再エネ賦課金2026年度は4.18円|上がった理由は「再エネの増加」ではない

統計・レポート公開 2026年8月13日
再エネ賦課金2026年度は4.18円|上がった理由は「再エネの増加」ではない

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2026年度の再エネ賦課金は 4.18円/kWh。月400kWhの家庭で月1,672円・年20,064円の負担です。

制度が始まった2012年度は0.22円でした。ただし、2026年度に上がった理由は「再エネが増えたから」ではありません。

このページは毎年3月に単価が公表されたタイミングで更新します。次回の更新は2027年3月頃の予定です。

あなたの負担額

賦課金は電力会社から買った電力量に比例します。2026年度の単価4.18円で計算した早見表です。

1か月の使用量 月あたり 年あたり
200 kWh 836円 10,032円
300 kWh 1,254円 15,048円
400 kWh(一般的な世帯) 1,672円 20,064円
500 kWh 2,090円 25,080円
700 kWh 2,926円 35,112円

400kWhは総務省家計調査に基づく一般的な世帯の使用量として、経済産業省が需要家モデルに使っている数字です。この行だけが公表値で、他の行は当サイトが同じ単価で計算したものです。

2026年度の単価は2026年5月検針分から2027年4月検針分まで適用されます。

単価の推移

再エネ賦課金の単価(円/kWh) 一次資料で確認参考値(未確認) 1 2 3 4 0.22 3.45 1.40 4.18 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 出典: 経済産業省の各年度プレスリリース(2022年度以降)
年度 単価 資料
2012 0.22円 参考値
2013 0.35円 参考値
2014 0.75円 参考値
2015 1.58円 参考値
2016 2.25円 参考値
2017 2.64円 参考値
2018 2.90円 参考値
2019 2.95円 参考値
2020 2.98円 参考値
2021 3.36円 参考値
2022 3.45円 確認済
2023 1.40円 確認済
2024 3.49円 確認済
2025 3.98円 確認済
2026 4.18円 確認済

「確認済」は経済産業省のプレスリリースで当サイトが直接確認した年度です。2021年度以前は、経産省のサイトから該当のリリースが削除されているため確認できていません(後述)。

2026年度に上がった理由は「再エネの増加」ではない

ここがこのページで最も重要な点です。

賦課金の単価は、経済産業省が次の3つの数字から算定しています。プレスリリースに内訳が公表されています。

2025年度の想定 2026年度の想定 差
(1) 買取費用等 4兆8,540億円 4兆8,507億円 −33億円
(2) 回避可能費用等 1兆7,906億円 1兆6,495億円 −1,411億円
(3) 販売電力量 7,708億kWh 7,665億kWh −43億kWh

単価は(買取費用等 − 回避可能費用等)÷ 販売電力量で計算されます。当サイトで検算すると、

(48,507 − 16,495)÷ 7,665 = 4.176円 → 公表値の4.18円と一致します。

ここで注目すべきは、買取費用等がむしろ33億円減っていることです。再エネの買い取りにかかるお金は増えていません。

上がった原因は回避可能費用が1,411億円減ったことです。

回避可能費用とは

資源エネルギー庁の説明です。

買取に要した費用から、電気事業者が再生可能エネルギーの電気を買い取ることにより節約できた燃料費等は差し引いております。

再エネを買い取ったぶん、火力発電の燃料を使わずに済みます。その節約分が「回避可能費用」で、賦課金から差し引かれます。

そしてこの金額は卸電力市場の価格に連動します。プレスリリースにも「過去の市場価格の実績を踏まえて、市場価格に連動する回避可能費用単価を計算」と書かれています。

市場価格が下がると、差し引ける額が減り、賦課金は上がります。

賦課金を動かしているのは市場価格だった

確認できた5年分の内訳を並べると、この構造がはっきりします。

年度 単価 買取費用等 回避可能費用等
2022 3.45円 4兆2,033億円 1兆4,609億円
2023 1.40円 4兆7,477億円 3兆6,353億円
2024 3.49円 4兆8,172億円 2兆1,322億円
2025 3.98円 4兆8,540億円 1兆7,906億円
2026 4.18円 4兆8,507億円 1兆6,495億円

