※本記事にはプロモーションが含まれます
群馬県の令和8年度の補助金は、もう終わっています。
受付は6月29日から7月20日までの22日間だけ。そして先着ではなく抽選でした。抽選結果は7月31日に公表されています。
「予算がなくなる前に急ぐ」という話ではありません。期間内に出せたかどうかがすべてでした。
群馬県は「先着」ではなく「抽選」
交付申請書は6月29日から7月20日まで受付し、書類不備がない交付申請書を全て抽選対象とします。予算額の範囲内で当選者を決定し(県ホームページで当選者分の申請者番号を公表します。)、当選者の申請書について申請内容の確認・審査を行います。
早く出しても有利になりません。逆に言えば、受付初日に間に合わなくても不利になりません。大事なのは、22日間のうちに書類を不備なく出すことだけです。
栃木県は先着で、締切日だけ抽選という設計です(→ 栃木県の記事)。隣の県でも、選び方の考え方が違います。
交付決定前は「契約」もできない
県の交付決定前に、施工業者等との契約・工事着工済みの場合は、補助対象外となります。
栃木県は「契約・発注は交付決定前でも可」としています。群馬県は契約もダメです。同じ「交付決定前」でも、どこまで進んでよいかが県によって違います。
この違いがなぜ大きいかは 補助金の申請はいつ何をするのか|交付決定の前に工事を始めると対象外 にまとめています。
制度が2つに分かれている理由
群馬県には補助金が2本あります。お金の出どころが違うからです。
| A 太陽光発電設備等導入支援事業費補助金 | B 住宅用蓄電池導入支援事業費補助金 | |
|---|---|---|
| 原資 | 環境省「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金(重点対策加速化事業)」 | 内閣府「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」 |
| 対象 | 太陽光のみ/太陽光+蓄電池 | 既設の太陽光と一体的に使用する蓄電池のみ |
| 事務局 | ぐんま第一再エネ補助金事務局 | ぐんま第二再エネ補助金事務局 |
すでに太陽光がある家に蓄電池を足すならB、これから太陽光を入れるならAです。問い合わせ先も別です。
個人の太陽光は「7万円/世帯」の定額
ここが群馬県のいちばん特徴的なところです。
| 誰が | 太陽光発電設備 | 蓄電池 |
|---|---|---|
| 個人 | 7万円/世帯(定額) | 補助対象経費の1/3 (千円未満切捨て) |
| 中小企業者等 | 発電出力 × 5万円/kW 上限:太陽光のみ500万円/太陽光+蓄電池1,500万円 |
補助対象経費の1/3 (千円未満切捨て) |
個人は容量に関係なく7万円です。他県の多くは「7万円/kW」で、5kWなら35万円になります。群馬県は「7万円/世帯」。単位が違います。
群馬県で額を大きくしたいなら、太陽光ではなく蓄電池側です。蓄電池は補助対象経費の1/3で、上限の書き方が違います(当サイトの整理です)。
Bの蓄電池は上限4.7万円/kWh
Bの補助額は、次の1と2のうちいずれか低い額です(千円未満切捨て)。
- 補助対象経費の1/3
- 蓄電容量 × 14.1万円/kWh × 1/3
当サイトの計算では、2の上限は4.7万円/kWhです。10kWhなら47万円。
この「14.1万円/kWh」は、国の補助事業の価格要件と同じ水準です。兵庫県も同じ数字を使っています。意味は 家庭用蓄電池を選ぶ前に|容量・価格・補助金・消防の基準 にまとめています。
Bはリース契約でも申請できます。その場合の申請者はリース契約事業者で、個人は共同申請者になります。栃木県はリース・PPAを対象外にしています。県ごとに扱いが逆です。
補助金を使うには、まず見積もりから
補助金の対象になるかどうかは、設置する設備と工事の内容で決まります。まず見積もりを取らないと、いくら補助が出るかも確定しません。
広告。申し込みは各社の公式サイトで行われます。
Aを使うと売電できない
Aの主な要件です。
- FIT制度またはFIP制度による売電を行わないものであること
- 個人は、発電した電力を導入場所の敷地内(オンサイト)の住宅で30%以上自家消費すること
- 中小企業者等は、事業所で50%以上自家消費すること
この条件は群馬県だけの話ではない
| 県 | 条件 | 原資の明記 |
|---|---|---|
| 群馬県 | FIT・FIPで売電しない+個人30%以上自家消費 | 環境省の交付金と明記 |
| 兵庫県 | FIT・FIP認定を取得しない+30%以上自家消費 | 環境省の交付金と明記 |
