※本記事にはプロモーションが含まれます
「何kW載せればいいですか」という質問には、2通りの答え方があります。
ひとつは電気の使用量から逆算する方法。もうひとつは屋根の広さから逆算する方法です。この2つは一致しないことがあります。
方法1:電気の使用量から逆算する
国が採算計算に使っている想定値を使います。
| 項目 | 国の想定 |
|---|---|
| 設備利用率 | 13.7% |
| 自家消費率 | 30% |
| 余剰売電比率 | 70% |
設備利用率13.7%を年間発電量に直すと、1kWあたり約1,200kWh/年です(当サイトの計算です)。
平均的な家庭が1年に使う電気は3,911kWh
逆算するには、自分の家の使用量が要ります。目安になる公的な数字があります。
1世帯が1年間に消費したエネルギーは、全国平均で電気が3,911kWh、都市ガスが177㎥、LPガスが23㎥、灯油が119リットルとなっています。
環境省の家庭CO2統計(令和5年度)です。地方差もはっきり出ています。
| 世帯当たり年間電気消費量 | |
|---|---|
| 全国平均 | 3,911kWh |
| 最多:北陸 | 5,300kWh |
| 最少:沖縄 | 3,578kWh |
ただしこれは戸建と集合住宅を合わせた平均です。戸建だけの数字ではありません。検針票の12か月分を足すのが確実です。
自家消費率30%を掛け忘れない
ここが間違えやすいところです。発電した電気が全部そのまま使えるわけではありません。国の想定では、発電量のうち自宅で使うのは30%で、残り70%は売電に回ります。
全国平均の3,911kWhを使う家庭が、使用量の30%にあたる1,173kWhを太陽光でまかないたいとします。
| 計算 | 結果 | |
|---|---|---|
| まかないたい量 | 3,911kWh × 30% | 1,173kWh |
| 必要な発電量 | 1,173kWh ÷ 自家消費率30% | 3,910kWh |
| 必要な容量 | 3,910kWh ÷ 1,200kWh | 約3.3kW |
この計算はすべて当サイトによるものです。2段目を飛ばすと約1kWという小さすぎる答えが出ます。自家消費率で割り戻す手順が要ります。
言い換えると、使用量とほぼ同じだけ発電する容量を載せて、まかなえるのはその3割ということです。残りは売電になります。
売電も含めるなら、載せられるだけ載せるほうが総額のメリットは大きくなります。ただし初期費用も比例して増えます。自家消費率は日中の在宅、蓄電池、給湯の電化で上がります(電気代はいくら安くなるか)。
方法2:屋根から逆算する
こちらが実際の上限を決めます。屋根の面積、形状、方位、そして構造で載る量が決まります。
重要なのは、面積だけでは決まらないことです。国の施工基準が見ているのは面積ではなく、屋根を支える構造材です。詳しくは太陽光は自分の屋根に載るかで解説しています。
屋根の向きによる発電量の差は南向きが有利は何%かで扱っています。
屋根に載る容量を確認する
電気の使用量から必要な容量が分かっても、屋根に載らなければ意味がありません。現地を見た見積もりで、実際に載る容量を確認してください。
広告。申し込みは各社の公式サイトで行われます。
2つの答えが食い違うとき
ここから先は当サイトの整理です。よくあるのは次の2パターンです。
| 状況 | 考え方 |
|---|---|
| 屋根に載る量 > 使用量から必要な量 | 余剰分は売電になる。売電単価は5年目から下がるため、初期費用とのバランスで判断する |
| 屋根に載る量 < 使用量から必要な量 | 屋根の制約が上限。載せられる範囲で、自家消費率を上げる使い方を考える |
多くの場合、屋根が制約になります。「何kW載せたいか」より「何kW載るか」が先に決まる、というのが実際です。
容量を決める前に知っておくこと
10kW未満と10kW以上で制度が変わる
住宅用は一般に10kW未満です。10kW以上になると、FITの区分が変わり、廃棄費用の積立義務など事業用の扱いが入ってきます。廃棄の制度で触れています。
蓄電池を入れるなら発電量とのバランスを見る
蓄電池の容量は、余る電気の量に合わせます。発電量が少なければ、大きな蓄電池を入れても満充電になりません。蓄電池は必要かをご覧ください。
パワコンの定格出力も確認する
パネルの合計出力とパワコンの定格出力は、必ずしも一致しません。パワーコンディショナとはで解説しています。
まとめ
- 容量の決め方は「使用量から逆算」と「屋根から逆算」の2通り
- 国の想定で計算すると1kWあたり年約1,200kWh(当サイトの計算)
- 平均的な世帯の年間電気消費量は3,911kWh(環境省・令和5年度/戸建と集合住宅の合計平均)
- 逆算では自家消費率30%で割り戻す。この一手を飛ばすと容量が3分の1に出る
- 全国平均の家庭で使用量の3割をまかなうなら約3.3kW(当サイトの計算)
- 実際は屋根が制約になることが多い
- 屋根に載るかは面積ではなく構造で決まる
- 10kWを境に制度の扱いが変わる
複数社に同じ条件で聞く
「何kW載りますか」を複数社に聞くと、提案容量に差が出ることがあります。その差の理由を聞くと、各社の考え方が分かります。
広告。申し込みは各社の公式サイトで行われます。
この記事の情報について
以下を2026年8月12日に確認したものです。
- 経済産業省 調達価格等算定委員会(設備利用率13.7%、自家消費率30%、余剰売電比率70%)
- 環境省「家庭でのエネルギー消費量について」(家庭部門のCO2排出実態統計調査)/原典は「令和5年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査 資料編(確報値)」図1-72(p.41)— 世帯当たり年間電気消費量3,911kWh、地方別の最多・最少
確認していない範囲です。
- 設備利用率13.7%から年間発電量1,200kWh/kWへの換算は当サイトの計算です。委員会がこの発電量を示しているわけではありません
3,911kWhは戸建と集合住宅を合わせた平均で、戸建だけの数値は確認していません→ 2026年8月13日に確認しました。戸建だけなら年17.7GJ、約4,917kWh(電気代の推移)。世帯人数別の数値は引き続き未確認です- 家庭CO2統計は令和6年度以降の偶数年度は実施されていません。令和5年度が最新です
- 約3.3kWという結果は、国の想定値(設備利用率13.7%・自家消費率30%)と環境省の平均値を当サイトが組み合わせて計算したものです。どちらの機関も示していない数値です
- 自家消費率30%は国が採算計算に使う想定で、実際の割合は家庭ごとに違います
- 「屋根が制約になることが多い」は当サイトの整理です。統計に基づくものではありません
- 実際に載る容量は、屋根の形状・構造・法規制によって変わります。現地調査が必要です
ソーラー資料室



