岩手県の太陽光・蓄電池補助金【令和8年度】県全体で19戸という募集戸数

補助金公開 2026年8月8日
岩手県の太陽光・蓄電池補助金【令和8年度】県全体で19戸という募集戸数

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岩手県の家庭向け補助金を探すと、少し戸惑います。県が「令和8年度脱炭素に係る補助事業等について《家庭編》」というページを用意しているのですが、そこに太陽光や蓄電池という見出しがありません。並んでいるのは省エネ住宅の新築、リフォーム、県産木材、EV。太陽光は、別のメニューの中に入っています。

県の家庭向け一覧に、太陽光の欄がない

《家庭編》のページが立てている柱は4つです。「省エネ住宅を新築したい」「省エネ住宅にリフォームしたい」「EVを購入したい」「地球温暖化について知りたい・学びたい」。この下に県と国の制度が並びますが、設備単体で太陽光や蓄電池を扱うものは1つもありません。

県の温暖化防止サイト「いわてわんこ節電所」が毎月更新している家庭向けの一覧も同じです。2026年8月8日時点で載っているのは、県の観光関連の補助と、盛岡市・一関市・遠野市・岩手町といった市町村の制度でした。太陽光を名前に含む県の制度は入っていません。

ではどこにあるかというと、新築の省エネ住宅を対象にした「いわて省エネルギー住宅建設推進事業費補助金」の中です。断熱等性能等級を上げる住宅を建てる人に対して、太陽光やHEMS、蓄電池をまとめて補助する形になっています。太陽光を単体では扱わない設計は 長野県の記事 や 愛知県の記事 にもありますが、岩手はその度合いがさらに強く出ています。

募集戸数19戸。7月末で9戸が埋まっている

この補助金でいちばん目を引くのは金額ではなく、戸数です。県が予定として示している募集戸数と、令和8年7月末時点の申請受付戸数がそのまま並べて公開されています。

項目 断熱等性能等級6等 断熱等性能等級7等 計
募集戸数(予定) 11戸 8戸 19戸
申請受付戸数(令和8年7月末) 2戸 7戸 9戸

県全体で19戸。等級7の枠は8戸のうち7戸がすでに受け付けられていて、残りは1戸という計算になります。受付期間は令和8年12月4日までですが、期間より先に枠のほうが尽きる可能性が数字で見えています。

補助金交付申請は、申請書類が全て整ったものから先着順に受け付けし、補助金の交付申請額が予算額に達した場合は、申請受付を停止します。申請書類に不備等がある場合は、受付できませんので、予めご了承ください。

「申請書類が全て整ったものから」という書き方です。不備があると受付そのものが成立しないので、順番は書類の完成度で決まります。抽選の県、締切日だけ抽選の県との違いは 群馬県の記事 と 栃木県の記事 にあります。

岩手県:令和8年7月末時点の枠の埋まりかた(県公表) 断熱等性能等級6等 2 / 11 戸 断熱等性能等級7等 7 / 8 戸 合計 9 / 19 戸 等級7は残り1戸。受付期間は令和8年5月18日〜12月4日 棒の長さは戸数の比。募集戸数は「予定」として県が示した数

補助金を使うには、まず見積もりから

補助金の対象になるかどうかは、設置する設備と工事の内容で決まります。まず見積もりを取らないと、いくら補助が出るかも確定しません。

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広告。申し込みは各社の公式サイトで行われます。

太陽光は必須、蓄電池は選択

補助の中身は5つに分かれていて、どれを必ず入れるかが決まっています。

区分 申請区分 補助率 上限額
① 断熱等性能等級6等 ①か②が必須 定額 1,000千円/戸
② 断熱等性能等級7等 ①か②が必須 定額 1,800千円/戸
③ 太陽光発電設備 必須 定額 350千円/戸(70千円/kW×5kW)
④ HEMS 必須 2/3 66千円/戸
⑤ 蓄電池 選択 1/3 357千円/戸(51千円/kWh×7kWh)

太陽光は入れないと申請できません。逆に蓄電池は入れなくても成立します。全部そろえたときの上限は、県が計算まで書いています。

補助額の最大 → 断熱等性能等級6等を選択する場合((1)+(3)+(4)+(5)):1,773千円
断熱等性能等級7等を選択する場合((2)+(3)+(4)+(5)):2,573千円

最大257万3千円。都道府県の住宅向け補助としては大きい部類です。ただしこれは家1軒を等級7で建てたときの合計で、太陽光そのものへの補助は35万円が上限です。1kWあたり7万円で、5kWで頭打ち。kWの数え方も指定されています。

※2 太陽光電池モジュールの公称最大出力合計とパワーコンディショナの定格出力のうち小さい値とする。

蓄電池には価格そのものに天井があります。要綱の別表は「155千円/kWh以下(工事費込み・税抜き)の蓄電システムであること」と定めていて、申請様式にも1kWhあたりの導入価格を計算させる欄が用意されています。高すぎる見積もりは、補助率で調整されるのではなく対象外になります。相場との照らし合わせ方は 家庭用蓄電池を選ぶ前に|容量・価格・補助金・消防の基準 と 太陽光発電の費用ガイド|内訳・相場・回収年数 にまとめています。

売電はできない。かわりに環境価値は住む人のもの

この補助金を使うと、FITもFIPも使えません。

注)FIT又はFIPの認定は取得できません。なお、PPAやリース契約の場合、PPA・リース事業者がFIT制度やFIP制度を活用することも認められておりません。

申請時に出す「遵守事項に関する確認書」には、もう少し踏み込んだ書き方があります。

(1)本事業によって得られる環境価値のうち、需要家に供給を行った電力量に紐付く環境価値を需要家に帰属させるものであること。
(2)再エネ特措法に基づく FIT 又は FIP の認定を取得しないこと。
(3)電気事業法第2条第1項第5号ロに定める接続供給(自己託送)を行わないものであること。

