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太陽光発電を調べ始めて最初に知りたいのは、たぶんこれだと思います。「で、電気代はいくら安くなるのか」
この記事では、国が売電価格を決めるときに使っている数字だけを使って計算します。販売会社のシミュレーションではなく、経済産業省の調達価格等算定委員会が公表している前提です。
先に結論:5kWで年間11万円前後、月あたり9,200円ほど
結論から書きます。国の想定値で計算すると、5kWの太陽光発電を載せた場合の効果はこうなります。
| 内訳 | 年間 | 月あたり |
|---|---|---|
| 買わずに済んだ電気(自家消費分) | 約49,000円 | 約4,100円 |
| 売った電気(売電収入・10年平均) | 約61,000円 | 約5,100円 |
| 合計 | 約110,000円 | 約9,200円 |
ここから先は当サイトの計算です。国が示した前提値を掛け合わせたもので、委員会がこの金額を示しているわけではありません。
この数字の作り方
使った前提は4つだけです。すべて調達価格等算定委員会の資料に載っている数字です。
| 前提 | 値 | 出どころ |
|---|---|---|
| 年間の発電量 | 1kWあたり約1,200kWh | 設備利用率13.7%×8,760時間から換算 |
| 自家消費率 | 30% | 委員会が採算計算で使う想定 |
| 電気を買う単価 | 27.31円/kWh | 委員会が使う想定単価 |
| 売電価格(1〜4年目) | 24円/kWh | 2026年度の調達価格 |
5kWなら年間6,000kWh発電します。そのうち30%(1,800kWh)を自分で使い、残り70%(4,200kWh)を売る、という計算です。
- 自家消費:1,800kWh × 27.31円 = 約49,000円
- 売電:4,200kWh × 24円 = 約101,000円
……と単純計算するとこうなりますが、この計算には落とし穴があります。
自分の家だといくらになるか
ここまでの数字は国が使っている全国共通の想定値です。実際の削減額は屋根の向き・面積・電気の使い方で変わるため、見積もりで自宅の条件を入れて計算してもらうのが確実です。
広告。申し込みは各社の公式サイトで行われます。
落とし穴:24円は4年だけ
2026年度の売電価格24円は、買取期間10年のうち最初の4年だけです。5年目からは8.3円に下がります。
| 期間 | 売電価格 | 4,200kWh売った場合の年間収入 |
|---|---|---|
| 1〜4年目 | 24円/kWh | 約101,000円 |
| 5〜10年目 | 8.3円/kWh | 約35,000円 |
| 11年目以降 | 契約先による(10円前後の例が多い) | 約42,000円 |
10年間を平均すると、売電収入は年間約61,000円です。冒頭の表はこの平均値を使っています。詳しい仕組みは太陽光の売電価格2026年度で解説しています。
自家消費分とあわせると、こういう推移になります。
| 期間 | 自家消費+売電の合計 | 月あたり |
|---|---|---|
| 1〜4年目 | 約15.0万円 | 約12,500円 |
| 5〜10年目 | 約8.4万円 | 約7,000円 |
| 10年平均 | 約11.0万円 | 約9,200円 |
最初の4年と5年目以降で、月あたり5,500円ほど変わります。「ずっと月1万2,000円下がる」という説明を見たら、それは4年目までの話です。
自家消費のほうが得になる理由
上の表を見ると、売電より自家消費のほうが単価が高いことに気づきます。
- 電気を買う単価:27.31円/kWh
- 売る単価(5年目以降):8.3円/kWh
3倍以上の差です。5年目以降は、売るより自分で使ったほうが1kWhあたり19円得になります。
これが、蓄電池が検討される理由です。昼に余った電気をためて夜に使えば、8.3円で売る代わりに27.31円分の電気を買わずに済みます。蓄電池の判断材料は家庭用蓄電池ガイドにまとめています。
