蓄電池のリモコンに見慣れない記号が出ると、故障を疑います。ところがメーカーの公式FAQを読むと、表示の多くは「エラーではない」「製品の異常ではない」と説明されています。修理が要るのは、そのうちの一部です。表示の種類ごとに何をすればいいのかを、メーカーが公表している分類で整理します。
表示が出た=故障、ではない
村田製作所のAll-in-One蓄電池システムのFAQは、表示を種類ごとに切り分けています。まず、そもそも異常ではないもの。
リモコンに表示される「L1」~「L7」は、エラーではございません。機器の過度な温度上昇を防止するため、出力を制御している際に表示されます。改善後に自動で消えますので、対応いただく必要はございません。
次に、原因が家の外にあるもの。
系統の一時的な異常が発生しましたが、本製品の異常ではありません。系統の異常が正常に戻ると約300秒間の待機時間の後、自動的に運転を再開します。
電力系統側の乱れで止まり、約300秒待てば自動で戻る、という説明です。ほかにも「製品の異常ではありません。一部機能の制限をしている状態です」とされる表示や、「お知らせまたは一時的に軽微な異常」で自然に解消するとされる表示があります。
利用者が対応するもの、修理が要るもの
対応が分かれるのはここからです。運転が止まっていて、利用者が解除できるものがあります。
一時的な異常を検知して本製品の運転が止まっています。取扱説明書のエラーコード一覧表の内容を参考にして、エラーコードを解除させたのち、「運転/停止」ボタンを押して運転を開始させてください。また、一時的な軽微な異常を検知して、本製品が停止している場合がありますので、エラーコードの解除及び運転の再開をお願い致します。繰返し同じエラーコードが表示される場合や解消されない場合は、お買上げの販売店または施工店へお問合せください。
そして、最初から修理が前提のものがあります。
メンテナンスやサービスマンによる修理が必要になります。お買上げの販売店または施工店へお問合せください。
ニチコンも同じ構造で説明しています。点検コードの頭文字で対応が2つに分かれる、という書き方です。
→ 点検コードは多岐にわたるので、基本的には同時に表示されるメッセージおよび取扱説明書に従って対応いただくことになりますが、対処方法としては、大きく下記の2種類となります。・点検コード発生(主にBE×××) → エンドユーザー様が室内リモコンまたはスマホアプリの「再起動」ボタンをタッチ → 点検コードが出なくなれば、そのまま使用を継続。点検コードが出続ける場合は、販売店に連絡・点検コード発生(主にBF×××) → 一定時間経過後に自動復帰するので、エンドユーザー様は特に何もせず
メーカーは違っても、自動で戻る/自分で解除する/修理を頼むの3段階に分かれている点は共通しています(編集部の整理です)。
| 状態 | 村田製作所の表示 | ニチコンの表示 | すること |
|---|---|---|---|
| 異常ではない | L1〜L7/N1・N2 | — | 何もしない |
| 自動で復帰する | G1・G2(約300秒)/A0〜A2 | 主にBF××× | 待つ |
| 解除して運転を再開 | E0〜E2 | 主にBE××× | 取扱説明書に従って解除。繰り返すなら販売店 |
| 修理が必要 | F1・F2/H1・H2 | — | 販売店・施工店へ連絡 |
この表は2社の公表内容を並べたものです。表示の記号も分類もメーカーごとに違うので、自分の機種の取扱説明書で確認してください。
連絡先はメーカーではなく、販売店
修理が必要なとき、どこに連絡するかも決まっています。
お手数をおかけしますが、販売店へご確認ください。メーカー修理が必要な場合は、販売店から弊社サービスセンターへご連絡いただきます。
窓口は販売店で、そこからメーカーへ流れる仕組みです。買った会社が分からなくなっていると、この最初の一歩でつまずきます。保証書と契約書の保管場所を、動いているうちに確かめておく理由がここにあります(編集部の整理です)。太陽光側の故障の見え方は太陽光の故障の記事にまとめました。
費用は「都度見積もり」としか書かれていない
保証の内と外で扱いが変わります。
無償保証期間内に弊社製品起因で故障した場合は、無償にて修理いたします。自然災害やお客さまの過失による故障等は免責事項となります。それ以外の有償修理につきましては、都度修理費用のお見積りをさせていただきます。
保証期間内でも、自然災害や過失によるものは免責です。保証外の修理費の相場は公表されておらず、公的な統計も見つかりませんでした。だから「修理費がいくらか」は事前には分かりません。分かるのは、保証の対象になる条件のほうです。保証書の読み方は寿命と保証の記事で扱いました。修理費が高いときの判断は買い替えの記事に整理しています。
