太陽光パネルの処分はどこに頼む?取外し業者と処理先の公開リスト

失敗・トラブル公開 2026年8月12日
太陽光パネルの処分はどこに頼む?取外し業者と処理先の公開リスト

住宅の屋根の太陽光パネルを処分するとき、頼む相手は取外しの施工業者です。工事で取り外されたパネルは産業廃棄物にあたり、廃棄物処理法上の処理責任は取外しをした業者が排出事業者として負う——これが環境省のガイドラインが示す基本形です。頼み先を探すための公開リストが業界団体の太陽光発電協会(JPEA)から2つ出ており、この記事ではその使い方と、頼む前に手元でそろえておく情報を整理します。

処理の責任は「工事をした業者」が負うのが基本形

環境省は「太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン(第二版)」(平成30年)で、使用済みパネルの扱いをこう整理しています(原文の脚注番号は省略)。

使用済太陽電池モジュールを廃棄物として処理する場合には、基本的に「産業廃棄物」に該当する。所有者は、解体・撤去の依頼、FIT法の手続きが必要となる。解体・撤去業者は、排出事業者として廃棄物処理法上の処理責任を負う。

つまり、住宅の所有者がやることは業者への依頼と売電関係の手続きで、廃棄物としての処理そのものを自分で手配する必要はありません。取り外したパネルをどの処理業者に委託するかを決め、責任を持つのは工事をした業者の側です。

同じガイドラインによれば、取り外されたパネルは「金属くず」「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」「廃プラスチック類」の混合物として扱われ、それらの許可品目を持つ業者への委託が必要で、埋め立てる場合は管理型最終処分場に運ばれます。家庭ごみの回収とは別の流れです。

例外もあります。解体工事などの事業活動を伴わずに一般家庭からパネルを出す場合は、一般廃棄物に該当することがあり、ガイドラインは市町村への確認を求めています。例として挙げられているのは工事を伴わない独立型のパネルなどで、屋根の上のパネルは工事なしでは下ろせないので、住宅用のほとんどのケースは業者経由の産業廃棄物ルートになります。

取外しを頼める業者は、89社の公開一覧で探せる

「どの業者が取外しと処分まで対応できるのか」に答える一覧表があります。JPEAの「使用済住宅用太陽電池モジュールの取外しおよび適正処理が可能な太陽光発電システム施工業者一覧表」で、住宅の設備所有者向けに作られたものです。2026年5月13日更新版には89の施工業者が載っていました(当サイト集計)。

掲載されるのは、使用済みパネルのリサイクルまたは廃棄処理を適正に行うことができ、JPEA認定のPV施工技術者かメーカーの施工IDを持つ(または同等の技術を自己宣言した)業者のうち、掲載を希望したものです。逆にいえば、載っていない業者が対応できないという意味ではありません。一覧の性格について、JPEAはこう断っています。

本一覧表に記載された業者名等の情報は、当該業者より提供のあった内容をそのまま掲載しています。そのため、JPEAはその内容につき、一切責任を負いません。

使い方は2段階です。まず自分の県に所在地のある業者を探し、なければ「対応エリア」の列で探します。すべての県に業者の所在地があるわけではありませんが、東北6県を請け負う業者、中国5県と四国4県を請け負う業者のように広域対応の記載があり、所在地の載っていない県も近県の業者の対応エリアに含まれていました(2026年5月13日版を当サイトで通読して確認)。

施工業者一覧表で確認できること(2026年5月13日更新版・列の読み方は当サイトによる)
列 使いどころ
所在地・電話番号 連絡先。市区町村まで書かれている
対応エリア 県単位・地方単位。自県に業者がないときはここで探す
備考 高所作業車の保有、屋根補修まで一貫対応、産業廃棄物収集運搬の許可など業者ごとの強み

対応できるメーカーや機種は業者ごとにちがうため、一覧表自身が個別の相談・確認を求めています。連絡時には後述の型式情報を手元に置いてください。

処理先の一覧は61社。見積もりの場での質問材料になる

もうひとつが「適正処理(リサイクル)の可能な産業廃棄物中間処理業者名一覧表」です。2026年6月8日更新版には、リサイクル率が一定程度あると自己宣言して掲載を希望した61の中間処理業者と、そうした業者を紹介する5つの団体・会社が載っていました(当サイト集計)。

こちらの一覧は、排出事業者——つまり取外しをする工事業者——が委託先を見つけるための参考情報という位置づけです。家庭が直接ここに持ち込むための名簿ではありません。