この計算が当てはまらないケース
ここまでの数字は全国共通の想定値です。次の条件では結果が変わります。
| 条件 | 影響 |
|---|---|
| 屋根が北向き、または日照が遮られる | 発電量が減る。南向きが有利は何%か |
| 日中ほとんど家にいない | 自家消費率が30%を下回り、安い単価で売る割合が増える |
| オール電化・在宅勤務 | 自家消費率が上がり、想定より得になる |
| 電気料金が値上がりする | 買わずに済む電気の価値が上がる |
| 載せられる容量が5kW未満 | 比例して削減額が下がる。屋根の条件 |
自家消費率30%はあくまで平均です。昼間に人がいる家ほど得になり、いない家ほど効果が薄くなります。この差は年間2万円以上になることもあります(当サイトの計算です)。
初期費用と比べる
年間11万円下がるとして、設備にいくらかかるのかを並べないと判断できません。
委員会が使っている想定は1kWあたり25.5万円、5kWなら約128万円です。ただしこれは平均ではなく「安いほうから3割に入る価格帯」で、実際の平均は28.9万円/kWでした。詳しくは太陽光発電の費用はいくらかをご覧ください。
単純に割ると、128万円 ÷ 年11万円 = 約12年。ただしこれは維持費を引く前の数字です。委員会は運転維持費を0.30万円/kW/年と置いているので、5kWなら年1.5万円。これを引くと年9.5万円となり、回収は約13年になります(当サイトの計算)。パワーコンディショナの交換費用や、補助金を使った場合の減額を入れるとさらに動きます。回収年数の計算に必要な前提は回収年数はどう計算するかで12項目に分けて整理しています。
補助金を使えば初期費用は下がります。お住まいの自治体の制度は補助金ガイドから確認できます。
まとめ
- 国の想定値で計算すると、5kWで年間約11万円、月あたり約9,200円の効果(10年平均)
- 内訳は自家消費が約49,000円、売電が約61,000円
- 1〜4年目は月約12,500円、5〜10年目は月約7,000円と大きく変わる
- 売電24円は最初の4年だけ。5年目から8.3円に下がる
- 買う電気は27.31円、売る電気は8.3円。自分で使うほうが3倍以上得
- 自家消費率30%は平均値。日中在宅なら得、留守がちなら効果が薄い
- 初期費用は5kWで128万円前後(国の想定値)。維持費を引くと回収は約13年
削減額は見積もりで確かめる
同じ設備でも会社によって価格が数十万円ちがうことがあります。削減額と初期費用の両方を見ないと、得かどうかは判断できません。
広告。申し込みは各社の公式サイトで行われます。
この記事の情報について
以下を2026年8月12日に確認したものです。
- 経済産業省 調達価格等算定委員会(設備利用率・自家消費率・想定電気料金・調達価格)
- 資源エネルギー庁「固定価格買取制度 買取価格・期間等」
なお27.31円/kWhという想定は、実際の家計とほぼ一致しています。環境省の調査から当サイトが換算した2023年度の実測は28.26円/kWhでした(電気代の推移)。
金額の計算はすべて当サイトによるものです。委員会や資源エネルギー庁がこの削減額を示しているわけではありません。使った前提値(設備利用率13.7%・自家消費率30%・電気料金27.31円/kWh・調達価格24円/8.3円・運転維持費0.30万円/kW/年)は公表資料の数字ですが、それを掛け合わせた結果は当サイトの試算です。年間発電量1kWあたり約1,200kWhは、設備利用率13.7%に8,760時間を掛けた当サイトの換算です。
実際の発電量と削減額は、設置場所・屋根の条件・機器・電気の使い方によって変わります。この記事の数字は判断の出発点として使い、契約前には必ず自宅の条件での見積もりを取ってください。
11年目以降の買取価格は契約先によって異なります。「10円前後の例が多い」は各社の公表プランを確認したうえでの記載で、すべての事業者を調べたものではありません。
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