太陽光と蓄電池はどちらが先か|出荷の約9割は一体の型

蓄電池

太陽光と蓄電池、どちらを先に入れるべきか。同時のほうがいいのか。この問いには、機器側の事情と制度側の事情の両方が関わります。統計を見ると、実際には同時が主流です。ただし後付けには後付けの理由があります。数字と制度の条件から整理します。

出荷の約9割は太陽光と一体の型

業界団体の出荷統計では、太陽光発電と組み合わせる型が大半を占めています。2025年度の出荷で、太陽光と一体の型の比率は89.7%でした(蓄電池の出荷レポート)。

単機能型・ハイブリッド型という分類の中身は、パワーコンディショナの構成の違いです。詳しくは単機能型とハイブリッド型の記事にまとめました。

太陽光がない場合、メーカーも併設を勧めている

蓄電池だけを先に入れることは可能です。ただしメーカー自身が条件を付けています。

Q 太陽光を設置していない家にも設置可能ですか。
A U5は単機能蓄電システムですので太陽光発電所有の有無に拘わらず、設置は可能です。節電などの効果を引き出すためには太陽光発電も設置されることをおすすめいたします。

「設置は可能」だが「効果を引き出すには太陽光も」。太陽光がなければ、ためる電気はすべて買った電気になります。この場合の収支は蓄電池だけ設置する記事に整理しました。

あとから足すとFIT認定の変更になる

すでに太陽光がある家に蓄電池を足す場合、手続きが1つ増えます。機器の増設ではなく、事業計画の変更として扱われるためです。中身は後付けの記事にまとめました。

同時に導入すれば、この変更手続きは発生しません。手続きの数では同時のほうが少なくなります(このサイトの整理です)。

売電単価が判断を分ける

経済性の面では、FITの買取期間が残っているかどうかで話が変わります。国民生活センターは、この点について注意を促しています。

しかし、どの方法がより経済的なメリットがあるかについては、電気料金や家庭用蓄電池等の価格及び小売電気事業者等の買取メニューによって異なります。また家庭用蓄電池は、「災害時に活用できる」といったメリットもあり、経済価値に直接換算することのみで判断するのは難しい面もあります。「固定価格での買取期間満了後は売電するより家庭用蓄電池を導入して自家消費する方がよい」等と事業者に説明されてもうのみにせず、自身でも情報収集し、総合的に判断するようにしましょう。

売電単価が高い期間は、余った電気を売るほうが有利な場合があります。単価の推移は売電価格の記事、卒FIT後の選択肢は卒FITの記事にあります。

3つの入れ方を並べる

ここから先はこのサイトの整理で、公的な基準ではありません。

導入のしかたと、それぞれの条件(2026年9月6日時点)
入れ方 手続き 向く場面 注意点
太陽光と同時 FIT認定の変更は発生しない これから両方入れる家。新築 初期費用が一度に大きくなる
太陽光が先、蓄電池を後付け FIT認定の変更手続きが要る すでに太陽光がある家。卒FITが近い家 接続位置で価格が動く。パワコンの残り寿命も見る
蓄電池だけ FITの手続きは発生しない 防災が目的の家。屋根に載せられない家 ためるのが買った電気になる

太陽光が載るかどうかは屋根の条件で決まります(屋根の条件の記事)。載らない家では、3つめが選択肢になります。

後付けなら、パワコンの寿命も見る

太陽光が先に入っている家では、パワーコンディショナがどれくらい使われているかが判断材料になります。先に寿命が来るのはパネルではなくパワコンです(パワーコンディショナの記事)。

蓄電池をハイブリッド型にすると、太陽光のパワコンと蓄電池のパワコンが1台にまとまります。既存のパワコンが交換時期に近いなら、そこで一緒にする選び方もあります。この判断は単機能型とハイブリッド型の記事と後付けの記事に整理しました。

決める順番

  1. 屋根に太陽光が載るかを確認する。載らないなら蓄電池だけの検討になります
  2. すでに太陽光があるなら、FITの残り期間を確認する
  3. 既存パワコンの設置年を確認する。交換時期が近いなら同時に検討する余地があります
  4. 初期費用を一度に出すか、分けるかを決める
  5. いずれの場合も、見積もりは1kWhあたりの単価で比べる(見積もりの妥当性の記事)

手続きの順番は導入までの流れの記事、効果が出にくい条件はいらない家の条件の記事にまとめています。

まとめ

  • 2025年度の出荷では、太陽光と一体の型が89.7%を占めた
  • 太陽光がない家について、メーカーは「効果を引き出すためには太陽光発電も設置されることをおすすめ」と書いている
  • 後付けはFIT認定の変更手続きになる。同時導入なら発生しない
  • 国民生活センターは「売電より自家消費のほうがよい」という説明をうのみにしないよう促している
  • 屋根に載らない家、防災が目的の家では、蓄電池だけという選択肢がある
  • 後付けでは、既存パワーコンディショナの交換時期も判断材料になる

「どちらが先か」は、家の条件で答えが変わります。屋根とFITの残り期間を先に確認してください。

この記事の情報について

出典は、一般社団法人日本電機工業会(JEMA)の定置用リチウムイオン蓄電システム出荷実績(2025年度。太陽光と一体の型の比率。確認日2026年8月13日)、ニチコン株式会社「Q&A 9.7kWh 単機能蓄電システム」(太陽光の有無と設置の可否。確認日2026年9月6日)、独立行政法人国民生活センター「家庭用蓄電池の勧誘トラブルにご注意!」(2021年6月3日。経済的メリットに関する記述。確認日2026年9月6日)です。導入のしかたの整理はこのサイトによるもので、公的な基準ではありません。当サイトは施工・販売を行っておらず、記載は公表資料の読み取りです。

確認していない範囲: 同時導入と後付けで総額がどれだけ変わるかを示した公的な統計は確認していません。既存パワーコンディショナを何年で交換するのが妥当かという公的な基準も見つかっていません(パワーコンディショナの記事を参照)。新築時と既築で工事費がどう違うか、FIT認定の変更にかかる審査期間も確認していません。引用したメーカー以外の機種で、同時導入と後付けの条件が違うかも確認していません。