17市町村がどこか。県は市町村名を列挙していません
- 2026年8月8日より後の進捗%の動き
- 六ヶ所村・東通村の募集開始日
- 交付要綱そのもの。市町村ごとに定めているため県サイトには置かれていません
- 共同購入の令和8年度の販売施工事業者と価格
- 県の補助金とは別の、市町村独自の太陽光・蓄電池補助
「40市町村のうち23」の40は青森県の市町村数で、県が「17市町村は対象外」と書いているわけではありません。県の記述は「一部の市町村で実施します」です。
「青森で進めるときの順番」も当サイトの整理であり、県が示した手順ではありません。
制度は年度途中でも変わります。進捗%は日々動きます。申し込む前に必ず最新の公式ページと、お住まいの市町村のページを確認してください。
この記事は公開情報を整理したものです。当サイトが実際に青森県で太陽光発電や蓄電池を設置した立場で書いたものではありません。
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