それでも家庭側に使いみちがあります(ここからは当サイトの整理です)。見積もりや契約の場で「取り外したパネルはどこへ運ばれますか」「リサイクルに回りますか、埋立ですか」と聞き、返ってきた答えをこの一覧と突き合わせる材料になります。埋立とリサイクルで処理費用に差があることは廃棄の新法の記事で扱ったとおりで、行き先の違いは見積もり金額の説明にもつながります。

頼む前に、手元でそろえておく3つ

この3つは公的資料の指定ではなく、当サイトのまとめです。問い合わせの前にそろえておくと、話が具体的になります。

1つめはパネルのメーカー名と型式です。設置時の保証書や仕様書、契約書類に記載があります。JPEAは「使用済太陽電池モジュールの適正処理に資する情報提供のガイドライン」(2017年12月)を公表しており、メーカーや輸入販売業者が、鉛・カドミウム・ヒ素・セレンの4物質について部位ごとに0.1重量%を超える含有があるかを自社ウェブサイトで示す仕組みを整えています。2012年度以降に出荷された製品も、基準値を超えるものは表示することが望ましいとされているため、型式が分かれば、処理側に渡る情報の精度が上がります。

2つめは売電しているかどうかです。先に引用したとおり、環境省のガイドラインは所有者の役割として解体・撤去の依頼とあわせてFIT法の手続きを挙げています。売電中の設備を下ろす場合は、撤去工事とは別に手続きが発生するので、依頼時に業者へ申し出て段取りを確認してください。

3つめは費用の物差しです。撤去・廃棄費用の公的な手がかりと、住宅用が積立制度の対象外である事情は撤去・廃棄費用の記事にまとめています。金額は屋根の形状や足場の要否で変わるため、1社の言い値で決めず、見積もりの進め方と見積もり前に決めておくことを撤去にも当てはめて、複数社で比べることをおすすめします。

自分で外して運ぶのは、やめておく

費用を惜しんで自分で外すことは考えないでください。環境省のガイドラインは、解体・撤去の安全管理をこう書いています。

住宅や建物に設置されている太陽光発電設備を解体・撤去する場合には、適切な足場、養生シート、親綱・安全帯・保護帽・安全靴等の設置・使用によって、屋根からの転落を防止することも重要である。

足場や安全帯を前提にした、専門業者向けの作業だということです。あわせて同ガイドラインは、パワーコンディショナーやパネルと電線の接続部は水没・浸水時に感電の恐れがあるとして注意を促しています。パネルが割れていても光が当たれば電気が起きることは災害時の記事で扱ったとおりで、外して終わりの機械ではありません。

2027年までに、処理の制度は変わっていく

パネルの廃棄をめぐっては「太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律」(令和8年法律第33号)が2026年5月29日に成立し、6月5日に公布されました。施行は公布から1年6月を超えない範囲で政令により定められるため、遅くとも2027年12月までに処理の流れが変わり始めます。何がどう変わるか、売電している住宅がどこに位置づくかは新法の解説記事で整理しています。続報は環境省の「太陽光パネルリサイクル関連」ページに集約されています。

処分を考える段階では、撤去をうたう訪問販売への警戒も要ります。悪質業者の見分け方で書いた確認手順は撤去の勧誘にもそのまま使えます。費用の当たりをつけたら、撤去・廃棄費用の記事と本記事の2つの一覧を手元に、複数の業者と話すところから始めてください。

この記事の情報について

出典は環境省「太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン(第二版)」PDF(平成30年)、太陽光発電協会「使用済住宅用太陽電池モジュールの取外しおよび適正処理が可能な太陽光発電システム施工業者一覧表」PDF(2026年5月13日更新)、同「適正処理(リサイクル)の可能な産業廃棄物中間処理業者名一覧表」PDF(2026年6月8日更新)、同「使用済太陽電池モジュールの適正処理に資する情報提供のガイドライン(第1版)」PDF(2017年12月)、環境省「太陽光パネルリサイクル関連」ページです。2つの一覧表は太陽光発電協会の配布資料ページから最新版を確認できます。掲載数の89社・61社は当サイトが上記更新版を数えたものです。確認日はいずれも2026年8月12日です。

確認していない範囲: 一覧に掲載された各業者の対応可否・料金・工事品質・リサイクル率の実際は確認していません。掲載にあたってJPEAがどのような審査を行うのかの実態、市町村ごとの一般廃棄物としての受け入れ可否、屋根一体型など特殊な設置形態の扱い、新法の施行日と下位法令の内容も未確認です。一覧表は更新されるため、実際に依頼する際は上記の配布資料ページで最新版を確認してください。