| 栃木県 | FIT・FIP認定を取得しない+30%以上自家消費 | 明記を確認できず |
3県で条件がほぼ同じで、そのうち2県が同じ環境省の交付金を原資と明記しています。「売電しない・30%以上自家消費」は、県が独自に決めたというより、交付金の側の条件と整合していると考えられます。
ただし「国が全国一律にこの条件を課している」と書いた資料は確認していません。他県で同じ条件が出てきたら、原資を確認してみてください。
兵庫県の制度は 兵庫県の記事 に、売電価格の設計は 太陽光の売電価格2026年度 にまとめています。
手続きで外しやすい点
- 実績報告は「完了日から10日を経過した日」または令和9年2月10日の早いほう。10日は短いので、工事完了時に書類の準備を始める必要があります
- 提出はオンラインが原則。困難な場合のみ郵送
- 補助対象事業の実施期限(導入と支払いの完了)は令和9年1月31日
- 県は行政書士法にも触れています。「行政書士でない方が、業として他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類を作成することは(略)行政書士法違反になります」
「申請は全部やります」と言う業者がいたら、どこまでを誰がやるのかを確認してください。県がわざわざ書いている以上、問い合わせがあったということです(当サイトの整理です)。
来年に向けて何を見ればいいか
ここから先は当サイトの整理で、公的な基準ではありません。
令和8年度の実際のスケジュールから逆算すると、こうなります。
- 4月中旬にページが公開される。令和8年度は4月13日
- 4月末に交付要綱、6月中旬に募集要領。ここで条件と額が確定する
- 6月末から3週間だけ受付。ここに書類を間に合わせる
- 契約も工事も、交付決定が出てから。抽選に外れる可能性がある前提で計画する
逆算すると、業者選びと見積もりは春のうちに終わらせておく必要があります。比べられる形で見積もりを集める手順は 太陽光の見積もりガイド に、取る前に決めておくことは 太陽光の見積もりを取る前に決めておくこと にまとめています。
令和9年度に同じ制度があるかは分かりません。県のページで確認してください。
まとめ
- 令和8年度は受付終了。受付は6月29日〜7月20日の22日間だけだった
- 先着ではなく抽選。書類不備がない申請を全て抽選対象にする。早く出しても有利にならない
- 交付決定前は契約もできない(栃木県は契約なら可)
- 制度が2本ある。Aは環境省の交付金、Bは内閣府の交付金が原資
- 個人の太陽光は7万円/世帯の定額。容量に関係ない(中小企業者等は5万円/kW)
- 蓄電池は補助対象経費の1/3。Bは蓄電容量×14.1万円/kWh×1/3との低いほう
- Bはリース契約でも申請できる(申請者はリース事業者、個人は共同申請者)
- AはFIT・FIPで売電しないこと、個人は30%以上を自家消費すること
- 実績報告は完了日から10日または令和9年2月10日の早いほう
複数社の見積もりで総額を比べる
補助額は数万円から数十万円ですが、設備の見積もりは会社によって数十万円の差が出ることがあります。補助金を使う前提で、複数社の見積もりを比べてください。
広告。申し込みは各社の公式サイトで行われます。
「補助金を取ると売電できない」という条件は群馬県だけではありません。47都道府県を横断すると13県が同じ要件で、理由は財源にありました(47都道府県の補助金を全部調べた)。
この記事の情報について
以下を2026年8月7日に群馬県の公式サイトで直接確認したものです。引用は原文のままです。
- 群馬県「令和8年度の個人住宅・事業者向け再エネ導入支援補助制度について」(グリーンイノベーション推進課/2026年7月31日更新)
確認していない範囲:
- 交付要綱・募集要領PDFの本文は確認していません
- 抽選結果の中身(当選件数・倍率)は確認していません
- 令和9年度に同じ制度が実施されるかは分かりません
- 市町村の補助制度
- 「ぐんま住宅用太陽光発電設備等初期費用0円事業」「共同購入事業」の内容
- 蓄電池の価格要件(4,800Ah・セル相当)の詳細
「上限4.7万円/kWh」の計算、3県の条件が一致していることについての観察、「来年に向けて何を見ればいいか」は当サイトによるものです。県が説明したものではありません。
制度は年度ごとに変わります。必ず最新の公式ページを確認してください。
この記事は公開情報を整理したものです。当サイトが実際に群馬県で太陽光発電や蓄電池を設置した立場で書いたものではありません。
ソーラー資料室