定期点検は「利用者がするものはない」
点検については、両社とも同じ答えでした。
お客さまご自身で交換やメンテナンスをして頂くことはありません。ただし、蓄電池をより永くご利用いただくために、蓄電池のメンテナンスモード機能があり、1年に1回、自動で動作いたします。
利用者が定期的に何かを交換したり点検したりする前提にはなっていません。機器が年1回、自動で自分を点検するモードを持っている、という説明です。なお、家庭用蓄電池に法律上の点検義務があるかどうかを正面から示した公的資料は、今回確認した範囲では見つかりませんでした。「義務がない」と断定できる資料も確認できていないため、この記事では「メーカーは利用者による定期点検を求めていない」という事実の範囲にとどめます。
通信が切れているときに困ること
もう1つ、設置のときに決めておくと後で効く項目があります。操作端末です。
スマホ専用アプリのみの場合、通信ができない状態で緊急時に蓄電システムを停止させる方法はありません。これが懸念される場合は、別売りの室内リモコンを購入していただくことで停止が可能となります。
アプリだけの構成にすると、通信が止まったときに機器を停止させる手段がなくなる、ということです。停電と通信障害は同時に起きることがあります。停電時に何が動くかの記事とあわせて、契約前に確認しておく価値があります。
表示が出たときの手順
ここから先は編集部の整理で、公的な基準ではありません。
- においや音、熱など、機器そのものに異常がないかを先に確認する。異常があれば触らずに販売店へ連絡します
- 表示されている記号を、そのまま書き留める。スマホで撮っておくと確実です
- 取扱説明書のコード一覧で、自動復帰・解除・修理のどれに当たるかを調べる
- 解除して運転を再開するタイプなら、説明書の手順どおりに操作する
- 同じ表示が繰り返し出る場合は、自分で解除を続けずに販売店へ連絡する
- 連絡するときは、機種名・表示された記号・いつから出ているかを揃えておく
見積もりや契約の段階で確認しておく項目は蓄電池の見積もりの見方にまとめています。
まとめ
- メーカーのFAQでは、表示の一部を「エラーではございません」「製品の異常ではありません」と明記している
- 系統側の一時的な異常は、正常に戻れば約300秒の待機後に自動で運転を再開するという説明がある
- 対応は「自動で戻る/自分で解除する/修理を頼む」の3段階に分かれる。記号の体系はメーカーごとに違う
- 修理の連絡先は販売店が先。そこからメーカーのサービスセンターへ流れる
- 保証期間内でも自然災害や過失による故障は免責。保証外の修理費は「都度見積もり」で公表されていない
- 利用者が行う定期交換・点検はないとされ、機器が年1回のメンテナンスモードを自動で実行する
- アプリだけの構成では、通信が切れたときに停止させる手段がなくなる場合がある
表示が出たときにいちばん困るのは、連絡先が分からないことです。蓄電池の見積もりの段階で、保証書の発行元と修理の窓口を確認しておいてください。蓄電池の記事の一覧は蓄電池のまとめにあります。
この記事の情報について
以下を2026年9月6日に確認したものです。村田製作所「エラー表示が出ている場合 – よくあるご質問|All-in-One蓄電池システム」(表示の種類ごとの分類と対応)、ニチコン株式会社「Q&A 9.7kWh 単機能蓄電システム」(点検コードの2区分、メンテナンス、連絡先、修理費、通信が切れた場合の操作)、同「Q&A トライブリッド蓄電システム ESS-T5/T6シリーズ」(免責事項、メンテナンスモード)。対応表は2社の公表内容を並べたもので、優劣を示すものではありません。編集部が実際に故障対応を経験した立場ではなく、記載は公表資料の読み取りです。
確認していない範囲: エラーコードの具体的な意味は各社の取扱説明書にしか記載がないため、本記事では扱っていません。村田製作所・ニチコン以外のメーカーの表示体系は確認していません。家庭用蓄電池に法律上の点検義務があるかどうかを正面から示した公的資料も、探した範囲では見つかりませんでした。保証期間外の修理費用の実額、修理にかかる日数の目安も公表されていないため確認できていません。表示の体系や保証の条件はメーカー・機種・時期で変わります。実際の対応は、お手元の取扱説明書と販売店の案内に従ってください。
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