発電した電気の環境価値は需要家、つまりその家に住む人のものにする、と明記されています。同じ東北でも、自家消費分の環境価値をクラブ経由で県へ譲渡させる 福島県の記事 とは、向きが逆です。どちらが得かという話ではなく、県が設計として何を取りに行っているかの違いです(当サイトの整理です)。

PPAやリースも排除されていません。ただし「法定耐用年期間満了まで継続的に使用するために必要な措置等を証明できる書類」が要ります。0円モデルとリースをはっきり対象外にする県もあるので、ここは分かれ目になります。

家の性能だけでなく、家の見せ方まで条件になる

対象になる住宅の要件は8つあります。断熱の等級と証書、県産木材を5立方メートル以上使うこと、建設業者が岩手型住宅賛同事業者などに登録されていること。そのうえで、性能を実測させる条項が入っています。

(7) 気密工事の完了後、気密性能試験を実施し、1平方メートル当たりの相当隙間面積1平方センチメートルを満たすこと。

C値1.0以下を、認定された気密測定技能者による試験で確かめる。書類上の等級だけでは通りません。もうひとつ、住まい手にとって性格の違う条件があります。

(6) 建設現場見学会等を実施すること。

自分の家の建設現場を、見学会の場として開く。完了報告のときには「現場見学会等実施報告書」を出します。さらに県は、住宅の温熱環境の測定やヒアリングに大学等の研究機関と連携して協力してほしいとも書いています。補助を受けた家は、県にとってデータを取る対象でもある、という作りです。中古設備は対象になりません。

岩手で進めるときの順番

ここから先は当サイトの整理で、公的な基準ではありません。

  1. 新築かどうかを最初に確かめる。既存住宅への後付けは、県のこのメニューには載っていない
  2. 建設業者が岩手型住宅賛同事業者などに登録されているかを聞く。ここで対象外になることがある
  3. 断熱等級6と7のどちらで建てるかを決める。7の枠は7月末で残り1戸だった
  4. 太陽光は必須、蓄電池は選択。売電しない前提で回収を考える
  5. 蓄電池は155千円/kWh以下という価格条件を、見積もりの段階で確かめる
  6. C値1.0の気密性能試験と、現場見学会の開催を受け入れられるか家族で決める
  7. 市町村の制度を別に調べる。県の一覧には一関市などの制度が載っている
  8. 提出先は県ではなく岩手県建築住宅センター。郵送か持参で、書類は2部

見積もりを取る前に決めておくことは 太陽光の見積もりを取る前に決めておくこと、比べられる形で集める手順は 太陽光の見積もりガイド|比べられる見積もりの集め方、全国の制度の地図は 太陽光発電の補助金一覧|国・都道府県・市区町村 にあります。

→ 岩手県「令和8年度『いわて省エネルギー住宅建設推進事業費補助金』」

まとめ

  • 県の《家庭編》一覧に、太陽光・蓄電池の単独メニューがない
  • 太陽光は新築の省エネ住宅補助の中にだけある
  • 募集戸数は県全体で19戸(等級6が11戸、等級7が8戸)
  • 令和8年7月末で9戸が受付済み。等級7は残り1戸
  • 受付は令和8年5月18日〜12月4日。書類が全て整ったものから先着
  • 太陽光は必須、蓄電池は選択、HEMSも組み込み
  • 太陽光は70千円/kW・上限350千円で、5kWで頭打ち
  • 蓄電池は1/3・上限357千円。155千円/kWh以下の製品に限る
  • 最大額は等級7で2,573千円、等級6で1,773千円
  • FIT・FIPの認定は取れない。自己託送も不可
  • 環境価値は需要家に帰属させると明記
  • C値1.0の気密性能試験と、建設現場見学会の実施が条件
  • 県産木材5立方メートル以上、建設業者の登録も要件
  • 窓口は一般財団法人岩手県建築住宅センター。郵送か持参

複数社の見積もりで総額を比べる

補助額は数万円から数十万円ですが、設備の見積もりは会社によって数十万円の差が出ることがあります。補助金を使う前提で、複数社の見積もりを比べてください。

タイナビ 太陽光発電一括見積もり

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「補助金を取ると売電できない」という条件は岩手県だけではありません。47都道府県を横断すると13県が同じ要件で、理由は財源にありました(47都道府県の補助金を全部調べた)。

この記事の情報について

以下を2026年8月8日に岩手県の公式サイトで直接確認したものです。引用は原文のままです。

確認していない範囲:

  • 令和8年度の予算額そのもの。県が公表しているのは戸数です
  • 2026年8月8日より後の申請受付戸数。県ページの数字は令和8年7月末時点です
  • 要綱別表第1「ZEHを上回る基準」の種別ごとの詳細要件
  • 県が実施する事業者向けの自家消費型太陽光の補助。家庭が使えるかどうかは確認していません
  • 市町村ごとの太陽光・蓄電池補助の金額と条件
  • 「住みたい岩手の家づくり促進事業」「いわて木づかい住宅普及促進事業」の中身
  • 共同購入事業の有無。今回確認した範囲では見つかりませんでした

「等級7は残り1戸」は、県が示した募集戸数8戸と申請受付戸数7戸から当サイトが引き算したものです。県が残枠として公表した数字ではありません。

「岩手で進めるときの順番」も当サイトの整理であり、県が示した手順ではありません。

制度は年度途中でも変わります。申し込む前に必ず最新の公式ページを確認してください。

この記事は公開情報を整理したものです。当サイトが実際に岩手県で住宅を建てたり太陽光発電を設置したりした立場で書いたものではありません。