5年間の振れ幅を比べます。ここから先は当サイトの整理です。

最小〜最大 振れ幅
買取費用等 4兆2,033億円 〜 4兆8,540億円 15%
回避可能費用等 1兆4,609億円 〜 3兆6,353億円 149%

買取費用は15%しか動いていないのに、回避可能費用は149%動いています。賦課金の上下は、ほぼこちらで決まっていることになります。

2023年度だけ1.40円まで下がった

グラフで1本だけ落ち込んでいるのが2023年度です。前年の3.45円から1.40円へ、6割の下落でした。

内訳を見ると、回避可能費用が1兆4,609億円から3兆6,353億円へ、2.5倍に膨らんでいます。

ここから先は当サイトの整理です。この時期は燃料価格が高騰しており、卸電力市場の価格が上がりました。その結果「節約できた燃料費」が大きくなり、差し引く額が増えて賦課金が下がった、という関係になります。

賦課金が安いことは、電気代全体が安いことを意味しません。むしろ2023年度は、燃料費調整額を含めた電気代そのものが高い時期でした。

太陽光との関係

賦課金は電力会社から買った電力量に比例します。全国一律の単価で、契約プランによる違いはありません。

つまり買う量が減れば、賦課金の負担も減ります。太陽光で発電して自分で使った分には、賦課金がかかりません。

ここから先は当サイトの整理です。月400kWh買っている家庭が、太陽光で月200kWh分を自家消費に回せた場合、賦課金の負担は年20,064円から約10,032円になります。ただしこれは賦課金だけの話で、電気料金の単価分は別に減ります。実際にいくら下がるかは太陽光で電気代はいくら安くなるかで計算しています。

なお売電した分には賦課金は関係しません。賦課金は「買う側」にかかる仕組みです。売電価格の動きは売電価格2026年度をご覧ください。

制度の基本

資源エネルギー庁が挙げている賦課金の性質です。

  • 電気を使うすべての方が負担する
  • 電気料金の一部として支払う
  • 負担額は電気の使用量に比例する
  • 単価は全国一律になるよう調整される
  • 単価は毎年度、経済産業大臣が決める
  • 推測値と実績値の差分は、翌々年度の単価で調整される

最後の項目は見落とされがちです。ある年度の単価には、2年前のズレの調整が含まれています。単年度の数字だけを見て増減の理由を判断できない理由の一つです。

まとめ

  • 2026年度は4.18円/kWh。月400kWhで月1,672円・年20,064円
  • 2012年度は0.22円。14年で約19倍
  • 2026年度に上がった原因は「再エネの増加」ではない。買取費用はむしろ33億円減っている
  • 上がったのは回避可能費用が1,411億円減ったため
  • 回避可能費用は卸電力市場の価格に連動する。市場価格が下がると賦課金は上がる
  • 5年間で買取費用の振れ幅は15%、回避可能費用は149%
  • 2023年度だけ1.40円まで下がった。燃料高騰で市場価格が上がったため
  • 賦課金は買った電力量に比例。自家消費を増やせば負担は減る

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この記事の情報について

以下を2026年8月12日に確認したものです。

更新予定: 毎年3月に翌年度の単価が公表されます。次回の更新は2027年3月頃です。

確認していない範囲です。ここが重要です。

  • 2021年度以前の単価は、一次資料で確認できていません。経済産業省のニュースリリースは過去3年度分しか掲載されておらず、2023年3月以前のアーカイブは削除されています。表の「参考値」は複数の民間サイトで一致している値ですが、当サイトが公的資料で裏を取ったものではありません
  • 2021年度以前の内訳(買取費用等・回避可能費用等)も確認していません。したがって「14年間ずっと市場価格が主因だった」とは言えません。確認できたのは2022〜2026年度の5年分です
  • 2023年度に燃料価格が高騰したことと回避可能費用の増加を結びつけた説明は、当サイトの整理です。プレスリリースにその因果関係は書かれていません
  • 負担額の早見表は、400kWhの行を除き当サイトが単価を掛けて計算したものです
  • 減免制度(電力多消費事業者向け)については扱っていません
  • 2027年度以降の単価は決まっていません