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太陽光発電の故障で最も困るのは、壊れても見た目で分からないことです。
太陽光発電協会(JPEA)が公表している不具合事例集に、この点がはっきり書かれています。
クラスタ故障は外観上の変化を示さないため、目視点検での発見できない。
クラスタ故障とは、パネル内部の一部が発電しなくなる故障です。パネルは割れていないし、焦げてもいない。それでも発電量は落ちています。
気づく方法は「発電量」しかない
事例集に載っている実際のケースです。事業用の発電所の例ですが、故障の性質は住宅用でも同じです。
| 回路 | 電流値 | 状態 |
|---|---|---|
| 正常な回路 | 5.6A | — |
| 故障していた回路 | 1.3A | パネル4枚に故障 |
この例では、60個あるうちの4個が故障(故障率6.6%)で、発電電流は23.2%まで落ちていました。一部の故障が全体に響く構造です。
ここから先は当サイトの整理です。住宅用でこれに気づくには、モニタで発電量を見ているしかありません。「去年の同じ月と比べて減っていないか」を確認する習慣が、唯一の早期発見の手段です。
外から見て分かる故障
一方、見れば分かる故障もあります。事例集から住宅用にも起こりうるものを挙げます。
ガラスの破損(飛来物)
台風のあとに多いとされています。石などが当たって表面ガラスが割れるケースです。事例集には、カラスが上空から石を落として破損させた事例まで報告されています。
注意点として、こう書かれています。
太陽電池モジュールの表面ガラス破損によるヒビから水分が浸入すると絶縁性が低下し、漏電の可能性がある。
割れたまま放置してはいけません。災害時の扱いは災害で太陽光パネルが壊れたらで詳しく扱っています。
ホットスポットによる焼損
パネルの一部が異常に発熱する現象です。事例集には、電柱の影が当たる場所で発生し、裏面のシートまで焼損して充電部が露出していたケースが載っています。
対応として「速やかに交換作業を行うこと必要である」とされています。
コネクタの溶断
パネル同士をつなぐコネクタが、内部でアークを起こして溶けるケースです。事例集は原因をこう推測しています。
コネクタ内部の金属端子間に僅かな隙間が生じてアークが発生し、徐々に外郭の樹脂を溶かすことで金属端子の固定が緩み、さらに隙間が増大するというサイクルを繰り返すことで、最終的に溶断に至ったと推測される。
最初の隙間の原因は「施工時の嵌合不良、コネクタ自体の製品不良」とされています。施工の質が後から効いてくる例です。
保証の範囲を確認してから契約する
故障したときに誰が直すのかは、契約時点で決まります。保証年数と対象範囲を複数社で比べてください。
広告。申し込みは各社の公式サイトで行われます。
影は「部分的」でも影響が大きい
故障ではありませんが、発電量が落ちる原因として重要です。
事例集には、シミュレーション値より約20%発電量が低かった発電所の調査例があります。原因は電柱とアレイ自身の影でした。
アレイへの影は部分的であっても、モジュールのストリングス構成によりクラスタ単位あるいはモジュール全体の発電量の低下を引き起こす場合がある。
パネルの一部に影がかかるだけで、そのパネル全体が発電しなくなることがあります。設置前に影の影響を確認する重要性はここにあります。屋根の向きと発電量もご覧ください。
故障したときの手順
ここから先は当サイトの整理です。
- 発電量の記録を確認する。いつから落ちているか。急に落ちたのか、徐々にか
- パワコンのエラー表示を確認する。エラーコードは取扱説明書に対応表がある
- 異音・異臭があれば運転を止める。分電盤の太陽光発電用ブレーカーとパワコンの運転スイッチをOFF
- 施工した会社に連絡する。保証書と設置時の書類を用意する
- 会社が廃業している場合は、メーカーのサポート窓口に連絡する
屋根に自分で上らないでください。割れたパネルでも発電しており、感電の危険があります。
保証で直るかどうか
太陽光の保証は3種類あり、どれが適用されるかで話が変わります。
| 保証 | 誰が出すか | 対象 |
|---|---|---|
| 機器保証 | メーカー | 機器そのものの故障 |
| 出力保証 | メーカー | 規定以上の出力低下 |
| 施工保証 | 工事した会社 | 取り付けに起因する不具合 |
問題になりやすいのが施工保証です。工事した会社が存続していることが前提になります。詳しくは太陽光の保証は3種類あるで解説しています。
また、出力保証を使うには出力が落ちていることを測定で示す必要があります。事例集にも「出力測定データがあれば、モジュールメーカーに保証等に関する相談をすることができる場合がある」とあります。日頃の記録が役に立ちます。
「無料点検」には注意する
故障が見た目で分からないことを逆手に取った勧誘があります。「近くで工事をしていて、お宅のパネルが心配」といった訪問です。
国民生活センターは点検商法について注意喚起を出しています。当サイトでも悪質業者の見分け方で「点検が義務化された」という説明の正確性を検証しています。
点検が必要かどうかと、その場で契約すべきかどうかは別の話です。
まとめ
- クラスタ故障は外観に出ない。JPEAも「目視点検での発見できない」と明記
- 事例では4枚の故障で発電電流が23.2%まで低下していた
- 気づく方法は発電量の記録を見ることだけ
- ガラス破損は水分侵入で漏電の可能性。放置しない
- コネクタ溶断の原因は施工時の嵌合不良や製品不良と推測されている
- 部分的な影でもモジュール全体が発電しなくなることがある
- 屋根に自分で上らない。割れていても発電している
- 出力保証を使うには測定データが要る。日頃の記録が役に立つ
保証内容まで並べて比べる
初期費用が安くても保証が短ければ、故障時の負担は自分に来ます。同じ条件で複数社の見積もりを取ってください。
広告。申し込みは各社の公式サイトで行われます。
この記事の情報について
以下を2026年8月12日に確認したものです。引用は原文のままです。
- 太陽光発電協会「太陽光発電システムの不具合事例とその対処例」(2020年3月31日・全122ページ・公共産業部会 太陽光発電O&Mタスクフォース)
- 日本電機工業会・太陽光発電協会「太陽光発電システム保守点検ガイドライン」(第2版)
確認していない範囲です。ここが重要です。
- 引用した不具合事例は、事業用(高圧・メガソーラー)の発電所のものです。住宅用で同じ頻度で起きるかは、この資料からは分かりません。故障の性質(外観に出ない、影の影響が大きい等)は共通と考えられますが、発生率は確認していません
- 「発電電流が23.2%まで低下」は事例集に記載された1件の実測値です。一般的な数字ではありません
- 故障時の手順は当サイトの整理です。個別の設備については取扱説明書と施工会社の指示に従ってください
- 住宅用太陽光の故障発生率に関する統計は確認していません
- メーカーごとの保証条件・対応窓口は確認していません
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